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九州大学/2021年度/前期

九州大学 2021年 数学 第2問解答・解説

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1問題

九州大学2021年度第2問配点 50点

この問題の解答は,解答紙16の定められた場所に記入しなさい。  θ\theta を 0<θ<π4\displaystyle 0<\theta<\frac{\pi}{4} をみたす定数とし,xx の2次方程式  x2−(4cos⁡θ)x+1tan⁡θ=0⋯⋯(∗)\displaystyle x^{2}-(4\cos\theta)x+\frac{1}{\tan\theta}=0\qquad\cdots\cdots (*)  を考える。以下の問いに答えよ。

(1) 2次方程式 (∗)(*) が実数解をもたないような θ\theta の値の範囲を求めよ。

(2) θ\theta が (1) で求めた範囲にあるとし,(∗)(*) の2つの虚数解を α,β\alpha,\beta とする。ただし,α\alpha の虚部は β\beta の虚部より大きいとする。複素数平面上の3点 A(α),B(β),O(0)A(\alpha), B(\beta), O(0) を通る円の中心を C(γ)C(\gamma) とするとき,θ\theta を用いて γ\gamma を表せ。

(3) 点 O,A,CO,A,C を (2) のように定めるとき,三角形 OACOAC が直角三角形になるような θ\theta に対する tan⁡θ\tan\theta の値を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

(1)  2次方程式 x^{2}-(4cos⁡\cosθ\theta)x+1tan⁡θ\displaystyle \dfrac{1}{\tan\theta}=0 の判別式を D とすると  D=(4cos⁡θ)2−4⋅1tan⁡θ=16cos⁡2θ−4cos⁡θsin⁡θ.\displaystyle D=(4\cos\theta)^{2}-4\cdot\frac{1}{\tan\theta}=16\cos^{2}\theta-\frac{4\cos\theta}{\sin\theta}.  実数解をもたないための条件は D<0D<0 である。0<θ<π4\displaystyle 0<\theta<\dfrac{\pi}{4} では cos⁡θ>0, sin⁡θ>0\cos\theta>0,\ \sin\theta>0 だから,D<0D<0 の両辺を正の数 4cos⁡θ4\cos\theta で割って  4cos⁡θ−1sin⁡θ<0.\displaystyle 4\cos\theta-\frac{1}{\sin\theta}<0.  さらに正の数 sin⁡θ\sin\theta を掛けると  4sin⁡θcos⁡θ−1<0,すなわち2sin⁡2θ<1,sin⁡2θ<12.\displaystyle 4\sin\theta\cos\theta-1<0,\qquad\text{すなわち}\qquad 2\sin2\theta<1,\qquad \sin2\theta<\frac12.  0<θ<π4\displaystyle 0<\theta<\dfrac{\pi}{4} より 0<2θ<π2\displaystyle 0<2\theta<\dfrac{\pi}{2} であり,この範囲で sin⁡\sin は単調増加で sin⁡π6=12\displaystyle \sin\dfrac{\pi}{6}=\dfrac12 だから,sin⁡2θ<12\displaystyle \sin2\theta<\dfrac12 は 2θ<π6\displaystyle 2\theta<\dfrac{\pi}{6} と同値である。よって  0<θ<π12.\displaystyle \boxed{0<\theta<\frac{\pi}{12}}.    (2)  以下 0<θ<π12\displaystyle 0<\theta<\dfrac{\pi}{12} とする。(*) は実係数の2次方程式で D<0D<0 だから,2つの解 α,β\alpha,\beta は互いに共役な虚数であり,かつ和と積は係数から  α+β=4cos⁡θ,αβ=1tan⁡θ\displaystyle \alpha+\beta=4\cos\theta,\qquad \alpha\beta=\frac{1}{\tan\theta}  を満たす。β=α‾\beta=\overline{\alpha} だから,α=p+qi (p,q は実数)\alpha=p+qi\ (p,q\ \text{は実数}) とおくと β=p−qi\beta=p-qi であり  α+β=2p=4cos⁡θ より p=2cos⁡θ,αβ=p2+q2=1tan⁡θ.\displaystyle \alpha+\beta=2p=4\cos\theta\ \text{より}\ p=2\cos\theta,\qquad \alpha\beta=p^{2}+q^{2}=\frac{1}{\tan\theta}.  α\alpha の虚部が β\beta の虚部より大きいという条件から q>0q>0 にとる(q2=1tan⁡θ−4cos⁡2θ>0\displaystyle q^{2}=\dfrac{1}{\tan\theta}-4\cos^{2}\theta>0 は D<0D<0 と同値な量なので (1) の範囲でつねに成り立つ)。  よって座標平面(複素数平面)上で O(0,0), A(p,q), B(p,−q)O(0,0),\ A(p,q),\ B(p,-q) であり,p=2cos⁡θ>0p=2\cos\theta>0 なので OO は直線 AB: x=pAB:\,x=p 上にはなく,3点は同一直線上にないので外接円がただ1つ定まる。  A,BA,B は実軸に関して対称だから,線分 ABAB の垂直二等分線は実軸そのものである。円の中心 CC はこの垂直二等分線上にあるから,CC は実軸上の点であり,γ\gamma は実数である。γ=c\gamma=c とおき,CC が O,AO,A から等距離であることから  ∣CO∣2=∣CA∣2 より c2=(c−p)2+q2 より 0=−2pc+p2+q2 より c=p2+q22p.\displaystyle |CO|^{2}=|CA|^{2}\ \text{より}\ c^{2}=(c-p)^{2}+q^{2}\ \text{より}\ 0=-2pc+p^{2}+q^{2}\ \text{より}\ c=\frac{p^{2}+q^{2}}{2p}.  ここに p2+q2=αβ=1tan⁡θ=cos⁡θsin⁡θ\displaystyle p^{2}+q^{2}=\alpha\beta=\dfrac{1}{\tan\theta}=\dfrac{\cos\theta}{\sin\theta},2p=4cos⁡θ2p=4\cos\theta だから  γ=c=cos⁡θsin⁡θ4cos⁡θ=14sin⁡θ.\displaystyle \gamma=c=\frac{\dfrac{\cos\theta}{\sin\theta}}{4\cos\theta}=\frac{1}{4\sin\theta}.  よって  γ=14sin⁡θ(実数,すなわち C は実軸上の点).\displaystyle \boxed{\gamma=\frac{1}{4\sin\theta}}\qquad(\text{実数,すなわち }C\text{ は実軸上の点}).    (3)  O(0,0), A(p,q), C(c,0)O(0,0),\ A(p,q),\ C(c,0)(p=2cos⁡θ>0, c=14sin⁡θ>0, q>0\displaystyle p=2\cos\theta>0,\ c=\dfrac{1}{4\sin\theta}>0,\ q>0)について,三角形 OACOAC が直角三角形になる場合を,直角の頂点ごとに調べる。  頂点 OO が直角のとき: OA→⋅OC→=0\overrightarrow{OA}\cdot\overrightarrow{OC}=0。OA→=(p,q), OC→=(c,0)\overrightarrow{OA}=(p,q),\ \overrightarrow{OC}=(c,0) だから内積は pcpc。p>0, c>0p>0,\ c>0 だから pc≠0pc\neq0 であり,この場合は起こらない。  頂点 AA が直角のとき: AO→⋅AC→=0\overrightarrow{AO}\cdot\overrightarrow{AC}=0。AO→=(−p,−q), AC→=(c−p,−q)\overrightarrow{AO}=(-p,-q),\ \overrightarrow{AC}=(c-p,-q) だから内積は  −p(c−p)+q2=p2+q2−pc.-p(c-p)+q^{2}=p^{2}+q^{2}-pc.  (2)で c=p2+q22p\displaystyle c=\dfrac{p^{2}+q^{2}}{2p} なので pc=p2+q22\displaystyle pc=\dfrac{p^{2}+q^{2}}{2}。よってこの内積は  p2+q2−p2+q22=p2+q22=12tan⁡θ>0\displaystyle p^{2}+q^{2}-\frac{p^{2}+q^{2}}{2}=\frac{p^{2}+q^{2}}{2}=\frac{1}{2\tan\theta}>0  となり,00 になり得ない。よってこの場合も起こらない。  頂点 CC が直角のとき: CO→⋅CA→=0\overrightarrow{CO}\cdot\overrightarrow{CA}=0。CO→=(−c,0), CA→=(p−c,q)\overrightarrow{CO}=(-c,0),\ \overrightarrow{CA}=(p-c,q) だから内積は  −c(p−c)=c2−cp=c(c−p).-c(p-c)=c^{2}-cp=c(c-p).  c≠0c\neq0 だから,この場合が起こるための条件は c=pc=p である。すなわち  14sin⁡θ=2cos⁡θ であるための必要十分条件は 8sin⁡θcos⁡θ=1 、すなわち 4sin⁡2θ=1 、すなわち sin⁡2θ=14.\displaystyle \frac{1}{4\sin\theta}=2\cos\theta\ \text{であるための必要十分条件は}\ 8\sin\theta\cos\theta=1\ \text{、すなわち}\ 4\sin2\theta=1\ \text{、すなわち}\ \sin2\theta=\frac14.  t=tan⁡θt=\tan\theta とおくと,2倍角の公式と cos⁡2θ=11+t2\displaystyle \cos^{2}\theta=\dfrac{1}{1+t^{2}} より sin⁡2θ=2sin⁡θcos⁡θ=2t1+t2\displaystyle \sin2\theta=2\sin\theta\cos\theta=\dfrac{2t}{1+t^{2}} だから  2t1+t2=14 であるための必要十分条件は 8t=1+t2 、すなわち t2−8t+1=0 、すなわち t=4±15.\displaystyle \frac{2t}{1+t^{2}}=\frac14\ \text{であるための必要十分条件は}\ 8t=1+t^{2}\ \text{、すなわち}\ t^{2}-8t+1=0\ \text{、すなわち}\ t=4\pm\sqrt{15}.  (1)より 0<θ<π12\displaystyle 0<\theta<\dfrac{\pi}{12} だから 0<t<tan⁡π12=2−3\displaystyle 0<t<\tan\dfrac{\pi}{12}=2-\sqrt3 である。  まず 4−15>04-\sqrt{15}>0 は 16>1516>15 より明らかである。また 4−15<2−3であるための必要十分条件は2+3<15.4-\sqrt{15}<2-\sqrt3 \text{であるための必要十分条件は} 2+\sqrt3<\sqrt{15}. 両辺は正なので二乗してよく、これは 7+43<15であるための必要十分条件は3<27+4\sqrt3<15\text{であるための必要十分条件は} \sqrt3<2 と同値であり、成り立つ。よって 4−154-\sqrt{15} は許容範囲にある。一方、 4+15>4>2>2−34+\sqrt{15}>4>2>2-\sqrt3 なので、もう一方の根は範囲外である。  したがって,三角形 OACOAC が直角三角形になるのは頂点 CC が直角のときに限られ,そのときの tan⁡θ\tan\theta の値は  tan⁡θ=4−15.\boxed{\tan\theta=4-\sqrt{15}}.

この問題で使う考え方

  • 二次方程式の判別式
  • 複素数の四則演算
  • 解と係数の関係
  • 二倍角の公式
  • 三角関数の相互関係
  • 座標による距離
  • 円の方程式
  • 複素数平面

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