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東京慈恵会医科大学/2011年度/2/6

東京慈恵会医科大学 2011年 数学 第1問解答・解説

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1問題

東京慈恵会医科大学2011年度第1問

(A) 次の空欄にあてはまる答えを解答欄に記入せよ。

(1) ∠A\angle A が直角、辺 BCBC の長さが1の直角二等辺三角形 ABCABC がある。BCBC 上に、頂点と異なる2点 P,QP,Q を ∠BAP=∠PAQ=∠QAC\angle BAP=\angle PAQ=\angle QAC を満たすようにとると、PQPQ の長さの値は ア\boxed{\text{ア}} である。

(2) nn を2以上の自然数とする。nn 個のさいころを同時に投げて、出た目の最大値を XX、最小値を YY とする。n=3n=3 のとき、X=3X=3 かつ Y=2Y=2 となる確率は イ\boxed{\text{イ}} である。一般の nn に対し、X−Y=1X-Y=1 となる確率を nn を用いて表すと ウ\boxed{\text{ウ}} である。

(3) 3次方程式 x3+ax2+(2+2)x+b=0x^3+ax^2+(2+\sqrt{2})x+b=0 の1つの解が 2+6i2\displaystyle \dfrac{\sqrt{2}+\sqrt{6}i}{2} であるとき、実数の定数 a,ba,b の値を求めると a=エa=\boxed{\text{エ}}、b=オb=\boxed{\text{オ}} である。ただし、ii は虚数単位とする。また、この方程式の他の2つの解を α,β\alpha,\beta とし、α10+β10\alpha^{10}+\beta^{10} の値を求めると、α10+β10=力\alpha^{10}+\beta^{10}=\boxed{\text{力}} である。

(B) 次の命題①、②が成り立つことを解答欄に証明せよ。

2n2n、2n+12n+1(nn は整数)と表される整数を、順に偶数、奇数という。集合 AA を A={a2−b2∣a,b は整数}A=\{a^2-b^2\mid a,b\text{ は整数}\} と定める。

命題①「すべての奇数は AA の要素である」

mm を偶数とする。

命題②「mm が4の倍数であることは、mm が AA の要素であるための必要十分条件である」

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (A)(1) ア=2−3;(A)(2) =2-\sqrt3;\quad (A)(2)\space{} イ=136, \displaystyle =\frac1{36},\space{} ウ=5(2n−2)6n;(A)(3) \displaystyle =\frac{5(2^n-2)}{6^n};\quad (A)(3)\space{} エ=a=−1−2, =a=-1-\sqrt2,\space{} オ=b=−2, =b=-2,\space{} カ=α10+β10=−15+163 i;(B) =\alpha^{10}+\beta^{10}=-15+16\sqrt3\,i;\quad (B)\space{} ① 全奇数は A に属する, ② 偶数 m では m∈A  ⟺  4∣m.m\in A\iff 4\mid m.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

第1問 訂正解答

(A)(1) PQPQ の長さ 斜辺 BC=1BC=1 の直角二等辺三角形だから AB=AC=s=1/2AB=AC=s=1/\sqrt2 である。座標を A=(0,0), B=(s,0), C=(0,s)A=(0,0),\ B=(s,0),\ C=(0,s) と置くと、辺 BCBC は x+y=sx+y=s 上にある。∠A=90∘\angle A=90^\circ を三等分するので APAP は ABAB から 30∘30^\circ、AQAQ は 60∘60^\circ の方向である。 従って PP では x/y=3x/y=\sqrt3、QQ では y/x=3y/x=\sqrt3。 x+y=sx+y=s と合わせると P=(s33+1,s3+1),Q=(s3+1,s33+1).\displaystyle P=\left(\frac{s\sqrt3}{\sqrt3+1},\frac{s}{\sqrt3+1}\right), \qquad Q=\left(\frac{s}{\sqrt3+1},\frac{s\sqrt3}{\sqrt3+1}\right). P,QP,Q は傾き −1-1 の同一直線上にあるので、xx 座標差の 2\sqrt2 倍が距離である。よって PQ=2s3−13+1=3−13+1=2−3.\displaystyle \boxed{PQ=\sqrt2s\frac{\sqrt3-1}{\sqrt3+1} =\frac{\sqrt3-1}{\sqrt3+1}=2-\sqrt3}.

(A)(2) さいころの最大・最小 n=3n=3 で X=3,Y=2X=3,Y=2 となるには、3個の目は 2,32,3 のみで、 両方が少なくとも1回出なければならない。232^3 通りから すべて2、すべて3の2通りを除いた6通りである。全事象は 636^3 通りなので イ=Pr⁡(X=3,Y=2)=23−263=136.\displaystyle \boxed{\text{イ}=\Pr(X=3,Y=2)=\frac{2^3-2}{6^3}=\frac1{36}}. 一般の n≧2n\ge2 では、X−Y=1X-Y=1 のとき最小値 YY は j=1,2,3,4,5j=1,2,3,4,5 のどれか一つである。Y=jY=j を固定すると すべての目は j,j+1j,j+1 の2種類に限られ、両方とも現れるから 2n−22^n-2 通りである。異なる jj の場合は重ならない。従って ウ=Pr⁡(X−Y=1)=5(2n−2)6n.\displaystyle \boxed{\text{ウ}=\Pr(X-Y=1)=\frac{5(2^n-2)}{6^n}}.

(A)(3) 方程式の根と10乗和 与えられた根を z=(2+6 i)/2z=(\sqrt2+\sqrt6\,i)/2 とする。係数 a,ba,b は実数 なので共役 zˉ=(2−6 i)/2\bar z=(\sqrt2-\sqrt6\,i)/2 も根である。 z+zˉ=2z+\bar z=\sqrt2、zzˉ=2z\bar z=2 より、これらの二根に 対応する二次因子は x2−2x+2x^2-\sqrt2x+2 である。残りの根を rr と置くと (x−r)(x2−2x+2)=x3−(r+2)x2+(2+2r)x−2r.(x-r)(x^2-\sqrt2x+2) =x^3-(r+\sqrt2)x^2+(2+\sqrt2r)x-2r. 問題の xx の係数との比較から 2+2r=2+22+\sqrt2r=2+\sqrt2、 従って r=1r=1。よって エ=a=−1−2,オ=b=−2.\boxed{\text{エ}=a=-1-\sqrt2,\qquad \text{オ}=b=-2}. 問題がいう「他の2つの解」は、既知の zz を除く zˉ\bar z と 11 である。 従って {α,β}={zˉ,1}\{\alpha,\beta\}=\{\bar z,1\}。 zˉ\bar z は zˉ2−2zˉ+2=0\bar z^2-\sqrt2\bar z+2=0 を満たすから zˉ3=2zˉ2−2zˉ=2(2zˉ−2)−2zˉ=−22.\bar z^3=\sqrt2\bar z^2-2\bar z =\sqrt2(\sqrt2\bar z-2)-2\bar z=-2\sqrt2. そこで zˉ10=(zˉ3)3zˉ=(−22)32−6 i2=−16+163 i.\displaystyle \bar z^{10}=(\bar z^3)^3\bar z =(-2\sqrt2)^3\frac{\sqrt2-\sqrt6\,i}{2} =-16+16\sqrt3\,i. 従って カ=α10+β10=zˉ10+1=−15+163 i.\boxed{\text{カ}=\alpha^{10}+\beta^{10} =\bar z^{10}+1=-15+16\sqrt3\,i}.

(B) 命題①と命題② 命題①。 任意の奇数 mm は整数 kk を用いて m=2k+1m=2k+1 と 書ける。このとき m=(k+1)2−k2.m=(k+1)^2-k^2. k+1,kk+1,k は整数だから、正負を問わずすべての奇数 mm は AA の要素である。

命題②。 mm を偶数とする。まず 4∣m4\mid m と仮定し m=4k (k は整数)m=4k\ (k\text{ は整数}) と置けば (k+1)2−(k−1)2=4k=m.(k+1)^2-(k-1)^2=4k=m. 従って m∈Am\in A である。逆に m∈Am\in A と仮定し、 m=a2−b2 (a,b は整数)m=a^2-b^2\ (a,b\text{ は整数}) とする。整数の平方は元の整数と 偶奇が同じなので、偶数 m=a2−b2m=a^2-b^2 では a,ba,b は同じ偶奇である。 このとき a−ba-b と a+ba+b はともに偶数だから m=(a−b)(a+b)m=(a-b)(a+b) は4の倍数である。以上より、偶数 mm が AA の要素であるための必要十分条件は、mm が4の倍数であることである。k,a,bk,a,b に符号や非零の制限を置いていないので、 負の数と m=0m=0 も含む。

検算

・ 0<2−3<1=BC0<2-\sqrt3<1=BC で、P,QP,Q 間の距離として可能である。

・ n=2,3,4n=2,3,4 では X−Y=1X-Y=1 の出方は順に 10,30,7010,30,70 通りで、5(2n−2)5(2^n-2) と一致する。

・ (x−1)(x2−2x+2)=x3−(1+2)x2+(2+2)x−2(x-1)(x^2-\sqrt2x+2) =x^3-(1+\sqrt2)x^2+(2+\sqrt2)x-2 で、与式に一致する。 また zˉ10+1\bar z^{10}+1 は −15+163 i-15+16\sqrt3\,i である。

・ 命題②の構成は m=0m=0 の場合 12−(−1)2=01^2-(-1)^2=0 も与える。

この問題で使う考え方

  • 三角比と相互関係
  • 座標による距離
  • 積の法則
  • 余事象
  • 確率の基本法則
  • 高次方程式
  • 解と係数の関係
  • 複素数の四則演算

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