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順天堂大学/2015年度/前期

順天堂大学 2015年 数学 第III問解答・解説

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1問題

順天堂大学2015年度第III問

[III][\mathrm{III}]  次の問いに答えよ。解答は専用の解答用紙に書くこと。

(1) 座標平面に三角形 ABCABC と1点 OO がある。ここで,OO を中心として ABCABC 上の任意の点 PP に対して,直線 OPOP 上の点 QQ で OP:OQ=1:tOP:OQ=1:t となる QQ の軌跡はどのような形になるか述べよ。

(2) OO を原点とし,放物線 y=x2+1y=x^2+1 上の任意の点 PP に対して直線 OPOP 上の点 QQ で OP:OQ=1:tOP:OQ=1:t となる QQ の軌跡を求めよ。

(3) 放物線 y=(x−a)2+by=(x-a)^2+b と y=1t(x−ta)2+tb\displaystyle y=\dfrac{1}{t}(x-ta)^2+tb について,直線 y=sxy=sx との交点を求めよ。ただし,0<t<10<t<1 とする。

(4) 放物線 y=x2+1y=x^2+1 に対して共通接線を1本しか持たないような放物線 y=a(x−b)2+cy=a(x-b)^2+c について,a,b,ca,b,c の条件を与えよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)(2) は、t>0\quad t>0\quad 、P≠O\quad P\ne O\quad の下で、原文の「直線 OP\quad OP\quad 上」を両方向に解釈した条件付きの答えである。

    (1) O\quad O\quad を中心とする倍率 +t\quad +t\quad と −t\quad -t\quad の相似像である2つの三角形の和集合。
    元の P\quad P\quad の範囲に O\quad O\quad が属する場合、像からも O\quad O\quad を除く。

    (2) 次の2本の放物線の和集合である。
    y=x2t+t\displaystyle \quad y=\frac{x^2}{t}+t\quadまたはy=−x2t−t(x∈R).\displaystyle \quad y=-\frac{x^2}{t}-t\qquad(x\in\mathbb R). \quad

    (3) 0<t<1\quad 0<t<1\quad とし、Δ=s2+4as−4b\quad \Delta=s^2+4as-4b\quad とおく。
    Δ>0\quad \Delta>0\quad のとき
    h±=a+s2±Δ2\displaystyle \quad h_\pm=a+\frac{s}{2}\pm\frac{\sqrt{\Delta}}{2} \quad
    とすれば、第1、第2の放物線との交点はそれぞれ
    (h±,sh±),(th±,sth±)\quad (h_\pm,sh_\pm),\qquad (th_\pm,sth_\pm) \quad
    の各2点である。
    Δ=0\quad \Delta=0\quad のときは h=a+s/2\quad h=a+s/2\quad として、それぞれ
    (h,sh),(th,sth)\quad (h,sh),\qquad(th,sth) \quad
    の各1点である。Δ<0\quad \Delta<0\quad のときは、いずれにも実交点はない。

    (4) 求める条件は、次のいずれかである。
    a=1,b≠0,\quad a=1,\quad b\ne0, \quad
    または
    a≠0,1,ab2=(1−a)(1−c).\quad a\ne0,1,\quad ab^2=(1-a)(1-c).

3解答

解答を見る途中式つきの解答

原文の条件について:原文の (1)(2) は「直線 OPOP 上」と指定しており、半直線とは指定していない。また 0<t<10<t<1 の明記は (3) のみにある。 以下の (1)(2) の主解は、長さの正の比として t>0t>0、かつ P≠OP\ne O の場合に、直線上の両方向を含めて述べる。 (1) で OO が PP の動く範囲に属すると、P=OP=O では直線 OPOP も比 OP:OQ=1:tOP:OQ=1:t も定まらない。その点を除いた範囲での軌跡を述べるのであって、原文にない定義を補わない。

(1) p=OP→\boldsymbol p=\overrightarrow{OP}、q=OQ→\boldsymbol q=\overrightarrow{OQ} とする。 QQ は直線 OPOP 上にあるので q=λp\boldsymbol q=\lambda\boldsymbol p と書ける。 OP>0OP>0 より OQ=∣λ∣OPOQ=|\lambda|OP だから、長さの比から ∣λ∣=t|\lambda|=t となる。 したがって q=tpまたはq=−tp.\boldsymbol q=t\boldsymbol p\quad\text{または}\quad\boldsymbol q=-t\boldsymbol p. 各頂点 X=A,B,CX=A,B,C に対して OX+→=tOX→\overrightarrow{OX_+}=t\overrightarrow{OX}、OX−→=−tOX→\overrightarrow{OX_-}=-t\overrightarrow{OX} と定めると、求める軌跡は 三角形 A+B+C+ と三角形 A−B−C− の和集合\boxed{\text{三角形 }A_+B_+C_+\text{ と三角形 }A_-B_-C_-\text{ の和集合}} となる。ここで三角形上の点は元の PP の動く範囲に対応する点を取り、PP が辺上を動くなら像も辺上を動く。 いずれも元の三角形と相似比 tt で相似であり、2つの像は OO に関して点対称である。 ただし元の範囲に OO が属する場合には、上記の軌跡から OO を除く。t>0t>0 では P≠OP\ne O の像が OO になることはないからである。

(2) P=(u,u2+1)P=(u,u^2+1) とおく。u2+1>0u^2+1>0 より、この小問では常に P≠OP\ne O である。 直線 OPOP 上で長さの比を満たす2点は Q+=(tu,t(u2+1)),Q−=(−tu,−t(u2+1)).Q_+=(tu,t(u^2+1)),\qquad Q_-=(-tu,-t(u^2+1)). Q=(x,y)Q=(x,y) として uu を消去すると、それぞれ y=x2t+tまたはy=−x2t−t(x は実数, t>0)\displaystyle \boxed{y=\frac{x^2}{t}+t\quad\text{または}\quad y=-\frac{x^2}{t}-t\qquad(x\text{ は実数},\ t>0)} を得る。逆に各式の任意の点に対して、前者では u=x/tu=x/t、後者では u=−x/tu=-x/t とすれば条件を満たす PP が得られる。よって軌跡はこの2本の放物線の和集合である。

(1)(2) の条件付き注記:もし「OO から PP に向かう半直線上」という条件を追加するなら、q=tp\boldsymbol q=t\boldsymbol p の側だけとなる。 この追加条件の下では (1) は A+B+C+A_+B_+C_+、(2) は y=x2/t+ty=x^2/t+t のみとなるが、これは原文の主解とは区別する。 t=0t=0 を許すかは原文に明記がない。P≠OP\ne O の下で条件を OQ=t OPOQ=t\,OP として t=0t=0 まで拡張する約束を置けば、Q=OQ=O の1点に縮む。 一方、t<0t<0 は長さの比としては実現しない。これを負の相似比として扱うには有向量への定義変更が必要であり、原文からは採用しない。

(3) Δ=s2+4as−4b\Delta=s^2+4as-4b とおく。第1の放物線と y=sxy=sx の交点は (x−a)2+b=sxすなわちx2−(2a+s)x+(a2+b)=0.(x-a)^2+b=sx \quad\text{すなわち}\quad x^2-(2a+s)x+(a^2+b)=0. よって Δ>0\Delta>0 のとき x=a+s2±Δ2,y=sx\displaystyle x=a+\frac{s}{2}\pm\frac{\sqrt{\Delta}}2,\qquad y=sx の2点で交わる。Δ=0\Delta=0 なら x=a+s/2, y=sxx=a+s/2,\ y=sx の1点で接し,Δ<0\Delta<0 なら実交点はない。

第2の放物線では 1t(x−ta)2+tb=sxすなわちx2−t(2a+s)x+t2(a2+b)=0.\displaystyle \frac1t(x-ta)^2+tb=sx \quad\text{すなわち}\quad x^2-t(2a+s)x+t^2(a^2+b)=0. その判別式は t2Δt^2\Delta で,0<t<10<t<1 より符号は Δ\Delta と同じである。従って Δ>0\Delta>0 では x=t(a+s2±Δ2),y=sx\displaystyle x=t\left(a+\frac{s}{2}\pm\frac{\sqrt{\Delta}}2\right),\qquad y=sx の2点,Δ=0\Delta=0 では x=t(a+s/2), y=sxx=t(a+s/2),\ y=sx の1点,Δ<0\Delta<0 では実交点をもたない。

(4) 第1の放物線で傾き mm の接線は,接点の xx 座標が m/2m/2 なので y=mx+1−m24.\displaystyle y=mx+1-\frac{m^2}{4}. 第2の放物線で接点を x=b+vx=b+v とすると傾きは m=2avm=2av であり,接線は y=mx+c−bm−m24a.\displaystyle y=mx+c-bm-\frac{m^2}{4a}. 両者が一致する条件は (1−a)m2+4abm+4a(1−c)=0.(1-a)m^2+4abm+4a(1-c)=0. ここで a≠0a\ne0 は第2の式が放物線であるための条件である。a≠1a\ne1 ならこの二次方程式が重解をもつときに限り,異なる接線がちょうど1本となる。判別式を0とすると (4ab)2−16a(1−a)(1−c)=0すなわちab2=(1−a)(1−c).(4ab)^2-16a(1-a)(1-c)=0 \quad\text{すなわち}\quad ab^2=(1-a)(1-c). a=1a=1 のときは条件式が 4bm+4(1−c)=04bm+4(1-c)=0 となるので,b≠0b\ne0 なら傾きがただ1つ定まり,b=0b=0 では c≠1c\ne1 なら共通接線はなく,c=1c=1 なら二つの放物線は一致して接線が無数にある。以上より条件は a=1, b≠0またはa≠0,1, ab2=(1−a)(1−c)\boxed{a=1,\ b\ne0\quad\text{または}\quad a\ne0,1,\ ab^2=(1-a)(1-c)} である。

この問題で使う考え方

  • ベクトルの和・差・実数倍
  • 軌跡
  • 二次方程式の判別式
  • 接線の方程式

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