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高知大学/2022年度/前期

高知大学 2022年 数学 第3問解答・解説

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1問題

高知大学2022年度第3問

a,ba,b は実数とし、次の方程式を考える。 x2+ax+b=0⋯⋯①x^2+ax+b=0\qquad\cdots\cdots\text{①} また、∣z−(3+i)∣=1\lvert z-(\sqrt{3}+i)\rvert=1 をみたす複素数平面上の点 zz からなる図形を CC とする。このとき、次の問いに答えよ。(100点)

(1) 方程式①の1つの解の偏角が π3\displaystyle \frac{\pi}{3} となるときの aa と bb の条件を求めよ。さらに、その条件をみたす点 (a,b)(a,b) の集合を abab 平面上に図示せよ。

(2) 方程式①の解の1つに対応する複素数平面上の点が CC 上にあるとする。その解の絶対値が最大となるときの aa と bb を求めよ。

(3) 方程式①の解の1つに対応する複素数平面上の点が CC 上にあるとする。その解の偏角が 00 以上 2π2\pi 未満の範囲において最大となるときの aa と bb を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

①が非実数解をもつ条件は判別式D=a^2-4b<0で、実数係数のためその2解は互いに共役な複素数である。(1)は偏角π/3の解とその共役解に解と係数の関係(Vieta)を適用し、a=-r, b=r^2(r=解の絶対値>0)からb=a^2, a<0を導く。(2)(3)は円C(中心√3+i, 半径1)上の点zが①の非実数解であるとき、他方の解が共役z̄であることからa=-2Re z, b=|z|^2が定まることを用い、(2)は三角不等式|z|≦|z-c|+|c|により|z|の最大値3とその達成点を求め、(3)は原点を通る直線y=mxと円の交点条件(判別式)によりarg zの可動範囲が0≦arg z≦π/3であることを示してその最大値π/3の達成点を求める。各結果はVietaの関係式と|z-c|=1への代入で検算した。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)a<0 (1)\quad a<0\space{} かつ b=a2(\space{}b=a^{2}\qquad(放物線 b=a2 b=a^{2}\space{} の a<0 \space{}a<0\space{} の部分、原点(0,0)を除く)
    (2)a=−33, b=9(2)\quad a=-3\sqrt{3},\space{}b=9
    (3)a=−3, b=3(3)\quad a=-\sqrt{3},\space{}b=3

4解答

解答を見る途中式つきの解答

方程式は x2+ax+b=0 (a,b は実数)x^{2}+ax+b=0\ (a,b\text{ は実数}) ⋯\cdots① であり、C: ∣z−(3+i)∣=1C:\ |z-(\sqrt3+i)|=1 は中心 c=3+ic=\sqrt3+i(∣c∣=2, arg⁡c=π6\displaystyle |c|=2,\ \arg c=\dfrac{\pi}{6})、半径 11 の円である。

(1)

①は実数係数の2次方程式だから、非実数解をもつときその2解は互いに共役な複素数である。実数の偏角は 00 または π\pi に限られるので、偏角が π3\displaystyle \dfrac{\pi}{3} となる解は非実数であり、判別式は負、したがって2解は共役な非実数複素数の組である。

偏角 π3\displaystyle \dfrac{\pi}{3} の解を r(cos⁡π3+isin⁡π3) (r>0)\displaystyle r\left(\cos\dfrac{\pi}{3}+i\sin\dfrac{\pi}{3}\right)\ (r>0) とおくと、他方の解は共役な r(cos⁡π3−isin⁡π3)\displaystyle r\left(\cos\dfrac{\pi}{3}-i\sin\dfrac{\pi}{3}\right) である。解と係数の関係(Vieta)より −a=r(cos⁡π3+isin⁡π3)+r(cos⁡π3−isin⁡π3)=2rcos⁡π3=r,\displaystyle -a=r\left(\cos\tfrac{\pi}{3}+i\sin\tfrac{\pi}{3}\right)+r\left(\cos\tfrac{\pi}{3}-i\sin\tfrac{\pi}{3}\right)=2r\cos\tfrac{\pi}{3}=r, b=r(cos⁡π3+isin⁡π3)⋅r(cos⁡π3−isin⁡π3)=r2(cos⁡2π3+sin⁡2π3)=r2.\displaystyle b=r\left(\cos\tfrac{\pi}{3}+i\sin\tfrac{\pi}{3}\right)\cdot r\left(\cos\tfrac{\pi}{3}-i\sin\tfrac{\pi}{3}\right)=r^{2}\left(\cos^{2}\tfrac{\pi}{3}+\sin^{2}\tfrac{\pi}{3}\right)=r^{2}. よって a=−r, b=r2=a2a=-r,\ b=r^{2}=a^{2}。r>0r>0 だから a<0a<0。

逆に a<0, b=a2a<0,\ b=a^{2} のとき、判別式は a2−4b=a2−4a2=−3a2<0a^{2}-4b=a^{2}-4a^{2}=-3a^{2}<0(a≠0a\neq0 より)となり①は非実数解 −a2±i32∣a∣\displaystyle -\dfrac{a}{2}\pm i\dfrac{\sqrt3}{2}|a| をもつ。a<0a<0 より −a2=∣a∣2>0\displaystyle -\dfrac a2=\dfrac{|a|}2>0 なので、複号 ++ の解の偏角は arctan⁡(3/2)∣a∣∣a∣/2=arctan⁡3=π3\displaystyle \arctan\dfrac{(\sqrt3/2)|a|}{|a|/2}=\arctan\sqrt3=\dfrac{\pi}{3} となり条件を満たす。

a<0 かつ b=a2\boxed{a<0\ \text{かつ}\ b=a^{2}} 図示:abab平面上で、点 (a,b)(a,b) の軌跡は上に開いた放物線 b=a2b=a^{2} のうち a<0a<0 の部分(頂点 (0,0)(0,0) を除く開いた枝)である。a→−∞a\to-\infty のとき b→+∞b\to+\infty となる、原点近傍から左上方へ伸びる一本の曲線として描かれる。

(2)

①の解の1つに対応する点 zz が CC 上にあるとする。

・zz が実数の場合:円 CC の中心の虚部は 11、半径は 11 だから、CC は実軸に点 (3,0)(\sqrt3,0) でのみ接する。このとき ∣z∣=3|z|=\sqrt3。

・zz が非実数の場合:実数係数より他方の解は zˉ\bar z であり、Vietaより −a=z+zˉ=2Re⁡z,b=zzˉ=∣z∣2.-a=z+\bar z=2\operatorname{Re}z,\qquad b=z\bar z=|z|^{2}. 三角不等式より、CC 上の任意の点 zz に対し ∣z∣≦∣z−c∣+∣c∣=1+2=3,|z|\le|z-c|+|c|=1+2=3, であり、等号は zz が半直線 OcOc 上で中心 cc よりさらに原点から遠い点、すなわち z=c+c∣c∣⋅1=32c=32(3+i)=332+32i\displaystyle z=c+\frac{c}{|c|}\cdot1=\frac32c=\frac32(\sqrt3+i)=\frac{3\sqrt3}{2}+\frac32i のとき成り立つ。これは非実数で、∣z∣=3>3|z|=3>\sqrt3 だから、実数点 (3,0)(\sqrt3,0) より大きい。よって ∣z∣|z| の最大値は 33、達成点は上の非実数 zz のみである。

このとき a=−2Re⁡z=−2⋅332=−33,b=∣z∣2=32=9.\displaystyle a=-2\operatorname{Re}z=-2\cdot\frac{3\sqrt3}{2}=-3\sqrt3,\qquad b=|z|^{2}=3^{2}=9. 検算:z+zˉ=33=−az+\bar z=3\sqrt3=-a(一致)、zzˉ=9=bz\bar z=9=b(一致)、∣z−c∣=∣12(3+i)∣=12⋅2=1\displaystyle \left|z-c\right|=\left|\dfrac12(\sqrt3+i)\right|=\dfrac12\cdot2=1(点zzがCC上にあることを確認)。 a=−33, b=9\boxed{a=-3\sqrt3,\ b=9}

(3)

中心 c=3+ic=\sqrt3+i は ∣c∣=2>1=|c|=2>1=半径なので、原点は円 CC の外部にある。CC 上の点は z=(3+cos⁡θ, 1+sin⁡θ) (0≦θ<2π)z=(\sqrt3+\cos\theta,\ 1+\sin\theta)\ (0\le\theta<2\pi) と表せ、実部は 3+cos⁡θ≧3−1>0\sqrt3+\cos\theta\ge\sqrt3-1>0、虚部は 1+sin⁡θ≧01+\sin\theta\ge0 だから CC は(実軸との接点 (3,0)(\sqrt3,0) を除き)第1象限内にあり、偏角は 0≦arg⁡z<2π0\le\arg z<2\pi の範囲内に収まる。

原点を通る直線 y=mx (m≧0)y=mx\ (m\ge0) と円 (x−3)2+(y−1)2=1(x-\sqrt3)^{2}+(y-1)^{2}=1 の共有点を調べる。代入して整理すると (1+m2)x2−(23+2m)x+3=0.(1+m^{2})x^{2}-(2\sqrt3+2m)x+3=0. この xx についての2次方程式の判別式は Δ=4(3+m)2−12(1+m2)=4[3+23m+m2−3−3m2]=83m−8m2=8m(3−m).\Delta=4(\sqrt3+m)^{2}-12(1+m^{2})=4\left[3+2\sqrt3m+m^{2}-3-3m^{2}\right]=8\sqrt3m-8m^{2}=8m(\sqrt3-m). m≧0m\ge0 のとき Δ≧0すなわちm≦3\Delta\ge0\text{すなわち} m\le\sqrt3。すなわち直線 y=mx (0≦m≦3)y=mx\ (0\le m\le\sqrt3) だけが円と共有点をもち、m=0,3m=0,\sqrt3 で接する(Δ=0\Delta=0)。また 0≦m≦30\le m\le\sqrt3 のとき、2次方程式の2解の和 2(3+m)1+m2>0\displaystyle \dfrac{2(\sqrt3+m)}{1+m^{2}}>0、積 31+m2>0\displaystyle \dfrac{3}{1+m^{2}}>0 だから2解とも正であり、共有点は原点から見て角 arctan⁡m\arctan m(0≦arctan⁡m≦arctan⁡3=π3\displaystyle 0\le\arctan m\le\arctan\sqrt3=\dfrac{\pi}{3})の方向にある。

したがって CC 上の点の偏角のとりうる範囲は 0≦arg⁡z≦π3\displaystyle 0\le\arg z\le\dfrac{\pi}{3} であり、最大値 π3\displaystyle \dfrac{\pi}{3} は m=3m=\sqrt3 の接点でのみ達成される。m=3m=\sqrt3 を代入すると (1+3)x2−(23+23)x+3=0 より 4x2−43x+3=0 より (2x−3)2=0 より x=32,\displaystyle (1+3)x^{2}-(2\sqrt3+2\sqrt3)x+3=0\ \text{より}\ 4x^{2}-4\sqrt3x+3=0\ \text{より}\ (2x-\sqrt3)^{2}=0\ \text{より}\ x=\frac{\sqrt3}{2}, y=3x=32\displaystyle y=\sqrt3x=\dfrac32。よって接点は T=32+32i\displaystyle T=\dfrac{\sqrt3}{2}+\dfrac32i(偏角 arctan⁡3=π3\displaystyle \arctan\sqrt3=\dfrac{\pi}{3})。

TT は非実数だから他方の解は Tˉ\bar T であり、 a=−2Re⁡T=−2⋅32=−3,b=∣T∣2=(32)2+(32)2=34+94=3.\displaystyle a=-2\operatorname{Re}T=-2\cdot\frac{\sqrt3}{2}=-\sqrt3,\qquad b=|T|^{2}=\left(\frac{\sqrt3}{2}\right)^{2}+\left(\frac32\right)^{2}=\frac34+\frac94=3. 検算:∣T−c∣=∣(−32,12)∣=34+14=1\displaystyle |T-c|=\left|\left(-\dfrac{\sqrt3}{2},\dfrac12\right)\right|=\sqrt{\dfrac34+\dfrac14}=1(点TTがCC上にあることを確認)、T+Tˉ=3=−aT+\bar T=\sqrt3=-a、TTˉ=3=bT\bar T=3=b(いずれも一致)。 a=−3, b=3\boxed{a=-\sqrt3,\ b=3}

この問題で使う考え方

  • 複素数の四則演算
  • 二次方程式の判別式
  • 解と係数の関係
  • 円の方程式
  • 直線の方程式
  • 複素数平面
  • 複素数の極形式

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