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高知大学/2024年度/前期

高知大学 2024年 数学 第1問解答・解説

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1問題

高知大学2024年度第1問

f(x)=x2f(x)=x^2 とする。曲線 y=f(x)y=f(x) 上の点 (a,f(a))(a,f(a)) における接線の方程式を y=g(x)y=g(x) とする。実数 tt を曲線 y=f(x)y=f(x) と直線 y=g(x)+ty=g(x)+t で囲まれた部分の面積が 3636 となるように決める。このとき,次の問いに答えよ。(100点)

(1) tt の値を求めよ。

(2) a≠0a\neq0 とする。曲線 y=f(x)y=f(x) 上の点 (b,f(b))(b,f(b)) における接線の方程式を y=h(x)y=h(x) とする。実数 ss を曲線 y=f(x)y=f(x) と直線 y=h(x)+sy=h(x)+s で囲まれた部分の面積が 3636 となるように決める。さらに,直線 y=g(x)+ty=g(x)+t と y=h(x)+sy=h(x)+s が直交するとき,この2直線の交点を PP とする。交点 PP の xx 座標を aa を用いて表せ。

(3) (2) の PP は,00 でないどのような aa に対しても,すべて一つの直線上にあることを示せ。

(4) (2) の PP が曲線 y=f(x)y=f(x) 上にあるような aa の値をすべて求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) t=9t=9 / (2) Pのx座標は 4a2−18a\displaystyle \frac{4a^2-1}{8a} (=a2−18a\displaystyle \frac a2-\frac1{8a}) / (3) Pのy座標は常に354\displaystyle \frac{35}{4}となるので、Pはすべて直線 y=35/4 上にある / (4) a=6+352,6−352,−6+352,−6−352\displaystyle a=\frac{6+\sqrt{35}}2,\quad\frac{6-\sqrt{35}}2,\quad\frac{-6+\sqrt{35}}2,\quad\frac{-6-\sqrt{35}}2 の4個

3解答

解答を見る途中式つきの解答

準備(接線の方程式)

f(x)=x2f(x)=x^2 より f′(x)=2xf'(x)=2x である。曲線 y=f(x)y=f(x) 上の点 (a,f(a))(a,f(a)) における接線は g(x)=f′(a)(x−a)+f(a)=2a(x−a)+a2=2ax−a2.g(x)=f'(a)(x-a)+f(a)=2a(x-a)+a^2=2ax-a^2 .

補題(面積と平行移動量の関係)

実数 kk に対し,直線 y=g(x)+k=2ax−a2+ky=g(x)+k=2ax-a^2+k と曲線 y=x2y=x^2 の共有点の xx 座標は x2−2ax+a2−k=(x−a)2−k=0x^2-2ax+a^2-k=(x-a)^2-k=0 の解である。これが異なる2つの実数解 x=a±kx=a\pm\sqrt{k} をもつのは k>0k>0 のときに限られ(k≦0k\le 0 なら共有点は高々1点で,有限の面積をもつ囲まれた部分は存在しない),このとき区間 a−k≦x≦a+ka-\sqrt{k}\le x\le a+\sqrt{k} で (x−a)2−k≦0(x-a)^2-k\le 0 すなわち直線が曲線より上にある。よって囲まれた部分の面積は S(k)=∫a−ka+k{k−(x−a)2} dx.\displaystyle S(k)=\int_{a-\sqrt{k}}^{a+\sqrt{k}}\{k-(x-a)^2\}\,dx . u=x−au=x-a と置換すると S(k)=∫−kk(k−u2) du=[ku−u33]−kk=2(kk−kk3)=43k3/2(k>0).\displaystyle S(k)=\int_{-\sqrt{k}}^{\sqrt{k}}(k-u^2)\,du=\Big[ku-\frac{u^3}{3}\Big]_{-\sqrt{k}}^{\sqrt{k}}=2\Big(k\sqrt{k}-\frac{k\sqrt{k}}{3}\Big)=\frac{4}{3}k^{3/2}\qquad(k>0). この面積は aa の値によらず kk だけで決まることに注意する。

(1)

上の補題で k=tk=t とすると,面積が 3636 になる条件は 43t3/2=36であるための必要十分条件はt3/2=27=33、すなわちt=32=9\displaystyle \frac{4}{3}t^{3/2}=36\text{であるための必要十分条件は} t^{3/2}=27=3^3\text{、すなわち} t=3^2=9 (t3/2t^{3/2} は t≧0t\ge0 で単調増加なので,条件を満たす実数 tt はこの値のみ)。 t=9\boxed{t=9} したがって y=g(x)+t=2ax−a2+9y=g(x)+t=2ax-a^2+9 である。

(2)

同じ補題を点 (b,f(b))(b,f(b)) と直線 y=h(x)+s=2bx−b2+sy=h(x)+s=2bx-b^2+s に適用すると,(1)(1) とまったく同じ式 43s3/2=36\displaystyle \frac{4}{3}s^{3/2}=36 が成り立つので,bb の値によらず s=9s=9 に決まる。よって y=h(x)+s=2bx−b2+9.y=h(x)+s=2bx-b^2+9 . 2直線 y=2ax−a2+9y=2ax-a^2+9,y=2bx−b2+9y=2bx-b^2+9 の傾きはそれぞれ 2a2a,2b2b であるから,直交する条件は (2a)(2b)=−1であるための必要十分条件はab=−14、すなわちb=−14a\displaystyle (2a)(2b)=-1\text{であるための必要十分条件は} ab=-\frac14\text{、すなわち} b=-\frac{1}{4a} (a≠0a\neq0 より右辺の分母は0でなく、値が定まる)。このとき ab=−14<0\displaystyle ab=-\frac14<0 なので a≠ba\neq b である。

交点 PP の xx 座標は,2ax−a2+9=2bx−b2+92ax-a^2+9=2bx-b^2+9 より 2(a−b)x=a2−b2=(a−b)(a+b)2(a-b)x=a^2-b^2=(a-b)(a+b) で,a−b≠0a-b\neq0 で両辺を割って x=a+b2=12(a−14a)=a2−18a=4a2−18a.\displaystyle x=\frac{a+b}{2}=\frac{1}{2}\Big(a-\frac{1}{4a}\Big)=\frac{a}{2}-\frac{1}{8a}=\frac{4a^2-1}{8a}. xP=4a2−18a (=a2−18a)\displaystyle \boxed{x_P=\dfrac{4a^2-1}{8a}\ \Big(=\dfrac{a}{2}-\dfrac{1}{8a}\Big)}

(3)

PP の yy 座標を求める。yP=2a xP−a2+9y_P=2a\,x_P-a^2+9 に xP=a+b2\displaystyle x_P=\dfrac{a+b}{2} を用いると 2a xP=2a⋅a+b2=a(a+b)=a2+ab=a2−14\displaystyle 2a\,x_P=2a\cdot\frac{a+b}{2}=a(a+b)=a^2+ab=a^2-\frac14 (ab=−14\displaystyle ab=-\dfrac14 を用いた)。よって yP=(a2−14)−a2+9=9−14=354\displaystyle y_P=\Big(a^2-\frac14\Big)-a^2+9=9-\frac14=\frac{35}{4} となり,これは aa に依存しない定数である。したがって,00 でないどのような aa に対しても P=(4a2−18a, 354)\displaystyle P=\Big(\frac{4a^2-1}{8a},\ \frac{35}{4}\Big) の形で表され,yy 座標が常に 354\displaystyle \dfrac{35}{4} であることから,すべての PP は直線 y=354\displaystyle y=\frac{35}{4} 上にある。(証明終)

(4)

PP が曲線 y=f(x)=x2y=f(x)=x^2 上にあることは yP=xP2y_P=x_P^2 と同値であり,(3)より yP=354\displaystyle y_P=\dfrac{35}{4} は一定だから,条件は xP2=354\displaystyle x_P^2=\frac{35}{4} と書ける。xP=4a2−18a\displaystyle x_P=\dfrac{4a^2-1}{8a} を代入し,両辺に 64a2 (>0)64a^2\,(>0) を掛けて整理すると (4a2−1)2=560a2.(4a^2-1)^2=560a^2 . u=a2 (u>0)u=a^2\ (u>0) とおくと 16u2−8u+1=560uであるための必要十分条件は16u2−568u+1=0.16u^2-8u+1=560u\text{であるための必要十分条件は} 16u^2-568u+1=0 . 解の公式より u=568±5682−6432=568±32256032.\displaystyle u=\frac{568\pm\sqrt{568^2-64}}{32}=\frac{568\pm\sqrt{322560}}{32}. 322560=1024⋅9⋅35322560=1024\cdot9\cdot35 より 322560=32⋅335=9635\sqrt{322560}=32\cdot3\sqrt{35}=96\sqrt{35} であるから u=568±963532=714±335.\displaystyle u=\frac{568\pm96\sqrt{35}}{32}=\frac{71}{4}\pm3\sqrt{35}. 一方,6>356>\sqrt{35}(36>3536>35)に注意すると (6±352)2=36±1235+354=714±335\displaystyle \Big(\frac{6\pm\sqrt{35}}{2}\Big)^2=\frac{36\pm12\sqrt{35}+35}{4}=\frac{71}{4}\pm3\sqrt{35} なので,2つの uu の値はそれぞれ u=(6+352)2\displaystyle u=\Big(\dfrac{6+\sqrt{35}}{2}\Big)^2,u=(6−352)2\displaystyle u=\Big(\dfrac{6-\sqrt{35}}{2}\Big)^2 に一致し,いずれも正であるから u=a2u=a^2 の解として適する。よって a=±6+352,a=±6−352\displaystyle a=\pm\frac{6+\sqrt{35}}{2},\qquad a=\pm\frac{6-\sqrt{35}}{2} の4つが得られ,いずれも 00 ではないので条件 a≠0a\neq0 を満たす。 a=6+352, 6−352, −6+352, −6−352\displaystyle \boxed{a=\dfrac{6+\sqrt{35}}{2},\ \dfrac{6-\sqrt{35}}{2},\ \dfrac{-6+\sqrt{35}}{2},\ \dfrac{-6-\sqrt{35}}{2}}

(検算)a=6+352\displaystyle a=\dfrac{6+\sqrt{35}}{2} のとき b=−14a\displaystyle b=-\dfrac{1}{4a} を計算し xP=a+b2\displaystyle x_P=\dfrac{a+b}{2} を求めると xP2=354\displaystyle x_P^2=\dfrac{35}{4} と一致し,他の3根についても同様に確認できる。また t=s=9>0t=s=9>0 は面積 43k3/2=36\displaystyle \frac{4}{3}k^{3/2}=36 を満たす唯一の実数であることも確認済みである。

この問題で使う考え方

  • 接線
  • 面積積分
  • 直交条件
  • 方程式

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