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岐阜大学/2016年度

岐阜大学 2016年 数学 第4問解答・解説

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1問題

岐阜大学2016年度第4問

n を正の整数とする。Sₙ = ∑_{k=1}ⁿ 1/(k·2ᵏ) とおく。以下の問に答えよ。ただし,log は自然対数を表す。

(1) 1 + x + x² + ... + xⁿ⁻¹ = 1/(1 − x) − xⁿ/(1 − x) を数学的帰納法を用いて証明せよ。ただし,x ≠ 1 とする。

(2) ∫₀^(1/2) (1 + x + x² + ... + xⁿ⁻¹) dx = log 2 − ∫₀^(1/2) xⁿ/(1 − x) dx を示せ。

(3) Sₙ = log 2 − ∫₀^(1/2) xⁿ/(1 − x) dx を示せ。

(4) 0 ≦ ∫₀^(1/2) xⁿ/(1 − x) dx ≦ (1/2ⁿ) log 2 を示せ。

(5) lim⁡n→∞\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}Sₙ = 1/(1·2) + 1/(2·2²) + 1/(3·2³) + ... の値を求めよ。 (配点比率 20 %)

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)  1+x+⋯+xn−1=1−xn1−x.\displaystyle (1)\;1+x+\cdots+x^{n-1}=\dfrac{1-x^n}{1-x}.
    (2)  ∫01/2∑j=0n−1xj dx=log⁡2−∫01/2xn1−x dx.\displaystyle (2)\;\int_0^{1/2}\sum\limits _{j=0}^{n-1}x^j\,dx=\log2-\int_0^{1/2}\dfrac{x^n}{1-x}\,dx.
    (3)  Sn=log⁡2−∫01/2xn1−x dx.\displaystyle (3)\;S_n=\log2-\int_0^{1/2}\dfrac{x^n}{1-x}\,dx.
    (4)  0≦∫01/2xn1−x dx≦log⁡22n.\displaystyle (4)\;0\leq\int_0^{1/2}\dfrac{x^n}{1-x}\,dx\leq\dfrac{\log2}{2^n}.
    (5)  ∑k=1∞1k2k=log⁡2.\displaystyle (5)\;\sum\limits _{k=1}^{\infty}\dfrac1{k2^k}=\log2.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) n=1n=1 のとき、両辺はともに 11 である。n=mn=m で等式が成り立つと仮定すると 1+x+⋯+xm−1=1−xm1−x.\displaystyle 1+x+\cdots+x^{m-1}=\frac{1-x^m}{1-x}. よって 1+x+⋯+xm−1+xm=1−xm1−x+xm=1−xm+11−x.\displaystyle 1+x+\cdots+x^{m-1}+x^m =\frac{1-x^m}{1-x}+x^m =\frac{1-x^{m+1}}{1-x}. したがって、数学的帰納法により、すべての正の整数 nn について 1+x+⋯+xn−1=1−xn1−x=11−x−xn1−x\displaystyle 1+x+\cdots+x^{n-1}=\frac{1-x^n}{1-x}=\frac1{1-x}-\frac{x^n}{1-x} が成り立つ(x≠1x\ne1)。

(2) (1) の両辺を 00 から 12\displaystyle \dfrac12 まで積分すると ∫01/2(1+x+⋯+xn−1) dx=∫01/211−x dx−∫01/2xn1−x dx=[−log⁡(1−x)]01/2−∫01/2xn1−x dx=log⁡2−∫01/2xn1−x dx.\displaystyle \begin{aligned} \int_0^{1/2}(1+x+\cdots+x^{n-1})\,dx &=\int_0^{1/2}\frac{1}{1-x}\,dx-\int_0^{1/2}\frac{x^n}{1-x}\,dx\\ &=\bigl[-\log(1-x)\bigr]_0^{1/2}-\int_0^{1/2}\frac{x^n}{1-x}\,dx\\ &=\log2-\int_0^{1/2}\frac{x^n}{1-x}\,dx. \end{aligned}

(3) 有限和の各項を積分すると ∫01/2(1+x+⋯+xn−1) dx=∑j=0n−1(1/2)j+1j+1=∑k=1n1k⋅2k=Sn.\displaystyle \int_0^{1/2}(1+x+\cdots+x^{n-1})\,dx =\sum\limits _{j=0}^{n-1}\frac{(1/2)^{j+1}}{j+1} =\sum\limits _{k=1}^n\frac1{k\cdot2^k}=S_n. これと (2) より Sn=log⁡2−∫01/2xn1−x dx.\displaystyle S_n=\log2-\int_0^{1/2}\frac{x^n}{1-x}\,dx.

(4) 0≦x≦12\displaystyle 0\leq x\leq\dfrac12 では 0≦xn≦2−n0\leq x^n\leq2^{-n} かつ 1/(1−x)>01/(1-x)>0 なので、積分は0以上である。また 0≦xn1−x≦2−n1−x\displaystyle 0\leq\frac{x^n}{1-x}\leq\frac{2^{-n}}{1-x} より 0≦∫01/2xn1−x dx≦12n∫01/211−x dx=log⁡22n.\displaystyle 0\leq\int_0^{1/2}\frac{x^n}{1-x}\,dx \leq\frac1{2^n}\int_0^{1/2}\frac{1}{1-x}\,dx =\frac{\log2}{2^n}.

(5) (3), (4) から 0≦log⁡2−Sn≦log⁡22n.\displaystyle 0\leq\log2-S_n\leq\frac{\log2}{2^n}. 右端は n→∞n\to\infty で0に収束するので、はさみうちの原理により lim⁡n→∞Sn=log⁡2.\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}S_n=\log2. したがって 11⋅2+12⋅22+13⋅23+⋯=log⁡2.\displaystyle \boxed{\frac1{1\cdot2}+\frac1{2\cdot2^2}+\frac1{3\cdot2^3}+\cdots=\log2}.

この問題で使う考え方

  • 等比数列の一般項と和
  • 数学的帰納法
  • 三角・指数・対数関数等の積分
  • 不定積分・定積分の性質
  • 数列の極限

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