方程式は x2+ax+b=0 (a,b は実数) ⋯① であり、C: ∣z−(3+i)∣=1 は中心 c=3+i(∣c∣=2, argc=6π)、半径 1 の円である。
(1)
①は実数係数の2次方程式だから、非実数解をもつときその2解は互いに共役な複素数である。実数の偏角は 0 または π に限られるので、偏角が 3π となる解は非実数であり、判別式は負、したがって2解は共役な非実数複素数の組である。
偏角 3π の解を r(cos3π+isin3π) (r>0) とおくと、他方の解は共役な r(cos3π−isin3π) である。解と係数の関係(Vieta)より −a=r(cos3π+isin3π)+r(cos3π−isin3π)=2rcos3π=r, b=r(cos3π+isin3π)⋅r(cos3π−isin3π)=r2(cos23π+sin23π)=r2. よって a=−r, b=r2=a2。r>0 だから a<0。
逆に a<0, b=a2 のとき、判別式は a2−4b=a2−4a2=−3a2<0(a=0 より)となり①は非実数解 −2a±i23∣a∣ をもつ。a<0 より −2a=2∣a∣>0 なので、複号 + の解の偏角は arctan∣a∣/2(3/2)∣a∣=arctan3=3π となり条件を満たす。
a<0 かつ b=a2 図示:ab平面上で、点 (a,b) の軌跡は上に開いた放物線 b=a2 のうち a<0 の部分(頂点 (0,0) を除く開いた枝)である。a→−∞ のとき b→+∞ となる、原点近傍から左上方へ伸びる一本の曲線として描かれる。
(2)
①の解の1つに対応する点 z が C 上にあるとする。
・z が実数の場合:円 C の中心の虚部は 1、半径は 1 だから、C は実軸に点 (3,0) でのみ接する。このとき ∣z∣=3。
・z が非実数の場合:実数係数より他方の解は zˉ であり、Vietaより −a=z+zˉ=2Rez,b=zzˉ=∣z∣2. 三角不等式より、C 上の任意の点 z に対し ∣z∣≦∣z−c∣+∣c∣=1+2=3, であり、等号は z が半直線 Oc 上で中心 c よりさらに原点から遠い点、すなわち z=c+∣c∣c⋅1=23c=23(3+i)=233+23i のとき成り立つ。これは非実数で、∣z∣=3>3 だから、実数点 (3,0) より大きい。よって ∣z∣ の最大値は 3、達成点は上の非実数 z のみである。
このとき a=−2Rez=−2⋅233=−33,b=∣z∣2=32=9. 検算:z+zˉ=33=−a(一致)、zzˉ=9=b(一致)、∣z−c∣=21(3+i)=21⋅2=1(点zがC上にあることを確認)。 a=−33, b=9
(3)
中心 c=3+i は ∣c∣=2>1=半径なので、原点は円 C の外部にある。C 上の点は z=(3+cosθ, 1+sinθ) (0≦θ<2π) と表せ、実部は 3+cosθ≧3−1>0、虚部は 1+sinθ≧0 だから C は(実軸との接点 (3,0) を除き)第1象限内にあり、偏角は 0≦argz<2π の範囲内に収まる。
原点を通る直線 y=mx (m≧0) と円 (x−3)2+(y−1)2=1 の共有点を調べる。代入して整理すると (1+m2)x2−(23+2m)x+3=0. この x についての2次方程式の判別式は Δ=4(3+m)2−12(1+m2)=4[3+23m+m2−3−3m2]=83m−8m2=8m(3−m). m≧0 のとき Δ≧0すなわちm≦3。すなわち直線 y=mx (0≦m≦3) だけが円と共有点をもち、m=0,3 で接する(Δ=0)。また 0≦m≦3 のとき、2次方程式の2解の和 1+m22(3+m)>0、積 1+m23>0 だから2解とも正であり、共有点は原点から見て角 arctanm(0≦arctanm≦arctan3=3π)の方向にある。
したがって C 上の点の偏角のとりうる範囲は 0≦argz≦3π であり、最大値 3π は m=3 の接点でのみ達成される。m=3 を代入すると (1+3)x2−(23+23)x+3=0 より 4x2−43x+3=0 より (2x−3)2=0 より x=23, y=3x=23。よって接点は T=23+23i(偏角 arctan3=3π)。
T は非実数だから他方の解は Tˉ であり、 a=−2ReT=−2⋅23=−3,b=∣T∣2=(23)2+(23)2=43+49=3. 検算:∣T−c∣=(−23,21)=43+41=1(点TがC上にあることを確認)、T+Tˉ=3=−a、TTˉ=3=b(いずれも一致)。 a=−3, b=3