日本医科大学 2019 医学部前期 問題 II
問1
球の中心を O、三角形 ABC を含む平面への O の垂線の足を I とする。OA=OB=OC=1 であり、各頂点は同じ平面上にあるから、直角三角形の関係
IA2=OA2−OI2=1−OI2
および同様の式から IA=IB=IC。よって I は正三角形 ABC の外心である。その外接円半径は l/3 である。これは単位球と平面との交わりの円の半径なので l/3≦1。また A,B,C は異なる点だから l>0。従って
0<l≦3.
この範囲の各 l について半径 l/3 の円を単位球と交わる平面上に置き、その円周上に正三角形を取れる。球面上にはその平面外の点 P も取れるので、この範囲は実現可能である。
問2
u=AB、v=AC とおく。H は平面 ABC 上にあるから、ある実数 x,y を用いて
AH=xu+yv
と書ける。PH⊥AB,AC より AH⋅u=s、AH⋅v=t。正三角形から
u⋅u=v⋅v=l2,u⋅v=2l2
なので
⎩⎨⎧l2x+2l2y=s,2l2x+l2y=t.
この連立方程式を解くと
x=3l24s−2t,y=3l24t−2s.
よって
AH=3l24s−2tAB+3l24t−2sAC.
問3
原点を O とする位置ベクトルをそれぞれ太字の小文字 a,b,c,p で表す。球面上にあるので各ベクトルの長さは 1、また正三角形の辺長が l だから
a⋅b=b⋅c=c⋅a=1−2l2.
定義から
st=(p−a)⋅(b−a)=p⋅(b−a)+2l2,=(p−a)⋅(c−a)=p⋅(c−a)+2l2.
したがって条件 2s−t=l2 は
p⋅(2b−a−c)=2l2
と同値である。ここで
N=2b−a−c=(b−a)+(b−c)
とおくと、二つのベクトルはともに長さ l、なす角は正三角形の角 60∘ だから
∣N∣2=l2+l2+2l2cos60∘=3l2.
e=N/(3l) とおけば、条件は
p⋅e=23l.
e は平面 ABC に平行である。平面 ABC の単位法線 n の向きを、平面の式が n⋅x=d、d≧0 となるように選ぶ。問1の外接円半径 l/3 と球の半径 1 から
d=1−3l2.
e⊥n なので、e,n に垂直な単位ベクトルを g とすると
p=23le+un+vg,u2+v2=1−12l2.
よって u=p⋅n の取り得る範囲は
−1−12l2≦u≦1−12l2.
点 P から平面 ABC までの距離は ∣u−d∣ だから、その最大値は
d+1−12l2=1−3l2+1−12l2,
であり、u=−1−l2/12、v=0 のとき実現する。この点は底面上にはなく、四面体の頂点として許される。
底面積は 3l2/4 だから、体積の最大値は
V(l)=123l2(1−12l2+1−3l2).
最終結果・解法・確認事項
- 問1:0<l≦3。 - 問2:AH=3l24s−2tAB+3l24t−2sAC。 - 問3:V(l)=123l2(1−12l2+1−3l2)。 - 解法:平面への垂線と正三角形の外接円、内積による射影係数の決定、球面上の線形条件と点から平面までの距離の最大化。 - 定義域:問1より 0<l≦3。このときすべての平方根は実数。 - issues:なし。