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東京慈恵会医科大学/2010年度/2/4

東京慈恵会医科大学 2010年 数学 第2問解答・解説

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1問題

東京慈恵会医科大学2010年度第2問

実数全体で定義された次の関数 f(x),g(x)f(x),g(x) を考える。f(x)={2x−1(x≧0),1−2−x(x<0),g(x)=2xx2+1.\displaystyle f(x)=\begin{cases}2^x-1&(x\geq0),\\1-2^{-x}&(x<0),\end{cases}\qquad g(x)=\frac{2x}{x^2+1}. このとき、次の問いに答えよ。

(1) x≧0x\geq0 の範囲において、関数 h(x)h(x) を h(x)=(x2+1)(f(x)−g(x))h(x)=(x^2+1)(f(x)-g(x)) により定める。

(i) h(0),h(1)h(0),h(1) の値を求めよ。

(ii) x>0x>0 のとき h′′(x)h''(x) の符号を調べよ。

(iii) 平均値の定理を用いて h′(c)=0,0<c<1h'(c)=0,\quad0<c<1 をみたす実数 cc が存在することを示せ。また、それはただ1つであることの理由を述べよ。

(2) f(x)f(x) と g(x)g(x) の大小を調べよ。

(3) 2曲線 y=f(x),y=g(x)y=f(x),y=g(x) で囲まれた部分を xx 軸のまわりに1回転してできる立体の体積 VV を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)(i)h(0)=h(1)=0;(1)(i)\quad h(0)=h(1)=0;
    (ii)h′′(x)>0 (x>0);(ii)\quad h''(x)>0\space{}(x>0);
    (iii)(iii)\quad ただ1つの c∈(0,1) \space{}c\in(0,1)\space{} で h′(c)=0.\space{}h'(c)=0.
    (2)f(x)<g(x) (2)\quad f(x)<g(x)\space{} for x<−1, 0<x<1;f(x)=g(x) \space{}x<-1,\space{}0<x<1;\quad f(x)=g(x)\space{} for x=−1,0,1;f(x)>g(x) \space{}x=-1,0,1;\quad f(x)>g(x)\space{} for −1<x<0, x>1.\space{}-1<x<0,\space{}x>1.
    (3)V=π2−4π+πln⁡2.\displaystyle (3)\quad V=\pi^2-4\pi+\frac{\pi}{\ln2}.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)(i) x≧0x\ge0 では f(x)=2x−1f(x)=2^x-1 だから h(x)=(x2+1)(2x−1)−2x.h(x)=(x^2+1)(2^x-1)-2x. よって h(0)=0, h(1)=2(2−1)−2=0h(0)=0,\ h(1)=2(2-1)-2=0 である。

(ii) ln⁡2>0\ln2>0 を用いて微分すると h′(x)=2x(2x−1)+(x2+1)(ln⁡2)2x−2,h′′(x)=2(2x−1)+4x(ln⁡2)2x+(x2+1)(ln⁡2)22x.\begin{aligned} h'(x)&=2x(2^x-1)+(x^2+1)(\ln2)2^x-2,\\ h''(x)&=2(2^x-1)+4x(\ln2)2^x+(x^2+1)(\ln2)^2 2^x. \end{aligned} x>0x>0 では各項が正なので h′′(x)>0h''(x)>0 である。従って h′h' は x>0x>0 でxが大きくなると値は必ず大きくなる。

(iii) hh は 0≦x≦10\le x\le1 で連続、0<x<10<x<1 で微分可能であり、h(0)=h(1)h(0)=h(1) である。平均値の定理により、ある c (0<c<1)c\ (0<c<1) について h′(c)=h(1)−h(0)1−0=0\displaystyle h'(c)=\frac{h(1)-h(0)}{1-0}=0 となる。さらに h′h' は異なるxの値に対して同じ値をとらないから、このような cc はただ1つである。

(2) h′h' は cc の前で負、後で正である。したがって hh は 0<x<c0<x<c で減少し、x>cx>c で増加する。h(0)=h(1)=0h(0)=h(1)=0 だから 0<x<10<x<1 では h(x)<0h(x)<0、また x>1x>1 では h(x)>0h(x)>0 である。x≧0x\ge0 では h(x)=(x2+1)(f(x)−g(x))h(x)=(x^2+1)(f(x)-g(x)) であり x2+1>0x^2+1>0 なので、0<x<10<x<1 では f(x)<g(x)f(x)<g(x)、x>1x>1 では f(x)>g(x)f(x)>g(x) となる。

また t>0t>0 に対して f(−t)=1−2t=−(2t−1)=−f(t),g(−t)=−g(t)f(-t)=1-2^t=-(2^t-1)=-f(t),\qquad g(-t)=-g(t) であるから、f,gf,g はともに奇関数である。正の側の大小を反転すれば、x<−1x<-1 では f(x)<g(x)f(x)<g(x)、−1<x<0-1<x<0 では f(x)>g(x)f(x)>g(x) となる。交点は x=−1,0,1x=-1,0,1 である。

(3) 有界な部分は −1≦x≦0-1\le x\le0 と 0≦x≦10\le x\le1 の2つで、奇関数の対称性により回転体の体積は等しい。0≦x≦10\le x\le1 では 0≦f(x)≦g(x)0\le f(x)\le g(x) だから、断面は外半径 g(x)g(x)、内半径 f(x)f(x) の円環である。従って V=2π∫01{g(x)2−f(x)2} dx=2π{∫014x2(x2+1)2 dx−∫01(2x−1)2 dx}.\displaystyle \begin{aligned} V&=2\pi\int_0^1\{g(x)^2-f(x)^2\}\,dx\\ &=2\pi\left\{\int_0^1\frac{4x^2}{(x^2+1)^2}\,dx-\int_0^1(2^x-1)^2\,dx\right\}. \end{aligned} x2(x2+1)2=1x2+1−1(x2+1)2\displaystyle \frac{x^2}{(x^2+1)^2}=\frac1{x^2+1}-\frac1{(x^2+1)^2} と ∫dx(1+x2)2=x2(1+x2)+12arctan⁡x\displaystyle \int\frac{dx}{(1+x^2)^2}=\frac{x}{2(1+x^2)}+\frac12\arctan x を用いる。なお、この原始関数は、0≦x≦10\le x\le1 で x=tan⁡θx=\tan\theta(0≦θ≦π4\displaystyle 0\le\theta\le\frac\pi4)と置くと、dx=sec⁡2θ dθdx=\sec^2\theta\,d\theta、1+x2=sec⁡2θ1+x^2=\sec^2\theta より ∫dx(1+x2)2=∫cos⁡2θ dθ=θ2+sin⁡2θ4+C=12arctan⁡x+x2(1+x2)+C\displaystyle \int\frac{dx}{(1+x^2)^2} =\int\cos^2\theta\,d\theta =\frac\theta2+\frac{\sin2\theta}{4}+C =\frac12\arctan x+\frac{x}{2(1+x^2)}+C と導ける(sin⁡2θ=2x1+x2\displaystyle \sin2\theta=\frac{2x}{1+x^2})。これらより ∫014x2(x2+1)2 dx=4{π4−(14+π8)}=π2−1.\displaystyle \int_0^1\frac{4x^2}{(x^2+1)^2}\,dx=4\left\{\frac\pi4-\left(\frac14+\frac\pi8\right)\right\}=\frac\pi2-1. また ∫01(2x−1)2 dx=∫01(4x−2⋅2x+1) dx=3ln⁡4−2ln⁡2+1=1−12ln⁡2.\displaystyle \begin{aligned} \int_0^1(2^x-1)^2\,dx&=\int_0^1(4^x-2\cdot2^x+1)\,dx\\ &=\frac{3}{\ln4}-\frac2{\ln2}+1=1-\frac1{2\ln2}. \end{aligned} したがって V=2π(π2−2+12ln⁡2)=π2−4π+πln⁡2.\displaystyle V=2\pi\left(\frac\pi2-2+\frac1{2\ln2}\right)=\pi^2-4\pi+\frac\pi{\ln2}. 数値的にもこの値は正であり、体積の符号と一致する。

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