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東京慈恵会医科大学/2010年度/2/4

東京慈恵会医科大学 2010年 数学 第3問解答・解説

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1問題

東京慈恵会医科大学2010年度第3問

θ\theta を 0<θ<π0<\theta<\pi の範囲にある定数とし、xyxy 平面上に原点 OO と異なる定点 P0(x0,y0)P_0(x_0,y_0) をとる。OO を中心として、点 P0P_0 を正の向きに角 θ\theta(ラジアン)回転した点と OO を結ぶ線分の中点を P1(x1,y1)P_1(x_1,y_1) とする。次に、OO を中心として、点 P1P_1 を正の向きに角 θ\theta 回転した点と OO を結ぶ線分の中点を P2(x2,y2)P_2(x_2,y_2) とする。以下、同様にくりかえして、点 Pn(xn,yn)  (n=1,2,3,⋯ )P_n(x_n,y_n)\;(n=1,2,3,\cdots) を定める。このとき、次の問いに答えよ。とくに、問い(1)では □\square にあてはまる答えを解答欄に記入せよ。

(1) xnx_n と yny_n をそれぞれ x0,y0,θx_0,y_0,\theta および nn を用いて表せば、xn=(ケ),yn=(コ)x_n=\boxed{(\text{ケ})},\quad y_n=\boxed{(\text{コ})} である。

(2) △PnPn+1Pn+2\triangle P_nP_{n+1}P_{n+2} の面積を SnS_n とするとき、無限級数 ∑n=0∞Sn\displaystyle \sum\limits _{n=0}^{\infty}S_n の和を x0,y0,θx_0,y_0,\theta を用いて表せ。

(3) 点 P0P_0 の座標を (x0,y0)=(1,0)(x_0,y_0)=(1,0) とする。2つのベクトル P0P1→\overrightarrow{P_0P_1} と PnPn+1→\overrightarrow{P_nP_{n+1}} が平行になるような正の整数 nn が存在するための必要十分条件は、θπ\displaystyle \frac{\theta}{\pi} が有理数となることである。このことを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

複素数平面で各操作を回転と縮小として表し、一般項を導く。辺の長さと角から面積を計算して等比級数を和し、最後はベクトルの向きの回転角から必要十分条件を証明する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)(1)\quad ケ=2−n(x0cos⁡nθ−y0sin⁡nθ),=2^{-n}(x_0\cos n\theta-y_0\sin n\theta),\quad コ=2−n(x0sin⁡nθ+y0cos⁡nθ);=2^{-n}(x_0\sin n\theta+y_0\cos n\theta);
    (2)∑n=0∞Sn=(x02+y02)(5−4cos⁡θ)sin⁡θ12;\displaystyle (2)\quad \sum\limits _{n=0}^{\infty}S_n=\frac{(x_0^2+y_0^2)(5-4\cos\theta)\sin\theta}{12};
    (3)∃n∈Z>0: P0P1→∥PnPn+1→ ⟺ θπ∈Q.\displaystyle (3)\quad \exists n\in\mathbb{Z}_{>0}:\space{}\overrightarrow{P_0P_1}\parallel\overrightarrow{P_nP_{n+1}}\space{}\Longleftrightarrow\space{}\frac{\theta}{\pi}\in\mathbb{Q}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) zn=xn+iynz_n=x_n+iy_n とおく。原点中心の角 θ\theta の回転と、その後の中点を取る操作は複素数に q=12(cos⁡θ+isin⁡θ)\displaystyle q=\frac12(\cos\theta+i\sin\theta) を掛けることだから、zn+1=qznz_{n+1}=qz_n である。従ってド・モアブルの定理より zn=qnz0=2−n(cos⁡nθ+isin⁡nθ)(x0+iy0)=2−n{(x0cos⁡nθ−y0sin⁡nθ)+i(x0sin⁡nθ+y0cos⁡nθ)}.\begin{aligned} z_n&=q^nz_0=2^{-n}(\cos n\theta+i\sin n\theta)(x_0+iy_0)\\ &=2^{-n}\{(x_0\cos n\theta-y_0\sin n\theta)+i(x_0\sin n\theta+y_0\cos n\theta)\}. \end{aligned} 実部と虚部を比べれば xn,ynx_n,y_n の式を得る。

(2) R=x02+y02R=\sqrt{x_0^2+y_0^2} とする。dn=∣PnPn+1∣d_n=|P_nP_{n+1}| とおくと、∣OPn∣=2−nR|OP_n|=2^{-n}R であり、∠PnOPn+1=θ\angle P_nOP_{n+1}=\theta だから余弦定理により dn2=(2−nR)2+(2−n−1R)2−2(2−nR)(2−n−1R)cos⁡θ=R24n(54−cos⁡θ)=R2(5−4cos⁡θ)4n+1.\displaystyle \begin{aligned} d_n^2&=(2^{-n}R)^2+(2^{-n-1}R)^2-2(2^{-n}R)(2^{-n-1}R)\cos\theta\\ &=\frac{R^2}{4^n}\left(\frac54-\cos\theta\right)=\frac{R^2(5-4\cos\theta)}{4^{n+1}}. \end{aligned} また Pn+1Pn+2→\overrightarrow{P_{n+1}P_{n+2}} は PnPn+1→\overrightarrow{P_nP_{n+1}} を長さ 12\displaystyle \frac12 に縮小して角 θ\theta 回転したものなので、三角形 PnPn+1Pn+2P_nP_{n+1}P_{n+2} の Pn+1P_{n+1} における角は π−θ\pi-\theta である。三角形の面積公式から Sn=12dndn2sin⁡(π−θ)=R2(5−4cos⁡θ)sin⁡θ16⋅4n.\displaystyle \begin{aligned} S_n&=\frac12d_n\frac{d_n}{2}\sin(\pi-\theta)=\frac{R^2(5-4\cos\theta)\sin\theta}{16\cdot4^n}. \end{aligned} よって公比 14\displaystyle \frac14 の無限等比級数を計算して ∑n=0∞Sn=R2(5−4cos⁡θ)sin⁡θ16⋅11−14=(x02+y02)(5−4cos⁡θ)sin⁡θ12.\displaystyle \sum\limits _{n=0}^{\infty}S_n=\frac{R^2(5-4\cos\theta)\sin\theta}{16}\cdot\frac1{1-\frac14}=\frac{(x_0^2+y_0^2)(5-4\cos\theta)\sin\theta}{12}.

(3) P0P1→≠0⃗\overrightarrow{P_0P_1}\ne\vec0 である。実際、∣OP1∣=∣OP0∣/2|OP_1|=|OP_0|/2 かつ P0≠OP_0\ne O だから P1≠P0P_1\ne P_0 である。PnPn+1→\overrightarrow{P_nP_{n+1}} は P0P1→\overrightarrow{P_0P_1} を 2−n2^{-n} 倍に縮小し、さらに角 nθn\theta 回転したベクトルである。したがって両ベクトルが平行であることは、回転角 nθn\theta が π\pi の整数倍であること、すなわちある整数 kk について nθ=kπn\theta=k\pi となることと同値である。このような正整数 nn が存在すれば θ/π=k/n\theta/\pi=k/n は有理数である。逆に θ/π=p/q (p,q は正整数)\theta/\pi=p/q\ (p,q\text{ は正整数}) と表せるとき、n=qn=q とおけば nθ=pπn\theta=p\pi となり、二つのベクトルは平行である。従って必要十分条件が示された。

この問題で使う考え方

  • 一般角と弧度法
  • 位置ベクトル
  • ベクトルによる図形の考察
  • 複素数平面
  • 複素数の極形式
  • ド・モアブルの定理
  • 無限等比級数

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