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横浜市立大学/2013年度/前期

横浜市立大学 2013年 数学 第I問解答・解説

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1問題

横浜市立大学2013年度第I問

以下の問いに答えよ。ただし,解答のみを解答用紙の所定の欄に記入せよ。

(1) a,b,ca,b,cを実数として,A,B,CA,B,Cを A=a+b+c,B=a2+b2+c2,C=a3+b3+c3A=a+b+c,\quad B=a^{2}+b^{2}+c^{2},\quad C=a^{3}+b^{3}+c^{3} とおく。このときabcabcをA,B,CA,B,Cを用いて表せ (1)\boxed{(1)}。

(2) nnを自然数とする。このとき ∑k=0n−12nC2k+12k+2\displaystyle\sum\limits _{k=0}^{n-1}\frac{{}_{2n}C_{2k+1}}{2k+2} を求めよ (2)\boxed{(2)}。

(3) ボタンを押すとX,Y,Zいずれかの文字が画面に表示される機械がある。その機械では,XとYが表示される確率は,等しくかつZが表示される確率の2倍である,とする。いま,ボタンを5回続けて押す。このとき,(XYZYXのように)X,Y,Zすべての文字が少なくとも1回表示される確率を求めよ (3)\boxed{(3)}。

(4) 逆行列をもつ2次の正方行列AAが表す1次変換が,円 C:(x−1)2+(y−3)2=32C:(x-1)^{2}+(y-\sqrt{3})^{2}=3^{2} 上の点をCC上の点に移すとき,AAを求めよ (4)\boxed{(4)}。ただし,AAは単位行列と異なる行列とする。

(5) 定積分 ∫0π22sin⁡x+cos⁡x dx\displaystyle\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\frac{\sqrt{2}}{\sin x+\cos x}\,dx を求めよ (5)\boxed{(5)}。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)A3−3AB+2C6;\displaystyle (1)\quad \frac{A^3-3AB+2C}{6};
    (2)22n−12n+1;\displaystyle (2)\quad \frac{2^{2n}-1}{2n+1};
    (3)336625;\displaystyle (3)\quad \frac{336}{625};
    (4)(−12323212);\displaystyle (4)\quad \begin{pmatrix}-\frac12&\frac{\sqrt3}{2}\\[2pt]\frac{\sqrt3}{2}&\frac12\end{pmatrix};
    (5)ln⁡(3+22).(5)\quad \ln(3+2\sqrt2).

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) e2=ab+bc+cae_2=ab+bc+ca とおくと A2=B+2e2A^2=B+2e_2 より e2=(A2−B)/2e_2=(A^2-B)/2。また C=A3−3Ae2+3abcC=A^3-3Ae_2+3abc だから abc=C−A3+3A(A2−B)/23=A3−3AB+2C6.\displaystyle abc=\frac{C-A^3+3A(A^2-B)/2}{3}=\frac{A^3-3AB+2C}{6}.

(2) 二項係数の関係 (2n2k+1)2k+2=12n+1(2n+12k+2)\displaystyle \frac{\binom{2n}{2k+1}}{2k+2}=\frac{1}{2n+1}\binom{2n+1}{2k+2} を使う。(1+1)2n+1(1+1)^{2n+1} と (1−1)2n+1(1-1)^{2n+1} を加えると、二項係数の偶数番目の和は 22n2^{2n}。このうち k=0,…,n−1k=0,\ldots,n-1 の和は0番目を除いたものなので ∑k=0n−1(2n2k+1)2k+2=22n−12n+1.\displaystyle \sum\limits _{k=0}^{n-1}\frac{\binom{2n}{2k+1}}{2k+2}=\frac{2^{2n}-1}{2n+1}.

(3) ZZ の確率を qq とすると P(X)=P(Y)=2qP(X)=P(Y)=2q かつ 5q=15q=1。従って P(X)=P(Y)=2/5, P(Z)=1/5P(X)=P(Y)=2/5,\ P(Z)=1/5。どれかの文字が出ない事象に包除原理を適用して P(3種類すべて)=1−2(35)5−(45)5+2(25)5+(15)5=336625.\displaystyle \begin{aligned} P(\text{3種類すべて}) &=1-2\left(\frac35\right)^5-\left(\frac45\right)^5 +2\left(\frac25\right)^5+\left(\frac15\right)^5\\ &=\frac{336}{625}. \end{aligned}

(4) 中心を c=(1,3)\mathbf c=(1,\sqrt3)、AA の列を u,v\mathbf u,\mathbf v、d=Ac−c\mathbf d=A\mathbf c-\mathbf c とする。∣w∣=3|\mathbf w|=3 なら c±w\mathbf c\pm\mathbf w は円上なので、像が円上にある条件から ∣d+Aw∣2=∣d−Aw∣2=9.|\mathbf d+A\mathbf w|^2=|\mathbf d-A\mathbf w|^2=9. 差をとると d⋅Aw=0\mathbf d\cdot A\mathbf w=0。w=(3,0),(0,3)\mathbf w=(3,0),(0,3) とし、AA は逆行列をもつので、その二つの列ベクトルは平行でない。したがって d=0\mathbf d=0、すなわち Ac=cA\mathbf c=\mathbf c。同じ条件から ∣Aw∣=3|A\mathbf w|=3 がすべての ∣w∣=3|\mathbf w|=3 で成り立つ。w=(3,0),(0,3),(3/2,3/2)\mathbf w=(3,0),(0,3),(3/\sqrt2,3/\sqrt2) を代入すると、列ベクトルは長さ1で互いに直交する。 第1列を (p,r)(p,r) とすると、第2列は (−r,p)(-r,p) または (r,−p)(r,-p)。前者を Ac=cA\mathbf c=\mathbf c に代入すると p=1,r=0p=1,r=0、すなわち単位行列となり除外される。後者では p+3r=1,r−3p=3,p+\sqrt3r=1,\qquad r-\sqrt3p=\sqrt3, ゆえに p=−1/2,r=3/2p=-1/2,r=\sqrt3/2。従って A=(−12323212).\displaystyle A=\begin{pmatrix}-\dfrac12&\dfrac{\sqrt3}{2}\\[2pt]\dfrac{\sqrt3}{2}&\dfrac12\end{pmatrix}. この反射は中心 c\mathbf c を固定し、距離を保つので条件を満たす。

(5) u=x+π/4u=x+\pi/4 とおくと sin⁡x+cos⁡x=2sin⁡u\sin x+\cos x=\sqrt2\sin u なので ∫0π/22sin⁡x+cos⁡x dx=∫π/43π/4csc⁡u du=[ln⁡tan⁡u2]π/43π/4=ln⁡(3+22).\displaystyle \begin{aligned} \int_0^{\pi/2}\frac{\sqrt2}{\sin x+\cos x}\,dx &=\int_{\pi/4}^{3\pi/4}\csc u\,du\\ &=\left[\ln\tan\frac{u}{2}\right]_{\pi/4}^{3\pi/4} =\ln(3+2\sqrt2). \end{aligned}

この問題で使う考え方

  • 対称式の展開恒等式
  • 二項係数の添字変換・偶数項和
  • 余事象と包除原理
  • 成分・内積による円保存確認(2×2行列の基本成分計算)
  • 三角関数の平行移動と原始関数

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