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旭川医科大学/2018年度

旭川医科大学 2018年 数学 第3問解答・解説

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1問題

旭川医科大学2018年度第3問

a は実数で a > 1 とし, 曲線 y=log⁡xy = \log x 上に 2 点 A (a, log a), B (1a,log⁡1a)\displaystyle \left(\frac{1}{a}, \log \frac{1}{a}\right) をとる. 直線 AB と曲線 y=log⁡xy = \log x で囲まれた部分の面積を S とし, 直線 AB, x 軸, 直線 x=1a\displaystyle x = \frac{1}{a} および直線 x = a で囲まれた部分の面積を T とする. このとき, 次の各問いに答えよ.

問 1 S, T を a を用いて表せ.

問 2 次の極限値を求めよ.ただし,(3)において必要であれば

x>0のとき,log⁡(1+x)<x−x22+x33\displaystyle x > 0 \text {のとき,} \log (1 + x) < x - \frac {x ^ {2}}{2} + \frac {x ^ {3}}{3}

が成り立つことを証明なしに用いてよい。

(1) lim⁡a→∞ST\displaystyle \lim\limits _{a\to \infty}\frac{S}{T}

(2) lim⁡a→1+0T(a−1)2\displaystyle \lim\limits _{a\to 1 + 0}\frac{T}{(a - 1)^2}

(3) lim⁡a→1+0S(a−1)2\displaystyle \lim\limits _{a\to 1 + 0}\frac{S}{(a - 1)^2}

(4) lim⁡a→1+0ST\displaystyle \lim\limits _{a\to 1 + 0}\frac{S}{T}

問 3 a>1 の範囲で, ST\displaystyle \frac{S}{T} は単調に増加することを示せ.

問 4 S = T となる a が e32<a<e2\displaystyle e^{\frac{3}{2}} < a < e^{2} の範囲に唯 1 つあることを示せ. ただし, e は自然対数の底で e=2.7182⋯e = 2.7182 \cdots である.

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 問1
    S=(a+1a)log⁡a−(a−1a),T=(a−1a)log⁡a2\displaystyle S=(a+\frac1a)\log a-(a-\frac1a),\quad T=\frac{(a-\frac1a)\log a}{2}
  • 問2(1)
    2
  • 問2(2)
    1
  • 問2(3)
    0
  • 問2(4)
    0
  • 問3
    ST\displaystyle \frac{S}{T}はa>1a>1で狭義単調増加
  • 問4
    S=TS=Tとなるaはe3/2<a<e2e^{3/2}<a<e^2の範囲にただ1つ存在する

3解答

解答を見る途中式つきの解答

以下、L=log⁡a>0L=\log a>0、c=(a+a−1)/2c=(a+a^{-1})/2 とおく。弦ABを y=ℓ(x)y=\ell(x) と書くと ℓ(x)=2La−a−1(x−c).\displaystyle \ell(x)=\frac{2L}{a-a^{-1}}(x-c). (log⁡x) の二階導関数=−1/x2<0(\log x)\text{ の二階導関数}=-1/x^2<0 だから、曲線 y=log⁡xy=\log x は弦より上にある。ℓ\ell は1/a≦x≦a1/a\le x\le a の範囲の中点 cc に関して奇関数なので、その積分は 00 である。よって S=∫1/aa(log⁡x−ℓ(x)) dx=∫1/aalog⁡x dx=[xlog⁡x−x]1/aa=(a+a−1)L−(a−a−1).\displaystyle \begin{aligned} S&=\int_{1/a}^{a}(\log x-\ell(x))\,dx\\ &=\int_{1/a}^{a}\log x\,dx\\ &=\left[x\log x-x\right]_{1/a}^{a} =(a+a^{-1})L-(a-a^{-1}). \end{aligned} ℓ\ell とx軸の交点は x=cx=c。左右の三角形の底辺はいずれも (a−a−1)/2(a-a^{-1})/2、高さは LL なので T=2⋅12⋅a−a−12⋅L=(a−a−1)L2.\displaystyle T=2\cdot\frac12\cdot\frac{a-a^{-1}}2\cdot L=\frac{(a-a^{-1})L}{2}. したがって R(a)=ST=2(a2+1a2−1−1log⁡a).\displaystyle R(a)=\frac ST=2\left(\frac{a^2+1}{a^2-1}-\frac1{\log a}\right). a→∞a\to\infty では R(a)→2R(a)\to2。また、log⁡a=∫1adx/x\displaystyle \log a=\int_1^a dx/x より (a−1)/a<log⁡a<a−1(a-1)/a<\log a<a-1 だから T(a−1)2=a+12alog⁡aa−1⟶1(a→1+).\displaystyle \frac{T}{(a-1)^2}=\frac{a+1}{2a}\frac{\log a}{a-1}\longrightarrow1\qquad(a\to1+). 次に r=a−1>0r=a-1>0 とおくと a+1a=2+r21+r,a−1a=r(2+r)1+r.\displaystyle a+\frac1a=2+\frac{r^2}{1+r},\qquad a-\frac1a=\frac{r(2+r)}{1+r}. 問題文の不等式 log⁡(1+r)<r−r2/2+r3/3\log(1+r)<r-r^2/2+r^3/3 を SS の式に代入して整理すると 0<S<r31+r(23+r6+r23).\displaystyle 0<S<\frac{r^3}{1+r}\left(\frac23+\frac r6+\frac{r^2}{3}\right). 左の不等式は、1/a<x<a1/a<x<a では曲線 y=log⁡xy=\log x が弦ABより上にあることによる。したがって S/(a−1)2→0S/(a-1)^2\to0、さらに S/T→0S/T\to0 である。

RR を微分すると R′(a)=2(1a(log⁡a)2−4a(a2−1)2).\displaystyle R'(a)=2\left(\frac1{a(\log a)^2}-\frac{4a}{(a^2-1)^2}\right). g(a)=(a2−1)/(2a)−log⁡ag(a)=(a^2-1)/(2a)-\log a とおけば g(1)=0g(1)=0、 g′(a)=(a−1)22a2>0(a>1).\displaystyle g'(a)=\frac{(a-1)^2}{2a^2}>0\qquad(a>1). ゆえに (a2−1)/(2a)>log⁡a>0(a^2-1)/(2a)>\log a>0。両辺を二乗すると (a2−1)2>4a2(log⁡a)2(a^2-1)^2>4a^2(\log a)^2 であり、上の導関数から R′(a)>0R'(a)>0 が従う。

問4では R(e3/2)=2(e3+5)3(e3−1)<1\displaystyle R(e^{3/2})=\frac{2(e^3+5)}{3(e^3-1)}<1 である。これは e3>13e^3>13 と同値で、問題文の e=2.7182⋯>2.7e=2.7182\cdots>2.7 から成り立つ。一方 R(e2)=e4+3e4−1>1.\displaystyle R(e^2)=\frac{e^4+3}{e^4-1}>1. RR は連続であり、1<a1<a21<a_1<a_2 なら R(a1)<R(a2)R(a_1)<R(a_2) となる。したがって中間値の定理より、e3/2<a<e2e^{3/2}<a<e^2 の範囲に R(a)=1R(a)=1、すなわち S=TS=T となる aa がただ1つ存在する。

対数曲線が上に凸であることと弦の対称性からSを定積分で、Tを二つの三角形で求める。面積比Rを明示して、a→∞の極限とa→1+の評価を行い、補助関数の微分でRが増加することを証明する。最後に指定区間の両端でRが1を挟むことを確かめ、中間値の定理と、異なるaの値に対してRが同じ値をとらないことから交点の存在と一意性を示す。

この問題で使う考え方

  • 弦と曲線の面積を定積分で求める
  • 三角形の面積
  • 基本対数極限
  • 対数不等式による評価
  • 導関数による単調性判定
  • 中間値の定理

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