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秋田大学/2007年度

秋田大学 2007年 数学 第3問解答・解説

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1問題

秋田大学2007年度第3問

平面上の3点A, B, Cを頂点とする三角形において, その内部または辺の上を動く点Pがある。この点Pから直線BC, CA, ABまでの距離をそれぞれs, t, uとする。また, BC = a, CA = b, AB = c とし, △ABCの面積をRとする。

(i) st 平面上で点 (s,t)(s, t) の存在する領域を R および a, b を用いた不等式で表し, それを図示せよ。

(ii) A(4, 3), B(0, 0), C(5, 0)とする。 s0s_{0} , t0t_{0} , u0u_{0} をそれぞれ s, t, u の最大値とするとき, ss0=tt0=uu0\displaystyle \frac{s}{s_{0}} = \frac{t}{t_{0}} = \frac{u}{u_{0}} となる点 P(x, y) の座標を求めよ。

右向きx軸上で三角形ABCが右へ回転移動する図で、軸上に左からB、C、A′、B″、C″、上方の頂点にA、B′、C′、A″を記す。3本の弧に右回りを示す矢印がある。最初の三角形内の点Pから上向きy軸上のQへ水平線PQを引き、Qに直角の印を付ける。

(iii) 図は(ii)の△ABCが, x軸にそってすべらずに矢印の方向に一回転して△A"B"C"に移動する様子を表す。(ii)で求めた点Pからy軸上に垂線PQを下ろすと, この移動で点Pが動くのにあわせて, 点Qはy軸上を繰り返し上下する。この一回転の間に点Qの移動する距離を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (i) s≧0,t≧0,as+bt≦2Rs\geq0,\quad t\geq0,\quad as+bt\leq2R(頂点(0,0),(2Ra,0),(0,2Rb)\displaystyle (0,0),\left(\frac{2R}{a},0\right),\left(0,\frac{2R}{b}\right)の閉三角形)。(ii) P=(3,1)P=(3,1)。(iii) Qの移動距離は45+10−44\sqrt5+\sqrt{10}-4。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(i) 点 PP と各辺が作る三つの三角形の面積を加えると R=12as+12bt+12cu,\displaystyle R=\frac12as+\frac12bt+\frac12cu, したがって as+bt+cu=2Ras+bt+cu=2R である。s,t,us,t,u から定める三つの面積比 α=as2R,β=bt2R,γ=cu2R\displaystyle \alpha=\frac{as}{2R},\qquad \beta=\frac{bt}{2R},\qquad \gamma=\frac{cu}{2R} は非負で和が 11 になる。逆向きも確かめる。α,β,γ≧0\alpha,\beta,\gamma\ge0、和1とする。α<1\alpha<1 なら BCBC 上に D=(βB+γC)/(β+γ)D=(\beta B+\gamma C)/(\beta+\gamma) を内分点としてとり、ADAD 上に P=αA+(1−α)DP=\alpha A+(1-\alpha)D をとれば三角形内にある。α=1\alpha=1 なら P=AP=A とする。各辺の直線の式を三角形内部で左辺が非負となる向きにとると、距離はその一次式を一定の正数で割ったものだから、PP からBCへの距離は α\alpha 倍のAからBCへの高さとなる。他の二辺も同様で、面積比は正確に α,β,γ\alpha,\beta,\gamma となる。 そこで u=(2R−as−bt)/cu=(2R-as-bt)/c と消去すると s≧0,t≧0,as+bt≦2R.s\ge0,\qquad t\ge0,\qquad as+bt\le2R. よって (s,t)(s,t) の範囲は頂点 (0,0)(0,0)、(2R/a,0)(2R/a,0)、(0,2R/b)(0,2R/b) をもつ閉三角形である。

(ii) a=BC=5, b=CA=10, c=AB=5a=BC=5,\ b=CA=\sqrt{10},\ c=AB=5 で、R=12⋅5⋅3=152\displaystyle R=\frac12\cdot5\cdot3=\frac{15}{2}。各距離の最大値はそれぞれ対応する高さなので s0=2Ra=3,t0=2Rb=1510,u0=2Rc=3.\displaystyle s_0=\frac{2R}{a}=3,\qquad t_0=\frac{2R}{b}=\frac{15}{\sqrt{10}},\qquad u_0=\frac{2R}{c}=3. 比が共通の値 λ\lambda とすると、三角形の面積分解から 2R=as+bt+cu=λ(as0+bt0+cu0)=6Rλ,2R=as+bt+cu =\lambda(as_0+bt_0+cu_0)=6R\lambda, ゆえに λ=13\displaystyle \lambda=\frac13。これらの比はそれぞれ面積比 [PBC]/R, [PCA]/R, [PAB]/R[PBC]/R,\ [PCA]/R,\ [PAB]/R であるため、三つの小三角形の面積が等しく、PP は三角形の重心である。よって P=A+B+C3=(3,1).\displaystyle P=\frac{A+B+C}{3}=(3,1).

(iii) 図の矢印の向きに転がると、接点は順に C,A′,B′′C,A',B'' となる。θ=∠C\theta=\angle C とおくと、座標から tan⁡θ=3\tan\theta=3、また AB=BCAB=BC より ∠A=θ\angle A=\theta。したがって三つの時計回りの回転角は順に π−θ, π−θ, 2θ\pi-\theta,\ \pi-\theta,\ 2\theta で、合計は 2π2\pi である。PP は重心なので CP=AP=5,BP=10.CP=AP=\sqrt5,\qquad BP=\sqrt{10}. α=arctan⁡(1/2)=θ−π/4\alpha=\arctan(1/2)=\theta-\pi/4 とおく。初期相対ベクトルは CP→=(−2,1)\overrightarrow{CP}=(-2,1)、AP→=(−1,−2)\overrightarrow{AP}=(-1,-2)、BP→=(3,1)\overrightarrow{BP}=(3,1) である。θ=arctan⁡3\theta=\arctan3 なので arctan⁡2+θ=3π/4\arctan2+\theta=3\pi/4、また arctan⁡(1/3)=π/2−θ\arctan(1/3)=\pi/2-\theta である。図の順に時計回りに回すと、各支点から見た VP→\overrightarrow{VP} の方向角は C: π−α⟶π4,A′: 3π4⟶α,B′′: π2+θ⟶π2−θ.\displaystyle C:\ \pi-\alpha\longrightarrow\frac{\pi}{4},\qquad A':\ \frac{3\pi}{4}\longrightarrow\alpha,\qquad B'':\ \frac{\pi}{2}+\theta\longrightarrow\frac{\pi}{2}-\theta. 各方向角は (0,π)(0,\pi) 内で時計回りに減少しながら π/2\pi/2 を通るので、PP の高さ rsin⁡φr\sin\varphi はそこで最大となる。PQPQ は水平だから QQ の yy 座標は常に PP と同じである。各円弧の始点・終点・最大値は 接点半径始点の高さ終点の高さ最大高さC515/25A′55/215B′′101110\begin{array}{c|c|c|c|c} \text{接点}&\text{半径}&\text{始点の高さ}&\text{終点の高さ}&\text{最大高さ}\\ \hline C&\sqrt5&1&\sqrt{5/2}&\sqrt5\\ A'&\sqrt5&\sqrt{5/2}&1&\sqrt5\\ B''&\sqrt{10}&1&1&\sqrt{10} \end{array} となる。したがって、 LQ=2((5−1)+(5−5/2))+2(10−1)=45+10−4.\begin{aligned} L_Q &=2\left((\sqrt5-1)+(\sqrt5-\sqrt{5/2})\right) +2(\sqrt{10}-1)\\ &=4\sqrt5+\sqrt{10}-4. \end{aligned}

(i)の領域図:region.svg。三辺を含む閉三角形です。

横軸s、縦軸tを持つ座標図で、原点とs軸上の2R/a、t軸上の2R/bを頂点とする三角形を青い実線で囲み、内部を水色で塗る。両軸の原点の目盛は0である。

この問題で使う考え方

  • 面積分割
  • 内分点
  • 回転

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