(1) P,Q,R を表す複素数 p,q,r について,点 R が線分 PQ を t:(1−t) に内分することから r=(1−t)p+tq である。これに p1=αp+β, q1=αq+β, r1=αr+β を用いて r1 を計算すると, r1=αr+β=α{(1−t)p+tq}+β=(1−t)(αp+β)+t(αq+β) となる(β の係数が (1−t)+t=1 になることを用いた)。ゆえに r1=(1−t)p1+tq1. (検算)t=0 とすると R=P であるべきで,上式は r1=p1 となり整合する。t=1 でも同様に r1=q1 となり整合する。
(2)(i) −2+2i について, ∣−2+2i∣=(−2)2+22=8=22. 実部が負,虚部が正であるから偏角は第2象限にあり, tanθ=−22=−1,θ=π−4π=43π (0≦θ<2π の範囲でこれが一意に定まる)。
(2)(ii) z が 0, 1, 1+i, i を頂点とする正方形の周を動くとき,w=(−2+2i)z(h=0)の像を,各頂点について計算する。 z=0z=1z=1+iz=i ⟼ w=0, ⟼ w=−2+2i, ⟼ w=(−2+2i)(1+i)=−2−2i+2i+2i2=−4, ⟼ w=(−2+2i)i=−2i+2i2=−2−2i. w=(−2+2i)z は原点を中心とする「22 倍の拡大」と「43π の回転」を合成した相似変換(一次変換)であるから,正方形の像もまた正方形であり,頂点の順序も保たれる。したがって D0 は 0, −2+2i, −4, −2−2i を頂点とする正方形である。実際,隣り合う辺のベクトルは (−2,2) と (−2,−2) で,内積は (−2)(−2)+(2)(−2)=0 となり直交し,長さはいずれも (−2)2+22=22 で等しいので,正方形であることが確認できる。
対角線は 0 と −4 を結ぶ線分(実軸方向,長さ4)と,−2+2i と −2−2i を結ぶ線分(虚軸方向,長さ4)で,ともに中点 (−2,0) で直交に交わる。ゆえに D0 は中心 (−2,0),対角線の長さ4の正方形(対角線が座標軸に平行な「ひし形状」の正方形)で,方程式で表すと D0: ∣x+2∣+∣y∣≦2. 概形は,点 (0,0), (−2,2), (−4,0), (−2,−2) を頂点とし,これらを順に線分で結んだ正方形(各辺は座標軸に対して 45∘ 傾いている)である。
(2)(iii) w=(−2+2i)z+hi であるから,Dh は D0 を虚軸方向(y 軸方向)に h だけ平行移動した図形である。よって Dh は中心 (−2,h),対角線の長さ4の正方形で, Dh: ∣x+2∣+∣y−h∣≦2, 頂点は (0,h), (−2,h+2), (−4,h), (−2,h−2) である。
Dh の x 座標は常に −4≦x≦0 の範囲にあり,これは A の条件 −5≦x≦5 に常に含まれる。したがって A と Dh の共通部分は,x の制限では切られず,y の範囲 4≦y≦6 とだけ関係する。
Dh を高さ y で水平に切った切り口(x 方向の幅)は,∣x+2∣≦2−∣y−h∣ より w(y)={4−2∣y−h∣0(h−2≦y≦h+2)(それ以外) である(y=h で最大幅 4,y=h±2 で幅 0 の三角形状の分布)。S(h) はこの w(y) を 4≦y≦6 の範囲で積み上げた面積(台形・三角形の面積の和)である。
以下,h の位置で場合分けする。
(ア) h≦2 または h≧8 のとき
Dh の y の範囲 h−2≦y≦h+2 と 4≦y≦6 が交わらないか,一点でしか接しないので S(h)=0。
(イ) 2<h≦4 のとき
このとき h+2≦6 なので,共通部分の y の範囲は 4≦y≦h+2 で,y≧h の側だけを使う。両端の幅は w(h+2)=0,w(4)=4−2(h−4)=2h−4 (>0). これは底辺 (h+2)−4=h−2,高さ 2h−4 の直角三角形の面積なので S(h)=21(h−2)(2h−4)=(h−2)2. これは 2<h≦4 で単調増加,h=4 で S(4)=4。
(ウ) 6≦h<8 のとき
(イ)と対称に,共通部分は h−2≦y≦6 で S(h)=(8−h)2 となり,6≦h<8 で単調減少,h=6 で S(6)=4。
(エ) 4<h<6 のとき(山の頂点 y=h が 4≦y≦6 の内部にある場合)
h−2<4 かつ h+2>6 なので,共通部分は 4≦y≦6 全体であり,y=h で二つの台形に分けて計算する。
・ 4≦y≦h の部分:両端の幅 w(4)=4−2(h−4)=12−2h,w(h)=4,幅 h−4 の台形。 S1=21{(12−2h)+4}(h−4)=(8−h)(h−4).
・ h≦y≦6 の部分:両端の幅 w(h)=4,w(6)=4−2(6−h)=2h−8,幅 6−h の台形。 S2=21{4+(2h−8)}(6−h)=(h−2)(6−h).
よって S(h)=S1+S2=(8−h)(h−4)+(h−2)(6−h). 展開すると (8−h)(h−4)=−h2+12h−32,(h−2)(6−h)=−h2+8h−12 なので S(h)=−2h2+20h−44=−2(h−5)2+6. これは 4<h<6 における(そして境界を含めても)h=5 で最大値 6 をとる二次関数である。
(境界での連続性の検算)h→4 で −2(4−5)2+6=4,(イ)の S(4)=4 と一致。h→6 で −2(6−5)2+6=4,(ウ)の S(6)=4 と一致し,各場合の式が矛盾なくつながっている。
以上,(イ)(ウ)では S(h)≦4,(エ)では S(h)=−2(h−5)2+6≦6 で等号は h=5 のときに限る。ゆえに S(h) の最大値は 6(h=5 のとき) である。