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熊本大学/2013年度/前期

熊本大学 2013年 数学 第1問解答・解説

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1問題

熊本大学2013年度第1問

X,YX,Y は {1,2,3,4,5,6}\{1,2,3,4,5,6\} の空でない部分集合で、X∩YX\cap Y は空集合とする。また、nn を自然数とする。AA 君、BB 君が以下のルールで対戦する。

(i) 1回目の対戦では、まず AA 君がさいころを投げて、出た目が XX に属するならば AA 君の勝ちとする。出た目が XX に属さなければ BB 君がさいころを投げて、出た目が YY に属するならば BB 君の勝ちとする。

(ii) 1回目の対戦で勝負がつかなかった場合は、1回目と同じ方法で2回目以降の対戦を行い、どちらかが勝つまで続ける。ただし、nn 回対戦して勝負がつかなかった場合は引き分けにする。

以下の問いに答えよ。

(問1) さいころを投げたとき、X,YX,Y に属する目が出る確率をそれぞれ p,qp,q とする。AA 君が勝つ確率を求めよ。

(問2) AA 君が勝つ確率が、BB 君が勝つ確率よりも大きくなるような集合の組 (X,Y)(X,Y) は何通りあるか。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 問1:p1−[(1−p)(1−q)]n/(p+q−pq)p{1-[(1-p)(1-q)]^n}/(p+q-pq)。問2:371通り。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(問1) 1回の対戦でAA君が勝つ確率はppであり、BB君が勝つ確率は(1−p)q(1-p)qである。どちらも勝たない確率をrrとおくと、さいころを投げる各試行は独立だから、 r=(1−p)(1−q)r=(1-p)(1-q) となる。X,YX,Yは空でなく互いに素なので、0<p,q<10<p,q<1、したがって0<r<10<r<1である。 AA君がkk回目の対戦で勝つには、初めのk−1k-1回の対戦でどちらも勝たず、kk回目にAA君が勝てばよい。その確率はrk−1pr^{k-1}pである。これらは互いに排反な事象なので、nn回までにAA君が勝つ確率PAP_Aは、等比数列の和より PA=∑k=1nrk−1p=p1−rn1−r=p{1−[(1−p)(1−q)]n}p+q−pq.\displaystyle P_A=\sum\limits _{k=1}^{n}r^{k-1}p =p\frac{1-r^n}{1-r} =\boxed{\frac{p\{1-[(1-p)(1-q)]^n\}}{p+q-pq}}. ここで1−r=p+q−pq>01-r=p+q-pq>0である。

(問2) BB君がkk回目の対戦で勝つ確率はrk−1(1−p)qr^{k-1}(1-p)qであるから、BB君が勝つ確率PBP_Bは PB=(1−p)q∑k=1nrk−1.\displaystyle P_B=(1-p)q\sum\limits _{k=1}^{n}r^{k-1}. n≧1n\geq1であり、共通因子∑k=1nrk−1\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{n}r^{k-1}は正なので、 PA>PBすなわちp>(1−p)q.P_A>P_B\quad\text{すなわち}\quad p>(1-p)q. X,YX,Yの要素数をそれぞれa,ba,bとおく。さいころの各目は等確率であるからp=a/6, q=b/6p=a/6,\ q=b/6であり、a,ba,bは正の整数でa+b≦6a+b\leq6である。したがって、求める条件は 6a>(6−a)b6a>(6-a)b となる。要素数a,ba,bを固定したとき、まずXXを選び、その補集合からYYを選ぶので、集合の組(X,Y)(X,Y)は(6a)(6−ab)\displaystyle \binom{6}{a}\binom{6-a}{b}通りある。 a=1,2,3,4,5a=1,2,3,4,5について上の不等式と1≦b≦6−a1\leq b\leq6-aを満たすbbを調べると、次の表になる。 a条件を満たす b集合の組の数11(61)(51)=3021,2(62)((41)+(42))=15031,2,3(63)((31)+(32)+(33))=14041,2(64)((21)+(22))=4551(65)(11)=6\displaystyle \begin{array}{c|c|c} a & \text{条件を満たす }b & \text{集合の組の数}\\ \hline 1 & 1 & \binom{6}{1}\binom{5}{1}=30\\ 2 & 1,2 & \binom{6}{2}\left(\binom{4}{1}+\binom{4}{2}\right)=150\\ 3 & 1,2,3 & \binom{6}{3}\left(\binom{3}{1}+\binom{3}{2}+\binom{3}{3}\right)=140\\ 4 & 1,2 & \binom{6}{4}\left(\binom{2}{1}+\binom{2}{2}\right)=45\\ 5 & 1 & \binom{6}{5}\binom{1}{1}=6 \end{array} 特にa=2,b=3a=2,b=3のときは6a=(6−a)b6a=(6-a)bとなり、厳密な不等式を満たさないため含めない。よって求める集合の組の総数は 30+150+140+45+6=371通り.30+150+140+45+6=\boxed{371\text{通り}}.

1回でAが勝つ確率はp、Aが外した後にBが当てて勝つ確率は(1−p)q、どちらも勝たず次の対戦へ進む確率はr=(1−p)(1−q)r=(1-p)(1-q)である。よってAがk回目に勝つ確率はrk−1pr^{k-1}pで、n回以内の勝率は p1−rn1−r\displaystyle p\frac{1-r^n}{1-r}。ここで1−r=p+q−pq>01-r=p+q-pq>0。

AとBのn回以内の勝率の差は、正の共通因子 ∑k=1nrk−1\displaystyle \sum\limits _{k=1}^n r^{k-1} に対する p−(1−p)qp-(1-p)q の符号で決まる。a=∣X∣,b=∣Y∣a=|X|,\quad b=|Y|と置けばp=a6,q=b6\displaystyle p=\frac a6,\quad q=\frac b6で、a,b≧1,a+b≦6a,b\geq1,\quad a+b\leq6。したがって条件は6a>(6−a)b6a>(6-a)b。各aについて条件を満たすbと組数を数えると、a=1は30、a=2は150、a=3は140、a=4は45、a=5は6通り、合計371通り。

この問題で使う考え方

  • 余事象と独立試行
  • 有限等比数列の和
  • 二項係数による場合の数

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