(1)
x,y を固定し,関数 φ(t)=et−xt (t は実数) を考える。条件 (∗) は「すべての t について y≦φ(t)」であるから,実数 t を動かしたときの φ(t) の値がすべて y 以上となる条件を調べる。
φ′(t)=et−x,φ′′(t)=et>0
より φ は すべての実数 t で下に凸である。
x≦0 のとき et>0≧x より φ′(t)=et−x>0 がすべての t で成り立ち,φ は単調増加である。
x<0 ならば,t→−∞ のとき et→0,−xt=(−x)t→−∞(−x>0 のため)であるから φ(t)→−∞。よって,どんな実数 y をとっても十分小さい t で y>φ(t) となる。したがって x<0 の点は条件をみたさない(集合に含まれない)。
x=0 のとき φ(t)=et>0 がすべての t で成り立つ。y≦0 ならば y<et が任意の t で成立し (∗) をみたす。y>0 のときは t→−∞ で et→0<y となる t が存在し (∗) を破る。よって x=0 のときの条件は y≦0。
x>0 のとき φ′(t)=0すなわちet=xすなわちt=logx。φ は下に凸だから,この t=logx で最小値をとり φ(logx)=elogx−xlogx=x−xlogx=x(1−logx) よって条件 (∗) は y≦x(1−logx) と同値である。
まとめ g(x)=x(1−logx) (x>0) とおくと,与えられた x→+0limxlogx=0 により x→+0limg(x)=x→+0lim(x−xlogx)=0 であるから,g(0)=0 と定めれば g は x≧0 で連続に拡張され,x=0 の場合の結果 y≦0 とも一致する。以上より,条件 (∗) をみたす点全体の集合を D とすると、D は x≧0,y≦g(x) を満たす点全体である。ただし x<0 の点は含まない。
境界曲線 y=g(x)=x(1−logx) (x≧0) の概形を調べる。 g′(x)=1−logx−1=−logx,g′′(x)=−x1<0 (x>0) g′(x)>0 (0<x<1),g′(1)=0,g′(x)<0 (x>1) より,g は 0≦x≦1 で増加,x≧1 で減少し,x=1 で最大値 g(1)=1 をとる。また g′′(x)<0 より x>0 で常に上に凸(グラフは凹)である。g(0)=0,g(e)=e(1−1)=0,x→∞ のとき g(x)→−∞。x→+0 で g′(x)=−logx→+∞ となるので,原点で y 軸に接するように立ち上がる。
したがって D は,原点から出て上に凸に増加し (1,1) で最大となり,その後上に凸のまま減少して (e,0) で x 軸を切り,以後 x→∞ で −∞ に向かう曲線 y=x(1−logx) (x≧0) の下側(曲線を含む)全体である(解答用紙にはこの曲線と,その下側の領域を図示する)。
(2)
(1) の結果より S は x≧1,0≦y≦x(1−logx) を満たす点全体である。 g は x≧1 で単調減少し g(1)=1, g(e)=0 であるから,x>e では g(x)<0 となり y≧0 をみたす y≦g(x) は存在しない。よって S は 1≦x≦e,0≦y≦x(1−logx) を満たす点全体 であり,1≦x≦e を満たす各 x における S の切り口は 0 から g(x) までの線分( x 軸に接する)である。ゆえに S を x 軸のまわりに 1 回転させてできる立体は,各 x で半径 g(x) の円板を断面にもつ(中空のない)回転体であり,体積 V は V=π∫1e{g(x)}2dx=π∫1ex2(1−logx)2dx
被積分関数を展開すると x2(1−logx)2=x2−2x2logx+x2(logx)2。部分積分により ∫x2logxdx=3x3logx−∫3x3⋅x1dx=3x3logx−9x3+C さらにこれを用いて部分積分すると ∫x2(logx)2dx=3x3(logx)2−32∫x2logxdx=3x3(logx)2−92x3logx+272x3+C これらをまとめると ∫x2(1−logx)2dx=3x3−2(3x3logx−9x3)+(3x3(logx)2−92x3logx+272x3)=2717x3−98x3logx+3x3(logx)2=:F(x) (実際 F′(x)=x2−2x2logx+x2(logx)2=x2(1−logx)2 であることは直接微分して確かめられる。)
x=e(loge=1)のとき F(e)=2717e3−98e3+3e3=2717e3−24e3+9e3=272e3 x=1(log1=0)のとき F(1)=2717。
よって V=π{F(e)−F(1)}=π(272e3−2717)=27(2e3−17)π
(検算:e3=20.0855… より V≒27(40.171−17)π≒0.858π≒2.696。これは {g(x)}2 を1≦x≦e の範囲で(シンプソン則により)数値積分した近似値 0.858 と一致し,2e3−17>0 で体積が正であることとも整合する。) V=27(2e3−17)π