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愛媛大学/2018年度/前期

愛媛大学 2018年 数学 第5問解答・解説

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1問題

愛媛大学2018年度第5問

(教育学部・農学部・理学部・工学部・医学部)

袋に赤玉が4個入っている。AさんとBさんは、次の手順1から手順3までを1回の操作とし、この操作を反復する。ただし、Bさんの手元には白玉と赤玉がたくさんあるとする。

手順1 Aさんは袋から無作為に玉を1個取り出し、玉の色を確認せずに、Bさんにその玉をわたす。

手順2 Bさんは、Aさんから受け取った玉が白玉ならば赤玉に、赤玉ならば白玉に取り換えて袋にもどす。

手順3 Bさんは袋の中を確認し、すべての玉が同じ色ならば終了を宣言し、すべての操作を終了する。すべての玉の色が同じでなければ、手順1にもどる。

自然数 nn に対して、操作が nn 回行われ、かつ nn 回目の操作後に袋の中の白玉の数が1個、2個、3個である確率をそれぞれ pn,qn,rnp_n,q_n,r_n とする。次の問いに答えよ。

(1) p1,q1,r1p_1,q_1,r_1 および p2,q2,r2p_2,q_2,r_2 を求めよ。

(2) pn+1,qn+1,rn+1p_{n+1},q_{n+1},r_{n+1} を pn,qn,rnp_n,q_n,r_n を用いて表せ。

(3) ちょうど nn 回目の操作で終了する確率 sns_n を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) (p1,q1,r1)=(1,0,0),(p2,q2,r2)=(0,34,0)\displaystyle (p_1,q_1,r_1)=(1,0,0),\quad(p_2,q_2,r_2)=\left(0,\frac34,0\right)
    (2) pn+1=12qn,qn+1=34(pn+rn),rn+1=12qn\displaystyle p_{n+1}=\frac12q_n,\quad q_{n+1}=\frac34(p_n+r_n),\quad r_{n+1}=\frac12q_n
    (3) nnが奇数のとき sn=0s_n=0; nnが偶数のとき sn=13(34)n/2\displaystyle s_n=\frac13\left(\frac34\right)^{n/2}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

状況設定

袋の中の玉の総数は常に4個である。手順1でAさんが取り出した玉は,手順2でBさんが色を取り換えたのち必ず袋に戻されるため,操作によって袋の中の玉の総数は変化しない。nn回目の操作直後の袋の中の白玉の個数をwnw_nとおく(w0=0w_0=0は操作前の初期状態,赤玉4個の状態)。このときwnw_n は 0,1,2,3,40,1,2,3,4 のいずれかであり,赤玉の個数は4−wn4-w_nである。

手順3の終了宣言は,ある操作の直後にwn=0w_n=0またはwn=4w_n=4(すべて同色)となったときに下され,wnw_n が 1,2,31,2,3 のいずれかであれば操作は手順1から反復される。なお,操作前の初期状態(w0=0w_0=0)自体はすでに同色であるが,一連の操作は必ず手順1から開始され,手順3による終了判定は操作を行った直後にのみ行われる。したがって1回目の操作は必ず実行される。

1回の操作における遷移確率

wn=ww_n=wのとき,手順1で取り出す玉は袋の中の4個から無作為の1個だから,白玉を取り出す確率はw4\displaystyle \dfrac{w}{4},赤玉を取り出す確率は4−w4\displaystyle \dfrac{4-w}{4}である。手順2により,白玉を取り出せば赤玉に取り換えるので白玉は1個減り(wn+1=w−1w_{n+1}=w-1),赤玉を取り出せば白玉に取り換えるので白玉は1個増える(wn+1=w+1w_{n+1}=w+1)。すなわち P(wn+1=w−1∣wn=w)=w4,P(wn+1=w+1∣wn=w)=4−w4.\displaystyle P(w_{n+1}=w-1\mid w_n=w)=\frac{w}{4},\qquad P(w_{n+1}=w+1\mid w_n=w)=\frac{4-w}{4}. w=1,2,3w=1,2,3について書き下すと w=1: →0(14), →2(34);w=2: →1(12), →3(12);w=3: →2(34), →4(14).\displaystyle w=1:\ \to0\left(\tfrac14\right),\ \to2\left(\tfrac34\right);\qquad w=2:\ \to1\left(\tfrac12\right),\ \to3\left(\tfrac12\right);\qquad w=3:\ \to2\left(\tfrac34\right),\ \to4\left(\tfrac14\right).

(1) p1,q1,r1p_1,q_1,r_1 と p2,q2,r2p_2,q_2,r_2

1回目の操作の直前,袋の中は赤玉4個・白玉0個(w0=0w_0=0)である。手順1で取り出す玉は必ず赤玉だから,手順2で必ず白玉に取り換えられ,w1=1w_1=1が確率1で起こる(同色でないので操作はここで終了しない)。よって p1=1,q1=0,r1=0.p_1=1,\qquad q_1=0,\qquad r_1=0. 2回目の操作の直前はw1=1w_1=1(白玉1個・赤玉3個)である。w=1w=1の遷移により,確率14\displaystyle \frac14でw2=0w_2=0(すべて赤玉,終了),確率34\displaystyle \frac34でw2=2w_2=2となる。1回の操作でwwは±1\pm1としか変化しないからw2=1w_2=1やw2=3w_2=3は起こらない。よって p2=0,q2=34,r2=0.\displaystyle p_2=0,\qquad q_2=\frac34,\qquad r_2=0.

(2) pn+1,qn+1,rn+1p_{n+1},q_{n+1},r_{n+1}

wnw_n が 1,2,31,2,3 のいずれか(操作継続中)のとき,上の遷移確率により,wn+1=1w_{n+1}=1となるのはwn=2w_n=2から確率12\displaystyle \frac12で遷移する場合に限られ,wn+1=3w_{n+1}=3となるのも同じくwn=2w_n=2から確率12\displaystyle \frac12で遷移する場合に限られる。またwn+1=2w_{n+1}=2となるのはwn=1w_n=1から確率34\displaystyle \frac34,またはwn=3w_n=3から確率34\displaystyle \frac34で遷移する場合である。したがって pn+1=12qn,qn+1=34(pn+rn),rn+1=12qn(n=1,2,3,… ).\displaystyle p_{n+1}=\frac12q_n,\qquad q_{n+1}=\frac34(p_n+r_n),\qquad r_{n+1}=\frac12q_n\qquad(n=1,2,3,\dots). 特に任意のn (≧1)n\ (\ge1)についてpn+1=rn+1p_{n+1}=r_{n+1}が成り立つ。

(3) ちょうどnn回目の操作で終了する確率sns_n

w=1w=1から赤玉への取り換え(w→0w\to0,確率14\displaystyle \frac14)とw=3w=3から白玉への取り換え(w→4w\to4,確率14\displaystyle \frac14)によってのみ操作は終了しうる。よってn≧2n\ge2のとき sn=14(pn−1+rn−1).\displaystyle s_n=\frac14(p_{n-1}+r_{n-1}). また(1)よりw1=1w_1=1は同色でないから終了は起こらずs1=0s_1=0である。

(2)よりn≧2n\ge2ではpn=rn=12qn−1\displaystyle p_n=r_n=\frac12q_{n-1}であるから,n≧2n\ge2のときpn+rn=qn−1p_n+r_n=q_{n-1}。これをqn+1=34(pn+rn)\displaystyle q_{n+1}=\frac34(p_n+r_n)に代入すると qn+1=34qn−1(n≧2).\displaystyle q_{n+1}=\frac34q_{n-1}\qquad(n\ge2). 奇数番目:q1=0q_1=0より,この漸化式でq3=34q1=0, q5=34q3=0,…\displaystyle q_3=\frac34q_1=0,\ q_5=\frac34q_3=0,\dotsとなり,すべての奇数nnでqn=0q_n=0。

偶数番目:q2=34\displaystyle q_2=\frac34であり,同じ漸化式よりq2kq_{2k}は公比34\displaystyle \frac34の等比数列をなすから q2k=(34)k(k=1,2,3,… ).\displaystyle q_{2k}=\left(\frac34\right)^{k}\qquad(k=1,2,3,\dots). これとpn=rn=12qn−1 (n≧2)\displaystyle p_n=r_n=\frac12q_{n-1}\ (n\ge2)より,n=2k+1 (k≧1)n=2k+1\ (k\ge1)のとき p2k+1=r2k+1=12q2k=12(34)k,\displaystyle p_{2k+1}=r_{2k+1}=\frac12q_{2k}=\frac12\left(\frac34\right)^{k}, n=2k (k≧1)n=2k\ (k\ge1)のときp2k=r2k=12q2k−1=0\displaystyle p_{2k}=r_{2k}=\frac12q_{2k-1}=0である。

以上よりsns_nを求める。nnが奇数のとき,n−1≧2n-1\ge2は偶数でpn−1=rn−1=0p_{n-1}=r_{n-1}=0だからsn=0s_n=0(n=1n=1もs1=0s_1=0)。

n=2m (m≧1)n=2m\ (m\ge1)のとき,n−1=2m−1n-1=2m-1は奇数である。m=1m=1ではp1+r1=1+0=1p_1+r_1=1+0=1(特別な初期値)よりs2=14(1)=14\displaystyle s_2=\frac14(1)=\frac14。m≧2m\ge2ではk=m−1≧1k=m-1\ge1としてpn−1+rn−1=2⋅12(34)m−1=(34)m−1\displaystyle p_{n-1}+r_{n-1}=2\cdot\frac12\left(\frac34\right)^{m-1}=\left(\frac34\right)^{m-1}よりs2m=14(34)m−1=13(34)m\displaystyle s_{2m}=\frac14\left(\frac34\right)^{m-1}=\frac13\left(\frac34\right)^{m}。m=1m=1の場合も13(34)1=14\displaystyle \frac13\left(\frac34\right)^1=\frac14となり同じ式で表せるから,すべてのm≧1m\ge1について s2m=13(34)m.\displaystyle s_{2m}=\frac13\left(\frac34\right)^{m}. したがって sn={0(nが奇数のとき)13(34)n/2(nが偶数のとき)\displaystyle s_n=\begin{cases}0 & (n\text{が奇数のとき})\\[4pt] \dfrac13\left(\dfrac34\right)^{n/2} & (n\text{が偶数のとき})\end{cases}

検算

(2)の漸化式にn=1n=1を代入するとp2=12q1=0, q2=34(p1+r1)=34, r2=12q1=0\displaystyle p_2=\frac12q_1=0,\ q_2=\frac34(p_1+r_1)=\frac34,\ r_2=\frac12q_1=0となり,(1)の直接計算と一致する。また ∑m=1∞s2m=13∑m=1∞(34)m=13⋅3/41−3/4=1\displaystyle \sum\limits _{m=1}^{\infty}s_{2m}=\frac13\sum\limits _{m=1}^{\infty}\left(\frac34\right)^{m}=\frac13\cdot\frac{3/4}{1-3/4}=1 であり,奇数項のsns_nがすべて0であることと合わせて全確率が1になる。これは操作がいつか必ず終了することと矛盾せず,計算の妥当性を裏付ける。

この問題で使う考え方

  • 確率の基本法則
  • 漸化式
  • 等比数列の一般項と和

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