本文へ進む
メニュー
医学部数学 過去問DB問題を探す

九州大学/2021年度/前期

九州大学 2021年 数学 第3問解答・解説

このページには広告が含まれます。

1問題

九州大学2021年度第3問配点 50点

この問題の解答は,解答紙17の定められた場所に記入しなさい。

座標平面上の点 (x,y)(x,y) について,次の条件を考える。

条件:すべての実数 tt に対して y≦et−xty\leq e^{t}-xt が成立する。   (*)

以下の問いに答えよ。必要ならば lim⁡x→+0xlog⁡x=0\displaystyle \lim\limits _{x\to+0}x\log x=0 を使ってよい。

(1) 条件 (∗)(*) をみたす点 (x,y)(x,y) 全体の集合を座標平面上に図示せよ。

(2) 条件 (∗)(*) をみたす点 (x,y)(x,y) のうち,x≧1x\geq1 かつ y≧0y\geq0 をみたすもの全体の集合を SS とする。SS を xx 軸の周りに1回転させてできる立体の体積を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)D={(x,y)∣x≧0, y≦x(1−log⁡x)} (x=0(1)\quad D=\{(x,y)\mid x\geqq0,\space{}y\leqq x(1-\log x)\}\space{}(x=0 のとき y≦0y\leqq0 と定める),x<0),\quad x<0 の点は D に含まれない。
    境界曲線 y=x(1−log⁡x) (x≧0)y=x(1-\log x)\space{}(x\geqq0) は原点から (1,1) まで上に凸に増加し,その後も上に凸のまま減少して (e,0) で x 軸を切り, x→∞x\to\infty で y→−∞y\to-\infty となる。D はこの曲線の下側(曲線を含む)全体である。
    (2)S={(x,y)∣1≦x≦e, 0≦y≦x(1−log⁡x)},V=(2e3−17)π27\displaystyle (2)\quad S=\{(x,y)\mid 1\leqq x\leqq e,\space{}0\leqq y\leqq x(1-\log x)\},\qquad V=\dfrac{(2e^{3}-17)\pi}{27}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)

x,yx,y を固定し,関数 φ(t)=et−xt (t は実数)\varphi(t)=e^{t}-xt\ (t\text{ は実数}) を考える。条件 (∗)(*) は「すべての tt について y≦φ(t)y\leqq\varphi(t)」であるから,実数 tt を動かしたときの φ(t)\varphi(t) の値がすべて yy 以上となる条件を調べる。

φ′(t)=et−x,φ′′(t)=et>0\varphi'(t)=e^{t}-x,\qquad \varphi''(t)=e^{t}>0

より φ\varphi は すべての実数 tt で下に凸である。

x≦0x\leqq0 のとき  et>0≧xe^{t}>0\geqq x より φ′(t)=et−x>0\varphi'(t)=e^{t}-x>0 がすべての tt で成り立ち,φ\varphi は単調増加である。

x<0x<0 ならば,t→−∞t\to-\infty のとき et→0e^{t}\to0,−xt=(−x)t→−∞-xt=(-x)t\to-\infty(−x>0-x>0 のため)であるから φ(t)→−∞\varphi(t)\to-\infty。よって,どんな実数 yy をとっても十分小さい tt で y>φ(t)y>\varphi(t) となる。したがって x<0x<0 の点は条件をみたさない(集合に含まれない)。

x=0x=0 のとき φ(t)=et>0\varphi(t)=e^{t}>0 がすべての tt で成り立つ。y≦0y\leqq0 ならば y<ety<e^{t} が任意の tt で成立し (∗)(*) をみたす。y>0y>0 のときは t→−∞t\to-\infty で et→0<ye^{t}\to0<y となる tt が存在し (∗)(*) を破る。よって x=0x=0 のときの条件は y≦0y\leqq0。

x>0x>0 のとき  φ′(t)=0すなわちet=xすなわちt=log⁡x\varphi'(t)=0\quad\text{すなわち}\quad e^{t}=x\quad\text{すなわち}\quad t=\log x。φ\varphi は下に凸だから,この t=log⁡xt=\log x で最小値をとり φ(log⁡x)=elog⁡x−xlog⁡x=x−xlog⁡x=x(1−log⁡x)\varphi(\log x)=e^{\log x}-x\log x=x-x\log x=x(1-\log x) よって条件 (∗)(*) は y≦x(1−log⁡x)y\leqq x(1-\log x) と同値である。

まとめ  g(x)=x(1−log⁡x) (x>0)g(x)=x(1-\log x)\ (x>0) とおくと,与えられた lim⁡x→+0xlog⁡x=0\displaystyle\lim\limits _{x\to+0}x\log x=0 により lim⁡x→+0g(x)=lim⁡x→+0(x−xlog⁡x)=0\displaystyle\lim\limits _{x\to+0}g(x)=\lim\limits _{x\to+0}(x-x\log x)=0 であるから,g(0)=0g(0)=0 と定めれば gg は x≧0x\geqq0 で連続に拡張され,x=0x=0 の場合の結果 y≦0y\leqq0 とも一致する。以上より,条件 (∗)(*) をみたす点全体の集合を DD とすると、DD は x≧0,y≦g(x)x\geqq0,\quad y\leqq g(x) を満たす点全体である。ただし x<0x<0 の点は含まない。

境界曲線 y=g(x)=x(1−log⁡x) (x≧0)y=g(x)=x(1-\log x)\ (x\geqq0) の概形を調べる。 g′(x)=1−log⁡x−1=−log⁡x,g′′(x)=−1x<0 (x>0)\displaystyle g'(x)=1-\log x-1=-\log x,\qquad g''(x)=-\frac1x<0\ (x>0) g′(x)>0 (0<x<1)g'(x)>0\ (0<x<1),g′(1)=0g'(1)=0,g′(x)<0 (x>1)g'(x)<0\ (x>1) より,gg は 0≦x≦10\le x\le1 で増加,x≧1x\ge1 で減少し,x=1x=1 で最大値 g(1)=1g(1)=1 をとる。また g′′(x)<0g''(x)<0 より x>0x>0 で常に上に凸(グラフは凹)である。g(0)=0g(0)=0,g(e)=e(1−1)=0g(e)=e(1-1)=0,x→∞x\to\infty のとき g(x)→−∞g(x)\to-\infty。x→+0x\to+0 で g′(x)=−log⁡x→+∞g'(x)=-\log x\to+\infty となるので,原点で yy 軸に接するように立ち上がる。

したがって DD は,原点から出て上に凸に増加し (1,1)(1,1) で最大となり,その後上に凸のまま減少して (e,0)(e,0) で xx 軸を切り,以後 x→∞x\to\infty で −∞-\infty に向かう曲線 y=x(1−log⁡x) (x≧0)y=x(1-\log x)\ (x\geqq0) の下側(曲線を含む)全体である(解答用紙にはこの曲線と,その下側の領域を図示する)。

(2)

(1) の結果より S は x≧1,0≦y≦x(1−log⁡x) を満たす点全体である。S\text{ は }x\geqq1,\quad 0\leqq y\leqq x(1-\log x)\text{ を満たす点全体である。} gg は x≧1x\geqq1 で単調減少し g(1)=1, g(e)=0g(1)=1,\ g(e)=0 であるから,x>ex>e では g(x)<0g(x)<0 となり y≧0y\geqq0 をみたす y≦g(x)y\leqq g(x) は存在しない。よって S は 1≦x≦e,0≦y≦x(1−log⁡x) を満たす点全体S\text{ は }1\leqq x\leqq e,\quad 0\leqq y\leqq x(1-\log x)\text{ を満たす点全体} であり,1≦x≦e1\le x\le e を満たす各 xx における SS の切り口は 00 から g(x)g(x) までの線分( xx 軸に接する)である。ゆえに SS を xx 軸のまわりに 11 回転させてできる立体は,各 xx で半径 g(x)g(x) の円板を断面にもつ(中空のない)回転体であり,体積 VV は V=π∫1e{g(x)}2 dx=π∫1ex2(1−log⁡x)2 dx\displaystyle V=\pi\int_{1}^{e}\{g(x)\}^{2}\,dx=\pi\int_{1}^{e}x^{2}(1-\log x)^{2}\,dx

被積分関数を展開すると x2(1−log⁡x)2=x2−2x2log⁡x+x2(log⁡x)2x^{2}(1-\log x)^{2}=x^{2}-2x^{2}\log x+x^{2}(\log x)^{2}。部分積分により ∫x2log⁡x dx=x33log⁡x−∫x33⋅1x dx=x33log⁡x−x39+C\displaystyle \int x^{2}\log x\,dx=\frac{x^{3}}{3}\log x-\int\frac{x^{3}}{3}\cdot\frac1x\,dx=\frac{x^{3}}{3}\log x-\frac{x^{3}}{9}+C さらにこれを用いて部分積分すると ∫x2(log⁡x)2 dx=x33(log⁡x)2−23∫x2log⁡x dx=x33(log⁡x)2−2x39log⁡x+2x327+C\displaystyle \int x^{2}(\log x)^{2}\,dx=\frac{x^{3}}{3}(\log x)^{2}-\frac{2}{3}\int x^{2}\log x\,dx=\frac{x^{3}}{3}(\log x)^{2}-\frac{2x^{3}}{9}\log x+\frac{2x^{3}}{27}+C これらをまとめると ∫x2(1−log⁡x)2 dx=x33−2(x33log⁡x−x39)+(x33(log⁡x)2−2x39log⁡x+2x327)=17x327−8x39log⁡x+x33(log⁡x)2=:F(x)\displaystyle \int x^{2}(1-\log x)^{2}\,dx=\frac{x^{3}}{3}-2\left(\frac{x^{3}}{3}\log x-\frac{x^{3}}{9}\right)+\left(\frac{x^{3}}{3}(\log x)^{2}-\frac{2x^{3}}{9}\log x+\frac{2x^{3}}{27}\right)=\frac{17x^{3}}{27}-\frac{8x^{3}}{9}\log x+\frac{x^{3}}{3}(\log x)^{2}=:F(x) (実際 F′(x)=x2−2x2log⁡x+x2(log⁡x)2=x2(1−log⁡x)2F'(x)=x^{2}-2x^{2}\log x+x^{2}(\log x)^{2}=x^{2}(1-\log x)^{2} であることは直接微分して確かめられる。)

x=ex=e(log⁡e=1\log e=1)のとき F(e)=17e327−8e39+e33=17e3−24e3+9e327=2e327\displaystyle F(e)=\frac{17e^{3}}{27}-\frac{8e^{3}}{9}+\frac{e^{3}}{3}=\frac{17e^{3}-24e^{3}+9e^{3}}{27}=\frac{2e^{3}}{27} x=1x=1(log⁡1=0\log1=0)のとき F(1)=1727\displaystyle F(1)=\dfrac{17}{27}。

よって V=π{F(e)−F(1)}=π(2e327−1727)=(2e3−17)π27\displaystyle V=\pi\{F(e)-F(1)\}=\pi\left(\frac{2e^{3}}{27}-\frac{17}{27}\right)=\frac{(2e^{3}-17)\pi}{27}

(検算:e3=20.0855…e^{3}=20.0855\ldots より V≒(40.171−17)π27≒0.858π≒2.696\displaystyle V\fallingdotseq\dfrac{(40.171-17)\pi}{27}\fallingdotseq0.858\pi\fallingdotseq2.696。これは {g(x)}2\{g(x)\}^{2} を1≦x≦e1\le x\le e の範囲で(シンプソン則により)数値積分した近似値 0.8580.858 と一致し,2e3−17>02e^{3}-17>0 で体積が正であることとも整合する。) V=(2e3−17)π27\displaystyle \boxed{V=\dfrac{(2e^{3}-17)\pi}{27}}

この問題で使う考え方

  • 指数関数のグラフ・増減
  • 対数とその性質
  • 関数の極限
  • 指数・対数関数の微分
  • 第二次導関数
  • 導関数と増減
  • 部分積分法
  • 定積分による体積

PR

数学を1対1で教わるオンライン塾「数強塾」

数強塾は、中学生・高校生のための数学専門のオンライン個別指導塾です。プロ講師がマンツーマンで教え、大学受験の数学にも対応しています。入塾の前に、今の学習状況と目標を確かめる診断授業(体験・3,000円、税込)を受けられます。

「数強塾」オンライン数学克服塾〈プロ講師〉

東大生と1対1で学べるオンライン個別指導「トウコベ」

トウコベは、東大生を中心に難関大学の学生が講師を務める、完全マンツーマンのオンライン個別指導です。はじめに、オンラインの説明会・勉強相談(無料)をWebで予約でき、その後にお試し授業を受けられます。

トウコベ公式サイト

似た問題を、ほかの大学で

答えや解説の誤りに気づいたら、お問い合わせから教えてください。