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日本医科大学/2019年度/前期

日本医科大学 2019年 数学 第III問解答・解説

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1問題

日本医科大学2019年度第III問

f(x)=log⁡(1+x2)f(x)=\log(1+x^2)(x>0x>0)とする。また,実数 a,ha,h は

0<a<1,0<h<1,0<a+h<10<a<1,\qquad 0<h<1,\qquad 0<a+h<1

を満たすとする。以下の各問いに答えよ。

問1 kk を正の実数とする。このとき,以下の不等式が成り立つことを示せ。

x−x22≦log⁡(1+x)≦x−1k+1x22(0≦x≦k)\displaystyle x-\frac{x^2}{2}\leq\log(1+x)\leq x-\frac{1}{k+1}\frac{x^2}{2}\qquad(0\leq x\leq k)

問2 各 a,ha,h に対して,以下の等式を満たす cc(a<c<a+ha<c<a+h)がただ1つ存在することを示せ。

f(a+h)=f(a)+f′(c)hf(a+h)=f(a)+f'(c)h

また,dd を以下のように定めたとき,cc を dd を用いて表せ。

d=f(a+h)−f(a)h\displaystyle d=\frac{f(a+h)-f(a)}{h}

問3 問2において aa を固定し,cc を hh の関数と考えて c(h)c(h) と書くことにする。また,θ(h)\theta(h) を以下のように定める。

θ(h)=c(h)−ah\displaystyle\theta(h)=\frac{c(h)-a}{h}

このとき,極限 lim⁡h→0+0θ(h)\displaystyle\lim\limits _{h\to0+0}\theta(h) を求めよ。ただし,記号 lim⁡h→0+0\displaystyle\lim\limits _{h\to0+0} は h>0h>0 の範囲で hh を0に限りなく近づけたときの極限を意味する。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 問1 成立。\quad 問2 c=d1+1−d2.\displaystyle c=\frac{d}{1+\sqrt{1-d^2}}.\quad 問3 lim⁡h→0+θ(h)=12.\displaystyle \lim\limits _{h\to0+}\theta(h)=\frac12.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

・ g(x)=log⁡(1+x)−x+x22\displaystyle g(x)=\log(1+x)-x+\dfrac{x^2}{2} とおく。すると g(0)=0,g′(x)=11+x−1+x=x21+x≧0\displaystyle g(0)=0,\qquad g'(x)=\frac1{1+x}-1+x=\frac{x^2}{1+x}\ge0 である。よって g(x)≧0g(x)\ge0、すなわち x−x22≦log⁡(1+x).\displaystyle x-\frac{x^2}{2}\le\log(1+x). 次に k>0k>0 とし、0≦x≦k0\le x\le k で h(x)=x−x22(k+1)−log⁡(1+x)\displaystyle h(x)=x-\frac{x^2}{2(k+1)}-\log(1+x) とおく。h(0)=0h(0)=0 であり、 h′(x)=1−xk+1−11+x=x(k−x)(k+1)(1+x)≧0.\displaystyle h'(x)=1-\frac{x}{k+1}-\frac1{1+x} =\frac{x(k-x)}{(k+1)(1+x)}\ge0. ゆえに h(x)≧0h(x)\ge0、したがって log⁡(1+x)≦x−x22(k+1).\displaystyle \log(1+x)\le x-\frac{x^2}{2(k+1)}. 両方を合わせると求める不等式を得る。

・ f′(x)=2x1+x2\displaystyle f'(x)=\dfrac{2x}{1+x^2}、f′′(x)=2(1−x2)(1+x2)2\displaystyle f''(x)=\dfrac{2(1-x^2)}{(1+x^2)^2} である。0<a<a+h<10<a<a+h<1 では f′′(x)>0f''(x)>0 だから、a≦x1<x2≦a+ha\le x_1<x_2\le a+h ならば f′(x1)<f′(x2)f'(x_1)<f'(x_2) が成り立つ。平均値の定理により f(a+h)−f(a)h=f′(c)\displaystyle \frac{f(a+h)-f(a)}{h}=f'(c) となる a<c<a+ha<c<a+h が存在し、上の等号を許さない大小関係からそのような cc はただ1つである。左辺を dd とすると d=2c1+c2,0<d<1.\displaystyle d=\frac{2c}{1+c^2},\qquad 0<d<1. これを解けば dc2−2c+d=0dc^2-2c+d=0 であり、区間上で c<1c<1 なので小さい方の根を選ぶ。 c=1−1−d2d=d1+1−d2.\displaystyle c=\frac{1-\sqrt{1-d^2}}{d}=\frac{d}{1+\sqrt{1-d^2}}.

・ A=1+a2A=1+a^2、xh=((a+h)2−a2)/Ax_h=((a+h)^2-a^2)/A とおくと、xh→0+x_h\to0+ で d=1hlog⁡(1+xh).\displaystyle d=\frac1h\log(1+x_h). 小問1の不等式で k=xhk=x_h と置くと −12≦log⁡(1+xh)−xhxh2≦−12(1+xh),\displaystyle -\frac12\le\frac{\log(1+x_h)-x_h}{x_h^2}\le-\frac1{2(1+x_h)}, ゆえに log⁡(1+xh)=xh−xh22+o(xh2)\displaystyle \log(1+x_h)=x_h-\frac{x_h^2}{2}+o(x_h^2) である。xh=2aAh+1Ah2\displaystyle x_h=\frac{2a}{A}h+\frac1A h^2 を代入して d=f′(a)+1−a2A2h+o(h).\displaystyle d=f'(a)+\frac{1-a^2}{A^2}h+o(h). 一方、d=f′(c)d=f'(c) なので、直接通分すると d−f′(a)=2(c−a)(1−ac)(1+a2)(1+c2).\displaystyle d-f'(a)=\frac{2(c-a)(1-ac)}{(1+a^2)(1+c^2)}. a<c<a+ha<c<a+h より c→ac\to a。したがって c−ah=(d−f′(a))/h2(1−ac)/((1+a2)(1+c2))⟶(1−a2)/A22(1−a2)/A2=12.\displaystyle \frac{c-a}{h} =\frac{(d-f'(a))/h}{2(1-ac)/((1+a^2)(1+c^2))} \longrightarrow \frac{(1-a^2)/A^2}{2(1-a^2)/A^2}=\frac12. よって lim⁡h→0+0θ(h)=12\displaystyle\lim\limits _{h\to0+0}\theta(h)=\boxed{\frac12}。

この問題で使う考え方

  • 対数とその性質
  • 導関数と増減
  • 指数・対数関数の微分
  • 第二次導関数
  • 関数の極限

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