準備(接線の方程式)
f(x)=x2 より f′(x)=2x である。曲線 y=f(x) 上の点 (a,f(a)) における接線は g(x)=f′(a)(x−a)+f(a)=2a(x−a)+a2=2ax−a2.
補題(面積と平行移動量の関係)
実数 k に対し,直線 y=g(x)+k=2ax−a2+k と曲線 y=x2 の共有点の x 座標は x2−2ax+a2−k=(x−a)2−k=0 の解である。これが異なる2つの実数解 x=a±k をもつのは k>0 のときに限られ(k≦0 なら共有点は高々1点で,有限の面積をもつ囲まれた部分は存在しない),このとき区間 a−k≦x≦a+k で (x−a)2−k≦0 すなわち直線が曲線より上にある。よって囲まれた部分の面積は S(k)=∫a−ka+k{k−(x−a)2}dx. u=x−a と置換すると S(k)=∫−kk(k−u2)du=[ku−3u3]−kk=2(kk−3kk)=34k3/2(k>0). この面積は a の値によらず k だけで決まることに注意する。
(1)
上の補題で k=t とすると,面積が 36 になる条件は 34t3/2=36であるための必要十分条件はt3/2=27=33、すなわちt=32=9 (t3/2 は t≧0 で単調増加なので,条件を満たす実数 t はこの値のみ)。 t=9 したがって y=g(x)+t=2ax−a2+9 である。
(2)
同じ補題を点 (b,f(b)) と直線 y=h(x)+s=2bx−b2+s に適用すると,(1) とまったく同じ式 34s3/2=36 が成り立つので,b の値によらず s=9 に決まる。よって y=h(x)+s=2bx−b2+9. 2直線 y=2ax−a2+9,y=2bx−b2+9 の傾きはそれぞれ 2a,2b であるから,直交する条件は (2a)(2b)=−1であるための必要十分条件はab=−41、すなわちb=−4a1 (a=0 より右辺の分母は0でなく、値が定まる)。このとき ab=−41<0 なので a=b である。
交点 P の x 座標は,2ax−a2+9=2bx−b2+9 より 2(a−b)x=a2−b2=(a−b)(a+b) で,a−b=0 で両辺を割って x=2a+b=21(a−4a1)=2a−8a1=8a4a2−1. xP=8a4a2−1 (=2a−8a1)
(3)
P の y 座標を求める。yP=2axP−a2+9 に xP=2a+b を用いると 2axP=2a⋅2a+b=a(a+b)=a2+ab=a2−41 (ab=−41 を用いた)。よって yP=(a2−41)−a2+9=9−41=435 となり,これは a に依存しない定数である。したがって,0 でないどのような a に対しても P=(8a4a2−1, 435) の形で表され,y 座標が常に 435 であることから,すべての P は直線 y=435 上にある。(証明終)
(4)
P が曲線 y=f(x)=x2 上にあることは yP=xP2 と同値であり,(3)より yP=435 は一定だから,条件は xP2=435 と書ける。xP=8a4a2−1 を代入し,両辺に 64a2(>0) を掛けて整理すると (4a2−1)2=560a2. u=a2 (u>0) とおくと 16u2−8u+1=560uであるための必要十分条件は16u2−568u+1=0. 解の公式より u=32568±5682−64=32568±322560. 322560=1024⋅9⋅35 より 322560=32⋅335=9635 であるから u=32568±9635=471±335. 一方,6>35(36>35)に注意すると (26±35)2=436±1235+35=471±335 なので,2つの u の値はそれぞれ u=(26+35)2,u=(26−35)2 に一致し,いずれも正であるから u=a2 の解として適する。よって a=±26+35,a=±26−35 の4つが得られ,いずれも 0 ではないので条件 a=0 を満たす。 a=26+35, 26−35, 2−6+35, 2−6−35
(検算)a=26+35 のとき b=−4a1 を計算し xP=2a+b を求めると xP2=435 と一致し,他の3根についても同様に確認できる。また t=s=9>0 は面積 34k3/2=36 を満たす唯一の実数であることも確認済みである。