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北里大学/2010年度/選抜(前期)

北里大学 2010年 数学 第3問解答・解説

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1問題

北里大学2010年度第3問

nn は2以上の自然数とする。xx の関数 f(x)f(x) を f(x)=dndxn(x2−x)n\displaystyle f(x)=\frac{d^n}{dx^n}(x^2-x)^n で定義する。

(1) f(x)f(x) は何次の多項式になるか答えよ。また、f(x)f(x) の最高次の項の係数を求めよ。

(2) mm が nn より小さい自然数のとき、 dmdxm(x2−x)n\displaystyle \frac{d^m}{dx^m}(x^2-x)^n は (x2−x)n−m(x^2-x)^{n-m} と mm 次の多項式の積で表されることを示せ。

(3) 多項式 g(x)g(x) に対して、 ∫01f(x)g(x) dx=(−1)n∫01(x2−x)ng(n)(x) dx\displaystyle \int_0^1 f(x)g(x)\,dx=(-1)^n\int_0^1(x^2-x)^n g^{(n)}(x)\,dx となることを示せ。ただし、g(n)(x)g^{(n)}(x) は g(x)g(x) の第 nn 次導関数である。

(4) n=4n=4 とする。g(x)=2x5−5x4g(x)=2x^5-5x^4 のとき、∫01f(x)g(x) dx\displaystyle\int_0^1f(x)g(x)\,dx の値を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 次数=n,=n,\quad 最高次の係数=(2n)!n!.\displaystyle =\frac{(2n)!}{n!}.
    (2) dmdxm(x2−x)n=(x2−x)n−mRm(x),deg⁡Rm=m.\displaystyle (2)\space{}\frac{d^m}{dx^m}(x^2-x)^n=(x^2-x)^{n-m}R_m(x),\quad \deg R_m=m.
    (3) ∫01f(x)g(x) dx=(−1)n∫01(x2−x)ng(n)(x) dx.\displaystyle (3)\space{}\displaystyle\int_0^1f(x)g(x)\,dx=(-1)^n\int_0^1(x^2-x)^ng^{(n)}(x)\,dx.

    (4) 0.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

F(x)=(x2−x)nF(x)=(x^2-x)^n とおく。

(1) F(x)(1)\ F(x) の最高次の項は x2nx^{2n} であるから、その nn 階導関数の最高次の項は dndxnx2n=(2n)!n!xn.\displaystyle \frac{d^n}{dx^n}x^{2n}=\frac{(2n)!}{n!}x^n. それ以外の項は次数が 2n2n より低く、nn 回微分した後も次数 nn より低い。したがって f(x)f(x) は nn 次で、その最高次の係数は (2n)!n!\displaystyle \frac{(2n)!}{n!} である。

(2) m(2)\ m に関する数学的帰納法で示す。m=0m=0 では F(x)=F(x)⋅1F(x)=F(x)\cdot1 で、因子 R0(x)=1R_0(x)=1 は00次である。0≦m<n0\le m<n に対し F(m)(x)=(x2−x)n−mRm(x),deg⁡Rm=mF^{(m)}(x)=(x^2-x)^{n-m}R_m(x),\qquad \deg R_m=m と仮定する。両辺を微分すると F(m+1)(x)=(x2−x)n−m−1{(n−m)(2x−1)Rm(x)+(x2−x)Rm′(x)}.F^{(m+1)}(x)=(x^2-x)^{n-m-1} \left\{(n-m)(2x-1)R_m(x)+(x^2-x)R'_m(x)\right\}. そこで波括弧内を Rm+1(x)R_{m+1}(x) とおく。RmR_m の最高次の係数を cmc_m とすると、Rm+1R_{m+1} の xm+1x^{m+1} の係数は 2(n−m)cm+mcm=(2n−m)cm≠02(n-m)c_m+mc_m=(2n-m)c_m\ne0 である。よって Rm+1R_{m+1} は m+1m+1 次である。以上から 0≦m<n0\le m<n の各 mm で所定の形に表せる。

(3) 0≦j<n(3)\ 0\le j<n について (2) より F(j)(x)=(x2−x)n−jRj(x)F^{(j)}(x)=(x^2-x)^{n-j}R_j(x) と書けるので、F(j)(0)=F(j)(1)=0F^{(j)}(0)=F^{(j)}(1)=0 である。したがって部分積分を nn 回行うと、すべての境界項が00になり、 ∫01F(n)(x)g(x) dx=−∫01F(n−1)(x)g′(x) dx=⋯=(−1)n∫01F(x)g(n)(x) dx.\displaystyle \int_0^1F^{(n)}(x)g(x)\,dx =-\int_0^1F^{(n-1)}(x)g'(x)\,dx =\cdots=(-1)^n\int_0^1F(x)g^{(n)}(x)\,dx. F(n)=f, F=(x2−x)nF^{(n)}=f,\ F=(x^2-x)^n なので、求める等式が得られる。

(4) n=4, g(x)=2x5−5x4(4)\ n=4,\ g(x)=2x^5-5x^4 とする。(3) を用いると ∫01f(x)g(x) dx=∫01(x2−x)4g(4)(x) dx.\displaystyle \int_0^1f(x)g(x)\,dx=\int_0^1(x^2-x)^4g^{(4)}(x)\,dx. g(4)(x)=240x−120g^{(4)}(x)=240x-120 かつ (x2−x)4=x4(1−x)4(x^2-x)^4=x^4(1-x)^4 だから、求める積分を II とおけば I=∫01x4(1−x)4(240x−120) dx.\displaystyle I=\int_0^1x^4(1-x)^4(240x-120)\,dx. xx を 1−x1-x に置き換えると積分の値は −I-I となる一方、積分する範囲は 0≦x≦10\le x\le1 のままである。ゆえに I=−II=-I、したがって I=0.I=0.

この問題で使う考え方

  • 多項式の導関数
  • 数学的帰納法
  • 積の微分
  • 合成関数の微分
  • 部分積分法
  • 置換積分法

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