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聖マリアンナ医科大学/2020年度/一般

聖マリアンナ医科大学 2020年 数学 第2問解答・解説

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1問題

聖マリアンナ医科大学2020年度第2問

z5=1z^5=1 を満たす虚数(実数でない複素数)で偏角が最小のものを z1z_1 (0≦arg⁡z1<2π0\leq\arg z_1<2\pi)、z5=−1z^5=-1 を満たす虚数で偏角が最小のものを z2z_2 (0≦arg⁡z2<2π0\leq\arg z_2<2\pi) とする。

以下の設問 (1)、(4) の ケ\text{ケ}〜ス\text{ス} にあてはまる適切な数と、設問 (2)、(3)、(5) に対する解答を解答用紙の所定の欄に記入せよ。

(1) z1z_1 を極形式で表すと z1=ケ(cos⁡コ+isin⁡コ)z_1=\boxed{\text{ケ}}\left(\cos\boxed{\text{コ}}+i\sin\boxed{\text{コ}}\right) であり、 z1+1z1=サcos⁡コ\displaystyle z_1+\frac{1}{z_1}=\boxed{\text{サ}}\cos\boxed{\text{コ}} である。

(2) 次の①〜⑤の式のうち正しいものをすべて選び、その番号を答えよ。 ① z12=z2,② z13+z2=0,③ z1=z22,④ z13z24=1,⑤ z14−z23=0.\begin{array}{ll} \text{① } z_1^2=z_2, & \text{② } z_1^3+z_2=0,\\ \text{③ } z_1=z_2^2, & \text{④ } z_1^3z_2^4=1,\\ \text{⑤ } z_1^4-z_2^3=0.& \end{array}

(3) 次の a,ba,b にあてはまる適切な2次方程式を下の①〜⑥から選び、その番号を答えよ。ただし、同じ番号を繰り返し選んでもよい。 x1=z1+1z1\displaystyle x_1=z_1+\frac{1}{z_1} とおく。z15=1z_1^5=1 であるから、x1x_1 は2次方程式 [a] の解である。 x2=z2+1z2\displaystyle x_2=z_2+\frac{1}{z_2} とおくと、x2x_2 は2次方程式 [b] の解である。 ① x2+5x−1=0,② x2+x−5=0,③ x2−x−1=0,④ x2−5x−1=0,⑤ x2+x−1=0,⑥ x2−x−5=0.\begin{array}{lll} \text{① }x^2+5x-1=0,&\text{② }x^2+x-5=0,&\text{③ }x^2-x-1=0,\\ \text{④ }x^2-5x-1=0,&\text{⑤ }x^2+x-1=0,&\text{⑥ }x^2-x-5=0. \end{array}

(4) 半径1の円に内接する正十角形の面積を SS とすると、 S=54シ−ス5\displaystyle S=\frac{5}{4}\sqrt{\boxed{\text{シ}}-\boxed{\text{ス}}\sqrt{5}} である。

(5) (4)の SS の値の範囲について正しいものを次の①〜⑥から選び、その番号を答えよ。必要であれば 2.2<5<2.32.2<\sqrt{5}<2.3 を用いよ。 ① 2.6<S<2.7,② 2.7<S<2.8,③ 2.8<S<2.9,④ 2.9<S<3.0,⑤ 3.0<S<3.1,⑥ 3.1<S<3.2.\begin{array}{lll} \text{① }2.6<S<2.7,&\text{② }2.7<S<2.8,&\text{③ }2.8<S<2.9,\\ \text{④ }2.9<S<3.0,&\text{⑤ }3.0<S<3.1,&\text{⑥ }3.1<S<3.2. \end{array}

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

複素数の極形式で五乗根を特定し、z+1/zの漸化式で二次方程式へ帰着した。正十角形は中心三角形に分けて面積を計算し、最後は与えられた平方根の評価で範囲を判定した。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) z1=1(cos⁡2π5+isin⁡2π5), z1+1z1=2cos⁡2π5\displaystyle z_1=1\left(\cos\frac{2\pi}{5}+i\sin\frac{2\pi}{5}\right),\space{}z_1+\frac1{z_1}=2\cos\frac{2\pi}{5}\quad (2) ②,③,④②,③,④\quad (3) [a]=⑤,[b]=③[a]=⑤,[b]=③\quad (4) S=5410−25\displaystyle S=\frac54\sqrt{10-2\sqrt5}\quad (5) ④

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)  z15=1z_1^5=1 の根の偏角は 0,2π5,4π5,6π5,8π5\displaystyle 0,\frac{2\pi}{5},\frac{4\pi}{5},\frac{6\pi}{5},\frac{8\pi}{5} である。このうち実数でない根で偏角が最小なのは 2π5\displaystyle \frac{2\pi}{5} のものだから、 z1=1(cos⁡2π5+isin⁡2π5).\displaystyle z_1=1\left(\cos\frac{2\pi}{5}+i\sin\frac{2\pi}{5}\right). また ∣z1∣=1|z_1|=1 より 1/z1=z1‾1/z_1=\overline{z_1} なので、 z1+1z1=2cos⁡2π5.\displaystyle z_1+\frac1{z_1}=2\cos\frac{2\pi}{5}.

(2)  z25=−1z_2^5=-1 の根の偏角は π5,3π5,π,7π5,9π5\displaystyle \frac{\pi}{5},\frac{3\pi}{5},\pi,\frac{7\pi}{5},\frac{9\pi}{5} であり、実数でない根のうち偏角最小のものは z2=eiπ/5z_2=e^{i\pi/5} である。一方 z1=e2πi/5=z22z_1=e^{2\pi i/5}=z_2^2。したがって③は正しい。さらに z13=e6πi/5=−z2z_1^3=e^{6\pi i/5}=-z_2 より②が正しく、 z13z24=ei(6π/5+4π/5)=1z_1^3z_2^4=e^{i(6\pi/5+4\pi/5)}=1 より④も正しい。①では z12=e4πi/5≠z2z_1^2=e^{4\pi i/5}\ne z_2。⑤では z14=e8πi/5=−z23z_1^4=e^{8\pi i/5}=-z_2^3 であるから、z14−z23≠0z_1^4-z_2^3\ne0。よって正しいものは②、③、④。

(3)  x=z+1/zx=z+1/z とし、un=zn+z−nu_n=z^n+z^{-n} とおくと、u0=2,u1=xu_0=2,u_1=x であり、un+1=xun−un−1u_{n+1}=xu_n-u_{n-1} である。順に計算すると u5=x5−5x3+5xu_5=x^5-5x^3+5x。z15=1z_1^5=1 より u5=2u_5=2 だから x15−5x13+5x1−2=(x1−2)(x12+x1−1)2=0.x_1^5-5x_1^3+5x_1-2=(x_1-2)(x_1^2+x_1-1)^2=0. z1≠1z_1\ne1 なので x1≠2x_1\ne2、よって x1x_1 は x2+x−1=0x^2+x-1=0 の解であり、[a]は⑤。 同様に z25=−1z_2^5=-1 より u5=−2u_5=-2 であるから x25−5x23+5x2+2=(x2+2)(x22−x2−1)2=0.x_2^5-5x_2^3+5x_2+2=(x_2+2)(x_2^2-x_2-1)^2=0. z2≠−1z_2\ne-1 なので x2≠−2x_2\ne-2。よって x2x_2 は x2−x−1=0x^2-x-1=0 の解であり、[b]は③。

(4)  正十角形は中心角 36∘36^\circ の二等辺三角形10個に分けられる。半径が1なので S=10⋅12sin⁡36∘=5sin⁡36∘.\displaystyle S=10\cdot\frac12\sin36^\circ=5\sin36^\circ. (3)の二次方程式と x2=2cos⁡(π/5)>0x_2=2\cos(\pi/5)>0 から x2=(1+5)/2x_2=(1+\sqrt5)/2。よって cos⁡72∘=(5−1)/4\cos72^\circ=(\sqrt5-1)/4。したがって sin⁡36∘=1−cos⁡72∘2=1410−25,S=5410−25.\displaystyle \sin36^\circ=\sqrt{\frac{1-\cos72^\circ}{2}}=\frac14\sqrt{10-2\sqrt5},\qquad S=\frac54\sqrt{10-2\sqrt5}. よって シ=10,ス=2\text{シ}=10,\text{ス}=2。

(5)  2.2<5<2.32.2<\sqrt5<2.3 から 5.4<10−25<5.65.4<10-2\sqrt5<5.6。ゆえに 13516<S2=2516(10−25)<14016.\displaystyle \frac{135}{16}<S^2=\frac{25}{16}(10-2\sqrt5)<\frac{140}{16}. ここで 135/16>2.92135/16>2.9^2、140/16<32140/16<3^2 だから、2.9<S<3.02.9<S<3.0。したがって④。

検算として、cos⁡72∘=(5−1)/4\cos72^\circ=(\sqrt5-1)/4 から半角の式で得た S2=(25/16)(10−25)S^2=(25/16)(10-2\sqrt5) は、5sin⁡36∘5\sin36^\circ の二乗とも一致し、範囲判定にも矛盾しない。

この問題で使う考え方

  • 複素数の極形式
  • ド・モアブルの定理
  • 高次方程式
  • 三角比と相互関係
  • 三角比による面積

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