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佐賀大学/2020年度/前期

佐賀大学 2020年 数学 第2問解答・解説

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1問題

佐賀大学2020年度第2問

次の問に答えよ。

(1) p,qp,q を正の実数とし、正の実数 α,β\alpha,\beta が α−β=q,αβ=(p3)3\displaystyle \alpha-\beta=q,\quad \alpha\beta=\left(\frac{p}{3}\right)^3 を満たすとする。このとき、α3−β3\sqrt[3]{\alpha}-\sqrt[3]{\beta} は、方程式 x3+px−q=0x^3+px-q=0 の解であることを示せ。

(2) 3次方程式 x3+6x−2=0x^3+6x-2=0 は、ただ1つの実数解をもつ。この実数解を求めよ。ただし、ただ1つの実数解をもつことは証明しなくてよい。

(3) 実数 1+28273−−1+28273\displaystyle \sqrt[3]{1+\sqrt{\frac{28}{27}}}-\sqrt[3]{-1+\sqrt{\frac{28}{27}}} は有理数である。この有理数の値を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) x=α3−β3 (1)\space{}x=\sqrt[3]{\alpha}-\sqrt[3]{\beta}\space{} は x3+px−q=0 \space{}x^3+px-q=0\space{} の解である(証明)。
    (2) x=43−23(2)\space{}x=\sqrt[3]{4}-\sqrt[3]{2}
    (3) 1

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)  a=α3a=\sqrt[3]{\alpha},b=β3b=\sqrt[3]{\beta} とおく。α,β\alpha,\beta は正の実数だから a,ba,b は正の実数で a3=α,b3=β,ab=αβ3a^3=\alpha,\qquad b^3=\beta,\qquad ab=\sqrt[3]{\alpha\beta} が成り立つ。仮定 αβ=(p3)3\displaystyle \alpha\beta=\left(\dfrac{p}{3}\right)^3 と p>0p>0 より ab=αβ3=(p3)33=p3.\displaystyle ab=\sqrt[3]{\alpha\beta}=\sqrt[3]{\left(\frac{p}{3}\right)^3}=\frac{p}{3}. また a3−b3=α−β=qa^3-b^3=\alpha-\beta=q である。恒等式 (a−b)3=a3−b3−3ab(a−b)(a-b)^3=a^3-b^3-3ab(a-b) にこれらを代入すると,x=a−bx=a-b について x3=(α−β)−3⋅p3 x=q−px,\displaystyle x^3=(\alpha-\beta)-3\cdot\frac{p}{3}\,x=q-px, すなわち x3+px−q=0x^3+px-q=0 が得られる。よって x=α3−β3x=\sqrt[3]{\alpha}-\sqrt[3]{\beta} は方程式 x3+px−q=0x^3+px-q=0 の解である。 ■\blacksquare

(2)  方程式 x3+6x−2=0x^3+6x-2=0 は,p=6p=6,q=2q=2 とした (1) の方程式 x3+px−q=0x^3+px-q=0 に一致する。そこで (1) の議論を逆向きに使い, α−β=2,αβ=(63)3=8\displaystyle \alpha-\beta=2,\qquad \alpha\beta=\left(\frac{6}{3}\right)^3=8 を満たす正の実数 α,β\alpha,\beta を求める。β=α−2\beta=\alpha-2 を αβ=8\alpha\beta=8 に代入すると α(α−2)=8 であるための必要十分条件は α2−2α−8=0 、すなわち (α−4)(α+2)=0.\alpha(\alpha-2)=8\ \text{であるための必要十分条件は}\ \alpha^2-2\alpha-8=0\ \text{、すなわち}\ (\alpha-4)(\alpha+2)=0. α>0\alpha>0 より α=4\alpha=4,このとき β=α−2=2\beta=\alpha-2=2。実際 α=4>0\alpha=4>0,β=2>0\beta=2>0 で,α−β=2\alpha-\beta=2,αβ=8=(6/3)3\alpha\beta=8=(6/3)^3 を満たすから,(1) の条件をすべて満たす。

したがって (1) より x=43−23x=\sqrt[3]{4}-\sqrt[3]{2} は x3+6x−2=0x^3+6x-2=0 の解である。この3次方程式はただ1つの実数解しかもたない(証明不要と指定されている)から,これが求める実数解である。

(検算:a=43a=\sqrt[3]{4},b=23b=\sqrt[3]{2} とおくと a3=4a^3=4,b3=2b^3=2,ab=83=2ab=\sqrt[3]{8}=2 より x3=(a−b)3=a3−b3−3ab(a−b)=4−2−6x=2−6xx^3=(a-b)^3=a^3-b^3-3ab(a-b)=4-2-6x=2-6x,すなわち x3+6x−2=0x^3+6x-2=0 が直接確かめられる。) x=43−23\boxed{x=\sqrt[3]{4}-\sqrt[3]{2}}

(3)  A=1+2827,B=−1+2827=2827−1\displaystyle A=1+\sqrt{\frac{28}{27}},\qquad B=-1+\sqrt{\frac{28}{27}}=\sqrt{\frac{28}{27}}-1 とおく。2827=2827>1\displaystyle \sqrt{\dfrac{28}{27}}=\dfrac{\sqrt{28}}{\sqrt{27}}>1(28>2728>27 より)だから A>0A>0,B>0B>0 であり,どちらも正の実数である。このとき A−B=2,AB=(2827)2−12=2827−1=127=(13)3.\displaystyle A-B=2,\qquad AB=\left(\sqrt{\frac{28}{27}}\right)^2-1^2=\frac{28}{27}-1=\frac{1}{27}=\left(\frac{1}{3}\right)^3. これは (1) の条件 α−β=q\alpha-\beta=q,αβ=(p/3)3\alpha\beta=(p/3)^3 を,α=A\alpha=A,β=B\beta=B,q=2q=2,p=1p=1 として満たす形になっている(p=1>0p=1>0,q=2>0q=2>0)。よって (1) の結果より, X=A3−B3=1+28273−−1+28273\displaystyle X=\sqrt[3]{A}-\sqrt[3]{B}=\sqrt[3]{1+\sqrt{\frac{28}{27}}}-\sqrt[3]{-1+\sqrt{\frac{28}{27}}} は方程式 x3+x−2=0x^3+x-2=0 の解である。

この3次方程式を因数分解する。x=1x=1 を代入すると 1+1−2=01+1-2=0 となるから,因数定理より x−1x-1 を因数にもち, x3+x−2=(x−1)(x2+x+2).x^3+x-2=(x-1)(x^2+x+2). x2+x+2=0x^2+x+2=0 の判別式は 1−4⋅1⋅2=−7<01-4\cdot1\cdot2=-7<0 だから,x2+x+2x^2+x+2 は実数解をもたない。したがって x3+x−2=0x^3+x-2=0 の実数解は x=1x=1 のみである。

XX は正の実数の立方根どうしの差であり実数だから,X=1X=1。すなわち 1+28273−−1+28273=1.\displaystyle \sqrt[3]{1+\sqrt{\frac{28}{27}}}-\sqrt[3]{-1+\sqrt{\frac{28}{27}}}=1. 1\boxed{1}

この問題で使う考え方

  • 三次の乗法・因数分解公式
  • 有理数指数と指数法則
  • 剰余・因数定理
  • 二次方程式の判別式

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