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京都府立医科大学/2023年度/前期

京都府立医科大学 2023年 数学 第3問解答・解説

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1問題

京都府立医科大学2023年度第3問

zz は0でない複素数とする。0以上の整数 nn に対して, an=zn+zˉ na_n=z^n+\bar{z}^{\,n} とおく。ここで zˉ\bar{z} は zz と共役な複素数である。

(1) ana_n は実数であることを証明せよ。

(2) z=1+iz=1+i とする。ただし ii は虚数単位である。0以上の整数 kk に対して,a4k,a4k+1,a4k+2,a4k+3a_{4k},a_{4k+1},a_{4k+2},a_{4k+3} を求めよ。

(3) 次の条件を満たす zz をすべて求めよ。

条件:0以上のすべての整数 kk に対して a6k=a6k+2a_{6k}=a_{6k+2} である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

複素共役の基本性質と整数乗の計算を用いる。(3)では条件を差の形に直し、k=0,1から候補を絞った後、必要十分性を全てのkについて確認する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) an∈R/(1)\space{}a_n\in\mathbb{R}\quad/
    (2) a4k=2(−4)k, a4k+1=2(−4)k, a4k+2=0, a4k+3=−4(−4)k/(2)\space{}a_{4k}=2(-4)^k,\space{}a_{4k+1}=2(-4)^k,\space{}a_{4k+2}=0,\space{}a_{4k+3}=-4(-4)^k\quad/
    (3) z=±1, ±3+i2, ±3−i2\displaystyle (3)\space{}z=\pm1,\space{}\pm\frac{\sqrt3+i}{\sqrt2},\space{}\pm\frac{\sqrt3-i}{\sqrt2}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) nn は整数なので zn‾=zˉ n\overline{z^n}=\bar z^{\,n} である。したがって an‾=zn+zˉ n‾=zˉ n+zn=an.\overline{a_n}=\overline{z^n+\bar z^{\,n}}=\bar z^{\,n}+z^n=a_n. 複素数がその共役と等しいことは実数であることと同値だから、すべての n≧0n\geq 0 について ana_n は実数である。

(2) z=1+iz=1+i とすると、 z2=2i,z3=−2+2i,z4=−4.z^2=2i,\qquad z^3=-2+2i,\qquad z^4=-4. また zˉ 4=z4‾=−4\bar z^{\,4}=\overline{z^4}=-4 である。よって k≧0k\geq0、r=0,1,2,3r=0,1,2,3 に対して a4k+r=z4k+r+zˉ 4k+r=(−4)k(zr+zˉ r).a_{4k+r}=z^{4k+r}+\bar z^{\,4k+r}=(-4)^k(z^r+\bar z^{\,r}). ここで z0+zˉ 0=2z^0+\bar z^{\,0}=2、z+zˉ=2z+\bar z=2、z2+zˉ 2=2i−2i=0z^2+\bar z^{\,2}=2i-2i=0、z3+zˉ 3=(−2+2i)+(−2−2i)=−4z^3+\bar z^{\,3}=(-2+2i)+(-2-2i)=-4 だから、 a4k=2(−4)k,a4k+1=2(−4)k,a4k+2=0,a4k+3=−4(−4)k.a_{4k}=2(-4)^k,\qquad a_{4k+1}=2(-4)^k,\qquad a_{4k+2}=0,\qquad a_{4k+3}=-4(-4)^k.

(3) c=1−z2c=1-z^2 とおくと、条件はすべての k≧0k\geq0 について 0=a6k−a6k+2=cz6k+cˉ zˉ 6k0=a_{6k}-a_{6k+2}=c z^{6k}+\bar c\,\bar z^{\,6k} となることである。k=0k=0 を代入すると c+cˉ=2−(z2+zˉ 2)=0,c+\bar c=2-(z^2+\bar z^{\,2})=0, したがって z2+zˉ 2=2z^2+\bar z^{\,2}=2 である。ここで z2=x+tiz^2=x+ti(x,tx,t は実数)とおけば、zˉ 2=x−ti\bar z^{\,2}=x-ti なので 2x=22x=2、すなわち x=1x=1 である。よって z2=1+tiz^2=1+ti と書ける。また k=1k=1 を代入し、cˉ=−c\bar c=-c を用いると c(z6−zˉ 6)=0.c(z^6-\bar z^{\,6})=0. まず c=0c=0 の場合は z2=1z^2=1、すなわち (z−1)(z+1)=0(z-1)(z+1)=0 より z=1,−1z=1,-1 であり、この2値は差の式をすべての kk で満たす。

次に c≠0c\ne0 とする。このとき上式から z6=zˉ 6z^6=\bar z^{\,6}、すなわち z6z^6 は実数である。すでに z2=1+tiz^2=1+ti とおいたので、 z6=(1+ti)3=1−3t2+i(3t−t3)z^6=(1+ti)^3=1-3t^2+i(3t-t^3) である。したがって z6z^6 が実数であるための条件は t(3−t2)=0t(3-t^2)=0 である。c=1−z2=−tic=1-z^2=-ti であり、今は c≠0c\ne0 だから t≠0t\ne0。よって t=3t=\sqrt3 または t=−3t=-\sqrt3 となる。 (3+i2)2=1+3i,(3−i2)2=1−3i.\displaystyle \left(\frac{\sqrt3+i}{\sqrt2}\right)^2=1+\sqrt3 i,\qquad \left(\frac{\sqrt3-i}{\sqrt2}\right)^2=1-\sqrt3 i. ここで α=3+i2\displaystyle \alpha=\dfrac{\sqrt3+i}{\sqrt2}、β=3−i2\displaystyle \beta=\dfrac{\sqrt3-i}{\sqrt2} とおくと、上の計算から α2=1+3i\alpha^2=1+\sqrt3 i、β2=1−3i\beta^2=1-\sqrt3 i である。よって z2−α2=(z−α)(z+α)z^2-\alpha^2=(z-\alpha)(z+\alpha)、z2−β2=(z−β)(z+β)z^2-\beta^2=(z-\beta)(z+\beta) と因数分解できるので、この場合の解は z=±3+i2\displaystyle z=\pm\dfrac{\sqrt3+i}{\sqrt2} および z=±3−i2\displaystyle z=\pm\dfrac{\sqrt3-i}{\sqrt2} である。

最後に、列挙した値が条件を満たすことを確かめる。z=±1z=\pm1 では c=0c=0 なので差の式は成り立つ。残る4値では z2=1+tiz^2=1+ti(t=±3t=\pm\sqrt3)であり、c=−tic=-ti、z6=−8z^6=-8 となる。したがって cˉ=−c\bar c=-c、zˉ 6=z6=−8\bar z^{\,6}=z^6=-8 であり、任意の k≧0k\geq0 に対して cz6k+cˉ zˉ 6k=c(−8)k−c(−8)k=0.c z^{6k}+\bar c\,\bar z^{\,6k}=c(-8)^k-c(-8)^k=0. ゆえに条件を満たす zz は z=1,−1,z=±3+i2,z=±3−i2\displaystyle z=1,-1,\quad z=\pm\frac{\sqrt3+i}{\sqrt2},\quad z=\pm\frac{\sqrt3-i}{\sqrt2} である。

この問題で使う考え方

  • 複素数の四則演算

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