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順天堂大学/2011年度/1/26

順天堂大学 2011年 数学 第I問解答・解説

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1問題

順天堂大学2011年度第I問

問Iの欄に適する解答をマークせよ。ただし,各問題で同じ記号の □\square には同一の値がはいる。

(1) (102−111−103)(3−24−3−11)=(アイboxedウエboxedオカ).\begin{pmatrix}1&0&2\\-1&1&1\\-1&0&3\end{pmatrix} \begin{pmatrix}3&-2\\4&-3\\-1&1\end{pmatrix} = \begin{pmatrix}\boxed{\text{ア}}&\boxed{\text{イ}}\\boxed{\text{ウ}}&\boxed{\text{エ}}\\boxed{\text{オ}}&\boxed{\text{カ}}\end{pmatrix}. 2次の正方行列 AA に対し, (3−24−3−11)A=(−7−23−13−33610)\begin{pmatrix}3&-2\\4&-3\\-1&1\end{pmatrix}A=\begin{pmatrix}-7&-23\\-13&-33\\6&10\end{pmatrix} が成り立つとき, A=(キクケboxedコサシ)A=\begin{pmatrix}\boxed{\text{キ}}&\boxed{\text{クケ}}\\boxed{\text{コサ}}&\boxed{\text{シ}}\end{pmatrix} となる。

(2) 極座標で表現された図形 r=f(θ)r=f(\theta) と原点から始まる二つの半直線 θ=α\theta=\alpha,θ=β\theta=\beta で囲まれる部分の面積は ∫αβ12{f(θ)}2 dθ\displaystyle \int_{\alpha}^{\beta}\frac{1}{2}\{f(\theta)\}^{2}\,d\theta で表すことができる。たとえば,r=4cos⁡θr=4\cos\theta で表される図形の面積は ∫−π2π28cos⁡2θ dθ=アπ\displaystyle \int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}}8\cos^{2}\theta\,d\theta=\boxed{\text{ア}}\pi となる。正葉形 r=sin⁡3θr=\sin3\theta において 0≦θ≦2π0\leq\theta\leq2\pi で r≧0r\geq0 となる θ\theta の範囲を順に示すと 0≦θ≦イウπ,エオπ≦θ≦π,カキπ≦θ≦クケπ\displaystyle 0\leq\theta\leq\frac{\boxed{\text{イ}}}{\boxed{\text{ウ}}}\pi,\quad \frac{\boxed{\text{エ}}}{\boxed{\text{オ}}}\pi\leq\theta\leq\pi,\quad \frac{\boxed{\text{カ}}}{\boxed{\text{キ}}}\pi\leq\theta\leq\frac{\boxed{\text{ク}}}{\boxed{\text{ケ}}}\pi である。この正葉形で囲まれる面積は コサπ\displaystyle \frac{\boxed{\text{コ}}}{\boxed{\text{サ}}}\pi となる。

(3) 次の漸化式で定義される数列について考える。 an+1=αan,(bn+1−an)=β(bn−an).a_{n+1}=\alpha a_n,\qquad (b_{n+1}-a_n)=\beta(b_n-a_n). 数列 {bn}\{b_n\} の無限級数 ∑n=1∞bn\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{\infty}b_n は,−1<α<1-1<\alpha<1 かつ −1<β<1-1<\beta<1 では収束する。a1=1, b1=−1a_1=1,\ b_1=-1 のとき,α=12, β=−12\displaystyle \alpha=\frac{1}{2},\ \beta=-\frac{1}{2} のとき ∑n=1∞bn=アイ\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{\infty}b_n=\frac{\boxed{\text{ア}}}{\boxed{\text{イ}}} であり,α=13, β=13\displaystyle \alpha=\frac{1}{3},\ \beta=\frac{1}{3} のとき ∑n=1∞bn=ウ\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{\infty}b_n=\boxed{\text{ウ}} である。

(4) cos⁡(2⋅π5)=−cos⁡(3⋅π5)\displaystyle \cos\left(2\cdot\frac{\pi}{5}\right)=-\cos\left(3\cdot\frac{\pi}{5}\right) に注意すると, cos⁡π5=ア+イウ\displaystyle \cos\frac{\pi}{5}=\frac{\boxed{\text{ア}}+\sqrt{\boxed{\text{イ}}}}{\boxed{\text{ウ}}} となる。次に,1辺の長さが1である正五角形 ABCDEABCDE について,AB→=b⃗, AD→=d⃗\overrightarrow{AB}=\vec{b},\ \overrightarrow{AD}=\vec{d} とおく。このとき, ∣d⃗∣=エ+オカ,b⃗⋅d⃗=キク,\displaystyle |\vec{d}|=\frac{\boxed{\text{エ}}+\sqrt{\boxed{\text{オ}}}}{\boxed{\text{カ}}},\qquad \vec{b}\cdot\vec{d}=\frac{\boxed{\text{キ}}}{\boxed{\text{ク}}}, AE→=ケ−コサb⃗+シ−スセd⃗\displaystyle \overrightarrow{AE}=\frac{\boxed{\text{ケ}}-\sqrt{\boxed{\text{コ}}}}{\boxed{\text{サ}}}\vec{b} +\frac{\sqrt{\boxed{\text{シ}}-\boxed{\text{ス}}}}{\boxed{\text{セ}}}\vec{d} となる。

(5) 「A」と書かれたカードが5枚,「B」と書かれたカードが3枚ある。「A」のカードを,区別できる3つの箱に分ける方法は アイ\boxed{\text{アイ}} 通りある。区別できない3つの箱に分ける方法は ウ\boxed{\text{ウ}} 通りある。「A」と「B」のカードの合計8枚を,区別できる3つの箱に分ける方法は エオカ\boxed{\text{エオカ}} 通りあり,区別できない3つの箱に分ける方法は キク\boxed{\text{キク}} 通りある。ただし,いずれの場合も空の箱があってもよいとする。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

原本の各設問を独立に計算し、行列は成分・代入、漸化式は初期値、ベクトルは座標で検算した。問5の箱を区別しない場合はA個数の分割ごとに場合分けし、同じA個数の箱の交換だけを同一視して直接列挙した。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) (1000−65),A=(5−3117);\begin{pmatrix}1&0\\0&0\\-6&5\end{pmatrix},\quad A=\begin{pmatrix}5&-3\\11&7\end{pmatrix};\quad (2) 4π, [0,π/3],[2π/3,π],[4π/3,5π/3], π/4;4\pi,\space{}[0,\pi/3],[2\pi/3,\pi],[4\pi/3,5\pi/3],\space{}\pi/4;\quad (3) 4/3, 0;4/3,\space{}0;\quad (4) cos⁡(π/5)=1+54, ∣d⃗∣=1+52, b⃗⋅d⃗=12, AE→=1−52b⃗+5−12d⃗;\displaystyle \cos(\pi/5)=\frac{1+\sqrt5}{4},\space{}|\vec d|=\frac{1+\sqrt5}{2},\space{}\vec b\cdot\vec d=\frac12,\space{}\overrightarrow{AE}=\frac{1-\sqrt5}{2}\vec b+\frac{\sqrt5-1}{2}\vec d;\quad (5) 21, 5, 210, 38.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

agraph{(1) 行列。}積の各成分を行と列の内積で求めると (102−111−103)(3−24−3−11)=(1000−65).\begin{pmatrix}1&0&2\\-1&1&1\\-1&0&3\end{pmatrix} \begin{pmatrix}3&-2\\4&-3\\-1&1\end{pmatrix} =\begin{pmatrix}1&0\\0&0\\-6&5\end{pmatrix}. 次に BA=CBA=C の第1列について、AA の第1列を (u,v)T(u,v)^T とおく。第3行から −u+v=6-u+v=6、第1行から 3u−2v=−73u-2v=-7 なので u=5,v=11u=5,v=11。第2列を (s,t)T(s,t)^T とすると、同様に −s+t=10-s+t=10、3s−2t=−233s-2t=-23 から s=−3,t=7s=-3,t=7。従って A=(5−3117)A=\begin{pmatrix}5&-3\\11&7\end{pmatrix}。積に戻して照合すると所与の右辺になる。

agraph{(2) 極座標と面積。}最初の面積は ∫−π/2π/28cos⁡2θ dθ=4π.\displaystyle \int_{-\pi/2}^{\pi/2}8\cos^2\theta\,d\theta=4\pi. また sin⁡3θ≧0\sin3\theta\ge0 は ある整数 kk について 2kπ≦3θ≦(2k+1)π2k\pi\leq3\theta\leq(2k+1)\pi となることと同値なので、指定区間では 0≦θ≦π/3,2π/3≦θ≦π,4π/3≦θ≦5π/30\leq\theta\leq\pi/3,\quad2\pi/3\leq\theta\leq\pi,\quad4\pi/3\leq\theta\leq5\pi/3 となる。各区間の面積は置換 u=3θu=3\theta を使って 12∫0π/3sin⁡2(3θ) dθ=16∫0πsin⁡2u du=π12.\displaystyle \frac12\int_0^{\pi/3}\sin^2(3\theta)\,d\theta =\frac16\int_0^\pi\sin^2u\,du=\frac{\pi}{12}. 同じ面積の葉が3枚あるから全体は π/4\pi/4。

agraph{(3) 漸化式と級数。} an=αn−1a_n=\alpha^{n-1} であり、与式を bn+1=βbn+(1−β)anb_{n+1}=\beta b_n+(1-\beta)a_n と書き直す。α=1/2,β=−1/2\alpha=1/2,\beta=-1/2 のとき bn=32(12)n−1−52(−12)n−1,\displaystyle b_n=\frac32\left(\frac12\right)^{n-1}-\frac52\left(-\frac12\right)^{n-1}, これは初項 b1=−1b_1=-1 と漸化式を満たす。従って等比級数の和から ∑n=1∞bn=3/21−1/2−5/21+1/2=43.\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{\infty}b_n=\frac{3/2}{1-1/2}-\frac{5/2}{1+1/2}=\frac43. 次に α=β=1/3\alpha=\beta=1/3 とする。cn=bn/(1/3)n−1c_n=b_n/(1/3)^{n-1} とおくと、漸化式から cn+1=cn+2c_{n+1}=c_n+2、c1=−1c_1=-1 なので cn=2n−3c_n=2n-3。よって ∑n=1∞bn=∑n=1∞(2n−3)(13)n−1=2(1−1/3)2−31−1/3=0.\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{\infty}b_n=\sum\limits _{n=1}^{\infty}(2n-3)\left(\frac13\right)^{n-1} =\frac{2}{(1-1/3)^2}-\frac{3}{1-1/3}=0. 二つ目も n(1/3)n−1n(1/3)^{n-1} の形の項を含むが、等比数列より速く減衰するため収束する。

agraph{(4) 正五角形。} c=cos⁡(π/5)c=\cos(\pi/5) とする。三倍角公式と問題の等式から 2c2−1=−(4c3−3c),(c+1)(4c2−2c−1)=0.2c^2-1=-(4c^3-3c),\quad (c+1)(4c^2-2c-1)=0. 0<c<10<c<1 より c=(1+5)/4c=(1+\sqrt5)/4。対角線の長さは、辺長1の正五角形の対角線と辺の比が黄金比 φ=2cos⁡(π/5)=(1+5)/2\varphi=2\cos(\pi/5)=(1+\sqrt5)/2 なので ∣d⃗∣=φ|\vec d|=\varphi。また辺ベクトルの向きは連続して 72∘72^\circ ずつ回るから、座標を b⃗=(1,0)\vec b=(1,0) と取ると d⃗=(1+cos⁡72∘+cos⁡144∘,sin⁡72∘+sin⁡144∘)=(12,φsin⁡72∘).\displaystyle \vec d=(1+\cos72^\circ+\cos144^\circ,\sin72^\circ+\sin144^\circ) =\left(\frac12,\varphi\sin72^\circ\right). 従って b⃗⋅d⃗=1/2\vec b\cdot\vec d=1/2。さらに AE→\overrightarrow{AE} は最後の辺 EA→\overrightarrow{EA} と逆向きなので AE→=(−cos⁡72∘,sin⁡72∘)\overrightarrow{AE}=(-\cos72^\circ,\sin72^\circ)。これを ub⃗+vd⃗u\vec b+v\vec d と表すと、縦成分より v=1/φ=(5−1)/2v=1/\varphi=(\sqrt5-1)/2、横成分より u=−cos⁡72∘−v/2=(1−5)/2u=-\cos72^\circ-v/2=(1-\sqrt5)/2。よって AE→=1−52b⃗+5−12d⃗.\displaystyle \overrightarrow{AE}=\frac{1-\sqrt5}{2}\vec b+\frac{\sqrt5-1}{2}\vec d.

agraph{(5) 箱への分配。}同じ文字のカードは同種として扱う。Aカード5枚だけを区別しない3箱へ分ける場合、箱のA枚数(順序を無視)は (5,0,0), (4,1,0), (3,2,0), (3,1,1), (2,2,1)(5,0,0),\ (4,1,0),\ (3,2,0),\ (3,1,1),\ (2,2,1) の5通りである。

A枚数が全て異なる (4,1,0)(4,1,0) と (3,2,0)(3,2,0) では、A枚数により箱を識別できる。各配置について、Bカード3枚を3箱へ分ける方法は b1+b2+b3=3b_1+b_2+b_3=3 の非負整数解なので (52)=10\displaystyle \binom52=10 通り。

残る (5,0,0)(5,0,0)、(3,1,1)(3,1,1)、(2,2,1)(2,2,1) の各配置では、A枚数が一意な箱が1つあり、同じA枚数の2箱は入替えても同じ分け方である。一意な箱にBを tt 枚入れると、残りの2箱に入るB枚数の和は 3−t3-t。和が NN の非負整数の順序を無視した2数組の個数は ⌊N/2⌋+1\lfloor N/2\rfloor+1 なので、t=0,1,2,3t=0,1,2,3 に対する個数は 2,2,1,12,2,1,1、合計6通り。この3つのA配置それぞれに6通りずつある。従って箱を区別しないA・Bカードの分け方は 10+10+6+6+6=3810+10+6+6+6=38 通りである。場合はA枚数の5つの分割で重ならず、各場合のB配分も同じA枚数を持つ箱の交換を除いて数えた。

この問題で使う考え方

  • 行列を用いた表現
  • 極座標と極方程式
  • 定積分
  • 三角関数の加法定理
  • 二倍角の公式
  • 漸化式
  • 等比数列の一般項と和
  • 積の法則

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