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高知大学/2019年度/前期

高知大学 2019年 数学 第2問解答・解説

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1問題

高知大学2019年度第2問

a,ba,b を a>b>0a>b>0 をみたす実数とする。xyxy 平面上の楕円 x2a2+y2b2=1\displaystyle \frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1 の焦点を F,F′F,F' とし,楕円上の点 A(0,b)A(0,b) をとる。さらに OO を原点とし,θ=∠FAO (0≦θ<π)\theta=\angle FAO\ (0\leq\theta<\pi) とする。このとき,次の問いに答えよ。

(1) cos⁡θ\cos\theta を a,ba,b を用いて表せ。

(2) 3点 A,F,F′A,F,F' を通る円 CC の中心を O′O' とするとき,扇形 O′AFO'AF(中心角 ∠AO′F\angle AO'F が π\pi 未満のほう)の面積 SS を aa と θ\theta を用いて表せ。

(3) 円 x2+y2=b2x^2+y^2=b^2 の面積とこの楕円の面積の比は b:ab:a であることを定積分を用いて示せ。

(4) (3) の面積比が 1:21:2 のとき,(2) の面積 SS を aa の式で表せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)cos⁡θ=ba(2)S=a2(π−2θ)8cos⁡2θ(3)\displaystyle \text{(1)}\quad\begin{array}{l}\cos\theta=\frac ba\\\text{(2)}\quad S=\frac{a^2(\pi-2\theta)}{8\cos^2\theta}\\\text{(3)}\end{array} 円 x2+y2=b2x^2+y^2=b^2 の面積は 4b2∫011−t2 dt\displaystyle 4b^2\int_0^1\sqrt{1-t^2}\,dt、楕円の面積は 4ab∫011−t2 dt\displaystyle 4ab\int_0^1\sqrt{1-t^2}\,dt と表せる(共通の定積分 J=∫011−t2 dt\displaystyle J=\int_0^1\sqrt{1-t^2}\,dt を用いて、それぞれ 4b2J,4abJ4b^2J,\quad4abJ)。よって(円の面積):(楕円の面積)=b2J:abJ=b:a=b^2J:abJ=b:a。
    (4)S=πa26\displaystyle (4)\quad S=\frac{\pi a^2}{6}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

準備 楕円 x2a2+y2b2=1\displaystyle \dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1(a>b>0a>b>0)の焦点は xx 軸上にあり,c=a2−b2c=\sqrt{a^2-b^2} として F(c,0)F(c,0),F′(−c,0)F'(-c,0) とおいてよい。点 A(0,b)A(0,b) は短軸の頂点であり,楕円の定義(各焦点までの距離の和が 2a2a)と,AA が yy 軸上にあることによる F,F′F,F' に関する対称性から AF=AF′=aAF=AF'=a である。実際,三角形 OAFOAF は OA=bOA=b(yy 軸上),OF=cOF=c(xx 軸上)を2辺とし,∠AOF=π2\displaystyle \angle AOF=\dfrac{\pi}{2} の直角三角形であるから,三平方の定理より AF=OA2+OF2=b2+c2=b2+(a2−b2)=aAF=\sqrt{OA^2+OF^2}=\sqrt{b^2+c^2}=\sqrt{b^2+(a^2-b^2)}=a と確かめられる。

(1) 直角三角形 OAFOAF(直角は OO)において,θ=∠FAO\theta=\angle FAO は頂点 AA における角であり,その隣辺は AOAO,斜辺は AFAF である。したがって cos⁡θ=AOAF=ba.\displaystyle \cos\theta=\frac{AO}{AF}=\frac{b}{a}. (このとき 0<b<a0<b<a より 0<θ<π2\displaystyle 0<\theta<\dfrac{\pi}{2} である。)

検算:sin⁡θ=OFAF=ca=a2−b2a\displaystyle \sin\theta=\dfrac{OF}{AF}=\dfrac{c}{a}=\dfrac{\sqrt{a^2-b^2}}{a} であり,cos⁡2θ+sin⁡2θ=b2a2+a2−b2a2=1\displaystyle \cos^2\theta+\sin^2\theta=\dfrac{b^2}{a^2}+\dfrac{a^2-b^2}{a^2}=1 で矛盾なく整合する。

(2) 三角形 AFF′AFF' は AF=AF′=aAF=AF'=a の二等辺三角形で,AA から底辺 FF′FF' に下ろした垂線の足は原点 OO(FF′FF' の中点)であるから,∠OAF=∠OAF′=θ\angle OAF=\angle OAF'=\theta,すなわち頂角は ∠FAF′=2θ.\angle FAF'=2\theta . また底辺は FF′=2c=2asin⁡θFF'=2c=2a\sin\theta(∵c=asin⁡θ\because c=a\sin\theta)である。

円 CC(A,F,F′A,F,F' を通る円)の半径を RR とすると,三角形 AFF′AFF' に正弦定理を用いて FF′sin⁡∠FAF′=2RしたがってR=FF′2sin⁡2θ=2asin⁡θ2sin⁡2θ=asin⁡θ2sin⁡θcos⁡θ=a2cos⁡θ.\displaystyle \frac{FF'}{\sin\angle FAF'}=2R \quad\text{したがって}\quad R=\frac{FF'}{2\sin 2\theta}=\frac{2a\sin\theta}{2\sin 2\theta}=\frac{a\sin\theta}{2\sin\theta\cos\theta}=\frac{a}{2\cos\theta}.

次に,中心角 ∠AO′F\angle AO'F を求める。二等辺三角形 AFF′AFF' の底角は ∠AF′F=∠AFF′=π−2θ2=π2−θ.\displaystyle \angle AF'F=\angle AFF'=\frac{\pi-2\theta}{2}=\frac{\pi}{2}-\theta . 弦 AFAF に対する円周角 ∠AF′F\angle AF'F と,同じ弦 AFAF に対する中心角のうち F′F' を含まない側の弧に対応するものとの間には,円周角の定理により ∠AO′F=2∠AF′F=2(π2−θ)=π−2θ\displaystyle \angle AO'F = 2\angle AF'F = 2\left(\frac{\pi}{2}-\theta\right)=\pi-2\theta の関係が成り立つ。0<θ<π2\displaystyle 0<\theta<\dfrac{\pi}{2} より 0<π−2θ<π0<\pi-2\theta<\pi であるから,これが題意の「中心角が π\pi 未満のほう」である。

以上より,扇形 O′AFO'AF の面積は S=12R2(π−2θ)=12(a2cos⁡θ)2(π−2θ)=a2(π−2θ)8cos⁡2θ.\displaystyle S=\frac{1}{2}R^2(\pi-2\theta)=\frac{1}{2}\left(\frac{a}{2\cos\theta}\right)^{2}(\pi-2\theta)=\boxed{\dfrac{a^{2}(\pi-2\theta)}{8\cos^{2}\theta}} .

検算:三角形 O′AFO'AF において O′A=O′F=RO'A=O'F=R,AF=aAF=a,挟角 ∠AO′F=π−2θ\angle AO'F=\pi-2\theta であるから,余弦定理より AF2=2R2(1−cos⁡(π−2θ))=2R2(1+cos⁡2θ)=2R2⋅2cos⁡2θ=4R2cos⁡2θ.AF^2=2R^2\bigl(1-\cos(\pi-2\theta)\bigr)=2R^2(1+\cos2\theta)=2R^2\cdot2\cos^2\theta=4R^2\cos^2\theta . 右辺に R=a2cos⁡θ\displaystyle R=\dfrac{a}{2\cos\theta} を代入すると 4⋅a24cos⁡2θ⋅cos⁡2θ=a2=AF2\displaystyle 4\cdot\dfrac{a^2}{4\cos^2\theta}\cdot\cos^2\theta=a^2=AF^2 となり,矛盾なく一致する。

(3) 円 x2+y2=b2x^2+y^2=b^2 および楕円 x2a2+y2b2=1\displaystyle \dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1 は,いずれも xx 軸・yy 軸に関して対称であるから,それぞれの面積は第1象限部分の4倍として定積分で表せる。

楕円の第1象限部分(0≦x≦a0\le x\le a)の yy 座標は y=b1−x2a2\displaystyle y=b\sqrt{1-\dfrac{x^2}{a^2}} であるから,楕円の面積を EE とすると E=4∫0ab1−x2a2 dx.\displaystyle E=4\int_{0}^{a} b\sqrt{1-\frac{x^2}{a^2}}\,dx . ここで x=atx=at(0≦t≦10\le t\le1)と置換すると dx=a dtdx=a\,dt であり, E=4∫01b1−t2 a dt=4ab∫011−t2 dt.\displaystyle E=4\int_{0}^{1} b\sqrt{1-t^2}\,a\,dt=4ab\int_{0}^{1}\sqrt{1-t^2}\,dt .

一方,円の第1象限部分(0≦x≦b0\le x\le b)の yy 座標は y=b2−x2y=\sqrt{b^2-x^2} であるから,円の面積を DD とすると D=4∫0bb2−x2 dx.\displaystyle D=4\int_{0}^{b}\sqrt{b^2-x^2}\,dx . ここでも同様に x=btx=bt(0≦t≦10\le t\le1)と置換すると dx=b dtdx=b\,dt であり, D=4∫01b2−b2t2 b dt=4∫01b1−t2⋅b dt=4b2∫011−t2 dt.\displaystyle D=4\int_{0}^{1}\sqrt{b^2-b^2t^2}\,b\,dt=4\int_{0}^{1} b\sqrt{1-t^2}\cdot b\,dt=4b^2\int_{0}^{1}\sqrt{1-t^2}\,dt .

そこで J=∫011−t2 dt\displaystyle J=\displaystyle\int_{0}^{1}\sqrt{1-t^2}\,dt(0<J0<J,実際には単位円の第1象限の面積として J=π4\displaystyle J=\dfrac{\pi}{4} であるが,以下の議論に値そのものは不要)とおくと, D=4b2J,E=4abJ.D=4b^2 J,\qquad E=4abJ . J>0J>0,a>0a>0 であるから D:E=4b2J:4abJ=b2:ab=b:a.D:E=4b^2J:4abJ=b^2:ab=b:a . すなわち,円 x2+y2=b2x^2+y^2=b^2 の面積と楕円の面積の比は,同一の定積分 JJ を共通因数として約分することにより b:ab:a であることが定積分を用いて示された。■\blacksquare

(4) (3)により(円の面積):(楕円の面積)=b:a=b:a である。これが 1:21:2 となるのは b:a=1:2すなわちb=a2\displaystyle b:a=1:2 \quad\text{すなわち}\quad b=\frac{a}{2} のときである(a>b>0a>b>0 と矛盾しない)。

このとき,(1) の結果より cos⁡θ=ba=12.\displaystyle \cos\theta=\frac{b}{a}=\frac{1}{2}. 0≦θ<π0\le\theta<\pi の範囲でこれを満たす θ\theta はただ一つで,θ=π3\displaystyle \theta=\dfrac{\pi}{3} である。

これを (2) の結果 S=a2(π−2θ)8cos⁡2θ\displaystyle S=\dfrac{a^{2}(\pi-2\theta)}{8\cos^{2}\theta} に代入すると,cos⁡2θ=14\displaystyle \cos^2\theta=\dfrac{1}{4},π−2θ=π−2π3=π3\displaystyle \pi-2\theta=\pi-\dfrac{2\pi}{3}=\dfrac{\pi}{3} であるから S=a2⋅π38⋅14=πa232=πa26.\displaystyle S=\frac{a^{2}\cdot\dfrac{\pi}{3}}{8\cdot\dfrac{1}{4}}=\frac{\dfrac{\pi a^{2}}{3}}{2}=\boxed{\dfrac{\pi a^{2}}{6}} .

検算(具体例):a=2, b=1a=2,\,b=1(b:a=1:2b:a=1:2 を満たす)のとき,F(3,0)F(\sqrt3,0),F′(−3,0)F'(-\sqrt3,0),A(0,1)A(0,1) とし,垂直二等分線から直接円 CC の中心を求めると O′(0,−1)O'(0,-1),半径 R=2R=2 となり,(2) の式 R=a2cos⁡θ=22⋅12=2\displaystyle R=\dfrac{a}{2\cos\theta}=\dfrac{2}{2\cdot\frac12}=2 と一致する。さらにベクトル O′A=(0,2)O'A=(0,2),O′F=(3,1)O'F=(\sqrt3,1) のなす角の余弦は 22⋅2=12\displaystyle \dfrac{2}{2\cdot2}=\dfrac12 より中心角は π3\displaystyle \dfrac{\pi}{3} となり,扇形の面積は 12⋅22⋅π3=2π3\displaystyle \dfrac12\cdot2^2\cdot\dfrac{\pi}{3}=\dfrac{2\pi}{3}。これは πa26=π⋅46=2π3\displaystyle \dfrac{\pi a^2}{6}=\dfrac{\pi\cdot4}{6}=\dfrac{2\pi}{3} と一致し,(2)(4) の一般式が数値例でも整合することを確認した。

この問題で使う考え方

  • 楕円
  • 三角比と相互関係
  • 正弦定理
  • 円の性質
  • 一般角と弧度法
  • 曲線で囲まれた面積
  • 置換積分法

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