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横浜市立大学/2013年度/前期

横浜市立大学 2013年 数学 第II問解答・解説

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1問題

横浜市立大学2013年度第II問

aaを正の定数とする。nnを0以上の整数とし,多項式Pn(x)P_{n}(x)をnn階微分を用いて Pn(x)=dndxn(x2−a2)n(n≧1),P0(x)=1\displaystyle P_{n}(x)=\frac{d^{n}}{dx^{n}}(x^{2}-a^{2})^{n}\quad(n\geq 1),\qquad P_{0}(x)=1 とおく。以下の問いに答えよ。

(1) n=2n=2およびn=3n=3に対して,P2(−a),P3(−a)P_{2}(-a),\quad P_{3}(-a)を求めよ。

(2) u=u(x)u=u(x),v=v(x)v=v(x)を何回でも微分可能な関数とする。そのとき,ライプニッツの公式 (uv)(n)=nC0u(n)v+nC1u(n−1)v′+⋯+nCku(n−k)v(k)+⋯+nCn−1u′v(n−1)+nCnuv(n)\displaystyle(uv)^{(n)}={}_{n}C_{0}u^{(n)}v+{}_{n}C_{1}u^{(n-1)}v'+\cdots+{}_{n}C_{k}u^{(n-k)}v^{(k)}+\cdots+{}_{n}C_{n-1}u'v^{(n-1)}+{}_{n}C_{n}uv^{(n)} を数学的帰納法を用いて証明せよ(ただし,n≧1n\geq 1)。ここで,w(k)w^{(k)}はw=w(x)w=w(x)の第kk次導関数を表し,またw(0)=ww^{(0)}=wとする。

(3) 一般のnnに対して,Pn(−a),Pn(a)P_{n}(-a),\quad P_{n}(a)を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)P2(−a)=8a2,P3(−a)=−48a3.(1)\quad P_2(-a)=8a^2,\quad P_3(-a)=-48a^3.
    (2)(uv)(n)=∑k=0n(nk)u(n−k)v(k).\displaystyle (2)\quad (uv)^{(n)}=\sum\limits _{k=0}^{n}\binom{n}{k}u^{(n-k)}v^{(k)}.
    (3)Pn(−a)=n!(−2a)n,Pn(a)=n!(2a)n.(3)\quad P_n(-a)=n!(-2a)^n,\quad P_n(a)=n!(2a)^n.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)n=2 のとき (x2−a2)2=x4−2a2x2+a4 だから P2(x)=12x2−4a2 となり、P2(−a)=8a2.n=3 のとき (x2−a2)3=x6−3a2x4+3a4x2−a6 だから P3(x)=120x3−72a2x となり、P3(−a)=−120a3+72a3=−48a3.(2) n=1 では積の微分法から (uv)′=u′v+uv′=∑k=01(1k)u(1−k)v(k) となる。n≧1 で (uv)(n)=∑k=0n(nk)u(n−k)v(k) が成立すると仮定する。これを微分し、積の微分法を各項に用いると (uv)(n+1)=∑k=0n(nk)u(n+1−k)v(k)+∑k=0n(nk)u(n−k)v(k+1)=u(n+1)v+∑j=1n((nj)+(nj−1))u(n+1−j)v(j)+uv(n+1). ここで 1≦j≦n に対して、(nj)+(nj−1)=n!j!(n−j)!+n!(j−1)!(n−j+1)!=(n+1)!j!(n+1−j)!=(n+1j). 両端の係数も (n+10)=(n+1n+1)=1 であるから、 (uv)(n+1)=∑j=0n+1(n+1j)u(n+1−j)v(j) を得る。ゆえに数学的帰納法により、公式はすべての n≧1 で成立する。(3) n≧1 とし、u(x)=(x−a)n, v(x)=(x+a)n とおく。(2) より Pn(x)=∑k=0n(nk)u(n−k)(x)v(k)(x). x=−a では k<n の項は v(k)(−a)=n!(n−k)!(−a+a)n−k=0 となり、k=n の項だけが残る。したがって Pn(−a)=u(−a)v(n)(−a)=(−2a)nn!=n!(−2a)n. x=a では k≧1 の項は u(n−k)(a)=n!k!(a−a)k=0 となり、k=0 の項だけが残る。よって Pn(a)=u(n)(a)v(a)=n!(2a)n. n=0 では P0(x)=1 であり、両式も 0!(−2a)0=0!(2a)0=1 となる。以上より結論は n≧0 で成立する。\displaystyle \text{(1)}\quad n=2\text{ のとき }(x^2-a^2)^2=x^4-2a^2x^2+a^4\text{ だから }P_2(x)=12x^2-4a^2\text{ となり、}P_2(-a)=8a^2.\quad n=3\text{ のとき }(x^2-a^2)^3=x^6-3a^2x^4+3a^4x^2-a^6\text{ だから }P_3(x)=120x^3-72a^2x\text{ となり、}P_3(-a)=-120a^3+72a^3=-48a^3.\quad \text{(2) }n=1\text{ では積の微分法から }(uv)'=u'v+uv'=\sum\limits _{k=0}^{1}\binom{1}{k}u^{(1-k)}v^{(k)}\text{ となる。}n\geq1\text{ で }(uv)^{(n)}=\sum\limits _{k=0}^{n}\binom{n}{k}u^{(n-k)}v^{(k)}\text{ が成立すると仮定する。これを微分し、積の微分法を各項に用いると }(uv)^{(n+1)}=\sum\limits _{k=0}^{n}\binom{n}{k}u^{(n+1-k)}v^{(k)}+\sum\limits _{k=0}^{n}\binom{n}{k}u^{(n-k)}v^{(k+1)}=u^{(n+1)}v+\sum\limits _{j=1}^{n}\left(\binom{n}{j}+\binom{n}{j-1}\right)u^{(n+1-j)}v^{(j)}+uv^{(n+1)}.\text{ ここで }1\leq j\leq n\text{ に対して、}\binom{n}{j}+\binom{n}{j-1}=\frac{n!}{j!(n-j)!}+\frac{n!}{(j-1)!(n-j+1)!}=\frac{(n+1)!}{j!(n+1-j)!}=\binom{n+1}{j}.\text{ 両端の係数も }\binom{n+1}{0}=\binom{n+1}{n+1}=1\text{ であるから、}\ (uv)^{(n+1)}=\sum\limits _{j=0}^{n+1}\binom{n+1}{j}u^{(n+1-j)}v^{(j)}\text{ を得る。ゆえに数学的帰納法により、公式はすべての }n\geq1\text{ で成立する。}\quad \text{(3) }n\geq1\text{ とし、}u(x)=(x-a)^n,\ v(x)=(x+a)^n\text{ とおく。(2) より }P_n(x)=\sum\limits _{k=0}^{n}\binom{n}{k}u^{(n-k)}(x)v^{(k)}(x).\text{ }x=-a\text{ では }k<n\text{ の項は }v^{(k)}(-a)=\frac{n!}{(n-k)!}(-a+a)^{n-k}=0\text{ となり、}k=n\text{ の項だけが残る。したがって }P_n(-a)=u(-a)v^{(n)}(-a)=(-2a)^n n!=n!(-2a)^n.\text{ }x=a\text{ では }k\geq1\text{ の項は }u^{(n-k)}(a)=\frac{n!}{k!}(a-a)^k=0\text{ となり、}k=0\text{ の項だけが残る。よって }P_n(a)=u^{(n)}(a)v(a)=n!(2a)^n.\text{ }n=0\text{ では }P_0(x)=1\text{ であり、両式も }0!(-2a)^0=0!(2a)^0=1\text{ となる。以上より結論は }n\geq0\text{ で成立する。}

この問題で使う考え方

  • 多項式の導関数
  • 積の微分
  • 数学的帰納法
  • 組合せ

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