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愛媛大学/2018年度/前期

愛媛大学 2018年 数学 第7問解答・解説

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1問題

愛媛大学2018年度第7問

(理学部・工学部(環境建設工学科社会デザインコースを除く)・医学部)

(1) p,q,r,α,βp,q,r,\alpha,\beta は複素数で、p≠q, α≠0p\ne q,\ \alpha\ne0 とする。p1,q1,r1p_1,q_1,r_1 を p1=αp+β,q1=αq+β,r1=αr+βp_1=\alpha p+\beta,\qquad q_1=\alpha q+\beta,\qquad r_1=\alpha r+\beta と定義する。実数 tt は 0<t<10<t<1 を満たすとする。p,q,rp,q,r が表す複素数平面上の点を、それぞれ P,Q,RP,Q,R とする。点 RR が線分 PQPQ を t:(1−t)t:(1-t) に内分するとき、r1r_1 を p1,q1,tp_1,q_1,t を用いて表せ。

(2) ii を虚数単位とし、hh を実数とする。複素数平面において、点 zz が4点 0,1,1+i,i0,1,1+i,i を頂点とする四角形の周を動くとき、 w=(−2+2i)z+hiw=(-2+2i)z+hi が表す点の描く線で囲まれた図形を DhD_h とする。

(i) −2+2i-2+2i の絶対値と偏角を求めよ。ただし、偏角は0以上 2π2\pi 未満とする。

(ii) D0D_0 の概形を描け。

(iii) 複素数平面における図形 AA を A={x+yi∣x,y は実数, −5≦x≦5, 4≦y≦6}A=\{x+yi\mid x,y\text{ は実数},\ -5\leq x\leq5,\ 4\leq y\leq6\} と定義し、AA と DhD_h の共通部分の面積を S(h)S(h) とする。ただし、共通部分がない場合や、共通部分が線分や点の場合は、S(h)=0S(h)=0 とする。S(h)S(h) の最大値とそのときの hh の値を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

(1)は内分点の複素数表示 r=(1-t)p+tq を用い,一次変換 z↦\mapstoα\alpha z+β\beta が内分比を保つことを直接代入で確認して r_1=(1-t)p_1+tq_1 を得る。(2)(i)は複素数の絶対値・偏角の定義計算。(2)(ii)は正方形の4頂点の像を計算し,一次変換(回転+拡大)が正方形を正方形に写すことからD_0 の形状(中心(-2,0),対角線の長さ4の正方形)を確定する。(2)(iii)はD_0を虚軸方向にhだけ平行移動したものがD_hであることを用い,Aのx方向の制限は常に満たされることを確認したうえで,D_hを高さyで切った幅の関数(三角形状)を4≦y≦6で積み上げた面積を,hの位置による場合分けと台形・三角形の面積公式(二次関数)で求め,二次関数の頂点(最大値)としてh=5でS(h)=6が最大であることを示す。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) r1=(1−t)p1+t q1(1)\space{}r_{1}=(1-t)p_{1}+t\,q_{1}
    (2)(i) ∣−2+2i∣=22,arg⁡(−2+2i)=34π\displaystyle (2)(\mathrm{i})\space{}|-2+2i|=2\sqrt{2},\quad \arg(-2+2i)=\dfrac{3}{4}\pi
    (2)(ii) D0 (2)(\mathrm{ii})\space{}D_{0}\space{} は 0, -2+2i, -4, -2-2i を頂点とする正方形で, ∣x+2∣+∣y∣≦2 \space{}|x+2|+|y|\leqq 2\space{} (中心(-2,0), 対角線の長さ4)
    (2)(iii) S(h) (2)(\mathrm{iii})\space{}S(h)\space{} の最大値は 6 (h=5 \space{}6\space{}(h=5\space{} のとき)

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) P,Q,RP,Q,R を表す複素数 p,q,rp,q,r について,点 RR が線分 PQPQ を t:(1−t)t:(1-t) に内分することから r=(1−t)p+tqr=(1-t)p+tq である。これに p1=αp+β, q1=αq+β, r1=αr+βp_1=\alpha p+\beta,\ q_1=\alpha q+\beta,\ r_1=\alpha r+\beta を用いて r1r_1 を計算すると, r1=αr+β=α{(1−t)p+tq}+β=(1−t)(αp+β)+t(αq+β)r_1=\alpha r+\beta=\alpha\{(1-t)p+tq\}+\beta =(1-t)(\alpha p+\beta)+t(\alpha q+\beta) となる(β\beta の係数が (1−t)+t=1(1-t)+t=1 になることを用いた)。ゆえに r1=(1−t)p1+tq1.r_1=(1-t)p_1+tq_1. (検算)t=0t=0 とすると R=PR=P であるべきで,上式は r1=p1r_1=p_1 となり整合する。t=1t=1 でも同様に r1=q1r_1=q_1 となり整合する。

(2)(i) −2+2i-2+2i について, ∣−2+2i∣=(−2)2+22=8=22.|-2+2i|=\sqrt{(-2)^2+2^2}=\sqrt{8}=2\sqrt{2}. 実部が負,虚部が正であるから偏角は第2象限にあり, tan⁡θ=2−2=−1,θ=π−π4=34π\displaystyle \tan\theta=\frac{2}{-2}=-1,\qquad \theta=\pi-\frac{\pi}{4}=\frac{3}{4}\pi (0≦θ<2π0\leqq\theta<2\pi の範囲でこれが一意に定まる)。

(2)(ii) zz が 0, 1, 1+i, i0,\ 1,\ 1+i,\ i を頂点とする正方形の周を動くとき,w=(−2+2i)zw=(-2+2i)z(h=0h=0)の像を,各頂点について計算する。 z=0 ⟼ w=0,z=1 ⟼ w=−2+2i,z=1+i ⟼ w=(−2+2i)(1+i)=−2−2i+2i+2i2=−4,z=i ⟼ w=(−2+2i)i=−2i+2i2=−2−2i.\begin{aligned} z=0 &\ \longmapsto\ w=0,\\ z=1 &\ \longmapsto\ w=-2+2i,\\ z=1+i &\ \longmapsto\ w=(-2+2i)(1+i)=-2-2i+2i+2i^2=-4,\\ z=i &\ \longmapsto\ w=(-2+2i)i=-2i+2i^2=-2-2i. \end{aligned} w=(−2+2i)zw=(-2+2i)z は原点を中心とする「222\sqrt2 倍の拡大」と「34π\displaystyle \dfrac{3}{4}\pi の回転」を合成した相似変換(一次変換)であるから,正方形の像もまた正方形であり,頂点の順序も保たれる。したがって D0D_0 は 0, −2+2i, −4, −2−2i0,\ -2+2i,\ -4,\ -2-2i を頂点とする正方形である。実際,隣り合う辺のベクトルは (−2,2)(-2,2) と (−2,−2)(-2,-2) で,内積は (−2)(−2)+(2)(−2)=0(-2)(-2)+(2)(-2)=0 となり直交し,長さはいずれも (−2)2+22=22\sqrt{(-2)^2+2^2}=2\sqrt2 で等しいので,正方形であることが確認できる。

対角線は 00 と −4-4 を結ぶ線分(実軸方向,長さ44)と,−2+2i-2+2i と −2−2i-2-2i を結ぶ線分(虚軸方向,長さ44)で,ともに中点 (−2,0)(-2,0) で直交に交わる。ゆえに D0D_0 は中心 (−2,0)(-2,0),対角線の長さ44の正方形(対角線が座標軸に平行な「ひし形状」の正方形)で,方程式で表すと D0: ∣x+2∣+∣y∣≦2.D_0:\ |x+2|+|y|\leqq 2. 概形は,点 (0,0), (−2,2), (−4,0), (−2,−2)(0,0),\ (-2,2),\ (-4,0),\ (-2,-2) を頂点とし,これらを順に線分で結んだ正方形(各辺は座標軸に対して 45∘45^\circ 傾いている)である。

(2)(iii) w=(−2+2i)z+hiw=(-2+2i)z+hi であるから,DhD_h は D0D_0 を虚軸方向(yy 軸方向)に hh だけ平行移動した図形である。よって DhD_h は中心 (−2,h)(-2,h),対角線の長さ44の正方形で, Dh: ∣x+2∣+∣y−h∣≦2,D_h:\ |x+2|+|y-h|\leqq 2, 頂点は (0,h), (−2,h+2), (−4,h), (−2,h−2)(0,h),\ (-2,h+2),\ (-4,h),\ (-2,h-2) である。

DhD_h の xx 座標は常に −4≦x≦0-4\leqq x\leqq 0 の範囲にあり,これは AA の条件 −5≦x≦5-5\leqq x\leqq5 に常に含まれる。したがって AA と DhD_h の共通部分は,xx の制限では切られず,yy の範囲 4≦y≦64\leqq y\leqq 6 とだけ関係する。

DhD_h を高さ yy で水平に切った切り口(xx 方向の幅)は,∣x+2∣≦2−∣y−h∣|x+2|\leqq 2-|y-h| より w(y)={4−2∣y−h∣(h−2≦y≦h+2)0(それ以外)w(y)= \begin{cases} 4-2|y-h| & (h-2\leqq y\leqq h+2)\\[2pt] 0 & (\text{それ以外}) \end{cases} である(y=hy=h で最大幅 44,y=h±2y=h\pm2 で幅 00 の三角形状の分布)。S(h)S(h) はこの w(y)w(y) を 4≦y≦64\leqq y\leqq6 の範囲で積み上げた面積(台形・三角形の面積の和)である。

以下,hh の位置で場合分けする。

(ア) h≦2h\leqq 2 または h≧8h\geqq 8 のとき

DhD_h の yy の範囲 h−2≦y≦h+2h-2\le y\le h+2 と 4≦y≦64\le y\le6 が交わらないか,一点でしか接しないので S(h)=0S(h)=0。

(イ) 2<h≦42< h\leqq 4 のとき

このとき h+2≦6h+2\leqq 6 なので,共通部分の yy の範囲は 4≦y≦h+24\le y\le h+2 で,y≧hy\geqq h の側だけを使う。両端の幅は w(h+2)=0,w(4)=4−2(h−4)=2h−4 (>0).w(h+2)=0,\qquad w(4)=4-2(h-4)=2h-4\ (>0). これは底辺 (h+2)−4=h−2(h+2)-4=h-2,高さ 2h−42h-4 の直角三角形の面積なので S(h)=12(h−2)(2h−4)=(h−2)2.\displaystyle S(h)=\frac12(h-2)(2h-4)=(h-2)^2. これは 2<h≦42<h\leqq4 で単調増加,h=4h=4 で S(4)=4S(4)=4。

(ウ) 6≦h<86\leqq h< 8 のとき

(イ)と対称に,共通部分は h−2≦y≦6h-2\le y\le6 で S(h)=(8−h)2S(h)=(8-h)^2 となり,6≦h<86\leqq h<8 で単調減少,h=6h=6 で S(6)=4S(6)=4。

(エ) 4<h<64< h< 6 のとき(山の頂点 y=hy=h が 4≦y≦64\le y\le6 の内部にある場合)

h−2<4h-2<4 かつ h+2>6h+2>6 なので,共通部分は 4≦y≦64\le y\le6 全体であり,y=hy=h で二つの台形に分けて計算する。

・ 4≦y≦h4\leqq y\leqq h の部分:両端の幅 w(4)=4−2(h−4)=12−2hw(4)=4-2(h-4)=12-2h,w(h)=4w(h)=4,幅 h−4h-4 の台形。 S1=12{(12−2h)+4}(h−4)=(8−h)(h−4).\displaystyle S_1=\frac12\{(12-2h)+4\}(h-4)=(8-h)(h-4).

・ h≦y≦6h\leqq y\leqq 6 の部分:両端の幅 w(h)=4w(h)=4,w(6)=4−2(6−h)=2h−8w(6)=4-2(6-h)=2h-8,幅 6−h6-h の台形。 S2=12{4+(2h−8)}(6−h)=(h−2)(6−h).\displaystyle S_2=\frac12\{4+(2h-8)\}(6-h)=(h-2)(6-h).

よって S(h)=S1+S2=(8−h)(h−4)+(h−2)(6−h).S(h)=S_1+S_2=(8-h)(h-4)+(h-2)(6-h). 展開すると (8−h)(h−4)=−h2+12h−32,(h−2)(6−h)=−h2+8h−12(8-h)(h-4)=-h^2+12h-32,\qquad (h-2)(6-h)=-h^2+8h-12 なので S(h)=−2h2+20h−44=−2(h−5)2+6.S(h)=-2h^2+20h-44=-2(h-5)^2+6. これは 4<h<64<h<6 における(そして境界を含めても)h=5h=5 で最大値 66 をとる二次関数である。

(境界での連続性の検算)h→4h\to4 で −2(4−5)2+6=4-2(4-5)^2+6=4,(イ)の S(4)=4S(4)=4 と一致。h→6h\to6 で −2(6−5)2+6=4-2(6-5)^2+6=4,(ウ)の S(6)=4S(6)=4 と一致し,各場合の式が矛盾なくつながっている。

以上,(イ)(ウ)では S(h)≦4S(h)\leqq4,(エ)では S(h)=−2(h−5)2+6≦6S(h)=-2(h-5)^2+6\leqq6 で等号は h=5h=5 のときに限る。ゆえに S(h) の最大値は 6(h=5 のとき)\boxed{S(h)\ \text{の最大値は}\ 6\quad(h=5\ \text{のとき})} である。

この問題で使う考え方

  • 二次関数の最大・最小
  • 内分・外分点
  • 複素数平面
  • 複素数の極形式

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