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弘前大学/2013年度

弘前大学 2013年 数学 第6問解答・解説

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1問題

弘前大学2013年度第6問

行列 A=(abcd)A=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix} に対して D(A)=ad−bc,T(A)=a+dD(A)=ad-bc,\quad T(A)=a+d と定める。実数 x, y に対して行列 X を X=(x11y)X=\begin{pmatrix}x&1\\1&y\end{pmatrix} とおき,行列 E を E=(1001)E=\begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix} とし,行列 O を O=(0000)O=\begin{pmatrix}0&0\\0&0\end{pmatrix} とする。このとき,次の問いに答えよ。

(1) 行列 A=(abcd)A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} に対して等式 A2−T(A)A+D(A)E=OA^{2} - T(A)A + D(A)E = O が成り立つことを証明せよ。

(2) D(X)<0D(X) < 0 かつ T(X)>0T(X) > 0 となる (x,y)(x, y) の領域を図示せよ。

(3) X が逆行列をもたないとき, T(X2n)T(X^{2n}) の最小値を n を用いて表せ。ただし, n は正の整数である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) A2−T(A)A+D(A)E=OA^2-T(A)A+D(A)E=O。 (2) {(x,y): x+y>0x+y>0, xy<1xy<1}(境界を含まない)。 (3) 最小値4n4^n、等号は(x,y)=(1,1), (−1,−1)(x,y)=(1,1),\ (-1,-1)。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)A2=(a2+bcb(a+d)c(a+d)d2+bc),T(A)A=(a(a+d)b(a+d)c(a+d)d(a+d)),D(A)E=(ad−bc00ad−bc).\begin{aligned} \text{(1)}\quad A^2&=\begin{pmatrix}a^2+bc&b(a+d)\\c(a+d)&d^2+bc\end{pmatrix},\quad T(A)A=\begin{pmatrix}a(a+d)&b(a+d)\\c(a+d)&d(a+d)\end{pmatrix},\\ D(A)E&=\begin{pmatrix}ad-bc&0\\0&ad-bc\end{pmatrix}. \end{aligned} したがって、各成分を引き算すると A2−T(A)A+D(A)E=(a2+bc−a(a+d)+ad−bcb(a+d)−b(a+d)c(a+d)−c(a+d)d2+bc−d(a+d)+ad−bc)=O.A^2-T(A)A+D(A)E= \begin{pmatrix} a^2+bc-a(a+d)+ad-bc&b(a+d)-b(a+d)\\ c(a+d)-c(a+d)&d^2+bc-d(a+d)+ad-bc \end{pmatrix}=O.

(2)D(X)=xy−1<0であるための必要十分条件はxy<1,T(X)=x+y>0であるための必要十分条件はy>−x.\text{(2)}\quad D(X)=xy-1<0\text{であるための必要十分条件は} xy<1,\qquad T(X)=x+y>0\text{であるための必要十分条件は} y>-x. よって求める領域は y>−x,xy<1.これらを同時に満たす点 (x,y) の領域である。y>-x,\qquad xy<1.\qquad\text{これらを同時に満たす点 $(x,y)$ の領域である。} 直線 y=−xy=-x の上側のうち、第一象限では双曲線 y=1/xy=1/x より下側を塗る。第二・第四象限で y>−xy>-x を満たす点は xy≦0<1xy\le0<1 なので全て領域に含まれる。直線 y=−xy=-x と双曲線 xy=1xy=1 は境界として含まれない。正の座標軸上の点は原点を除いて含まれる。

(3)D(X)=xy−1=0\text{(3)}\quad D(X)=xy-1=0 は、XX が逆行列をもたないことから従う。(1)を A=XA=X に適用すると X2−T(X)X+D(X)E=OX^2-T(X)X+D(X)E=O より X2=tXX^2=tX(ただし t=T(X)=x+yt=T(X)=x+y)。したがって k≧1k\ge1 について帰納的に Xk=tk−1XX^k=t^{k-1}X であり、 T(X2n)=t2n−1T(X)=t2n.T(X^{2n})=t^{2n-1}T(X)=t^{2n}. さらに xy=1xy=1 より t2=(x+y)2=(x−y)2+4xy=(x−y)2+4≧4.t^2=(x+y)^2=(x-y)^2+4xy=(x-y)^2+4\ge4. よって T(X2n)=(t2)n≧4nT(X^{2n})=(t^2)^n\ge4^n。等号は x=y=1x=y=1 または x=y=−1x=y=-1 のとき成立するから、最小値は 4n4^n である。

表題がy>−x, xy<1の座標図で、x軸とy軸の目盛はともに−4から4まで1刻み、原点Oは白丸である。赤い破線の直線y=−xと、第1象限の青い破線の双曲線xy=1が描かれ、直線の上側のうち第1象限では双曲線より下側の領域が水色に塗られている。図の下の凡例に、y=−xと第1象限のxy=1は含まないこと、正の座標軸は含むこと、白丸の原点は含まないことが示されている。

水色部分が求める領域。破線で示す直線および第一象限の双曲線は含まない。正の座標軸は含むが原点は含まない。表示窓の端は領域の境界ではない。

この問題で使う考え方

  • 2×2行列の成分計算
  • 行列のトレース・行列式の定義
  • 不等式と平方完成

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