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金沢大学/2009年度

金沢大学 2009年 数学 第2問解答・解説

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1問題

金沢大学2009年度第2問

関数 f(t) は区間 [−1,1] で連続で、偶関数、すなわち f(−t)=f(t) であるとする。次の問いに答えよ。

(1) ∫−10\displaystyle \int_{-1}^{0}f(t)dt=∫01\displaystyle \int_{0}^{1}f(t)dt を示せ。

(2) 関数 F(x)=−∫_{−1}^{1}|t−x|f(t)dt (−1≦x≦1) について、F'(x)=−∫−1x\displaystyle \int_{-1}^{x}f(t)dt+∫x1\displaystyle \int_{x}^{1}f(t)dt および F''(x)=−2f(x) を示せ。

(3) 関数 f(x) は、さらに等式 f(x)=−∫_{−1}^{1}|t−x|f(t)dt (−1≦x≦1) を満たすとする。このとき、関数 g(x)=f(x)−f(0)cos(√2 x) について、g(0)=g'(0)=0 および (1/2{g'(x)}^2+g(x)^2)'=0 が成り立つことを示し、f(x)=f(0)cos(√2 x) を導け。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    ∫−10f(t)dt=∫01f(t)dt\displaystyle \int_{-1}^{0} f(t)dt = \int_{0}^{1} f(t)dt
  • (2)
    F′(x)=−∫−1xf(t)dt+∫x1f(t)dt,F″(x)=−2f(x)\displaystyle F′(x)=−\int_{-1}^{x}f(t)dt+\int_{x}^{1}f(t)dt, F″(x)=−2f(x)
  • (3)
    g(0)=g′(0)=0g(0)=g^{\prime}(0)=0;(12{g′(x)}2+g(x)2)′=0\displaystyle \left(\frac12\{g^{\prime}(x)\}^2+g(x)^2\right)^{\prime}=0;f(x)=f(0)cos⁡(2x)f(x)=f(0)\cos(\sqrt2x)。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 偶関数なので、置換 u=−tu=-t によって ∫−10f(t) dt=∫01f(−u) du=∫01f(u) du.\displaystyle \int_{-1}^{0}f(t)\,dt =\int_0^1 f(-u)\,du =\int_0^1f(u)\,du.

(2) 積分を −1≦t≦x-1\le t\le x と x≦t≦1x\le t\le1 に分けると F(x)=−∫−1x(x−t)f(t) dt−∫x1(t−x)f(t) dt.\displaystyle F(x)=-\int_{-1}^{x}(x-t)f(t)\,dt-\int_x^1(t-x)f(t)\,dt. 微分すると、積分端で生じる項はどちらも ∣t−x∣=0|t-x|=0 によって消え、 F′(x)=−∫−1xf(t) dt+∫x1f(t) dt.\displaystyle F'(x)=-\int_{-1}^{x}f(t)\,dt+\int_x^1f(t)\,dt. さらに微分して F′′(x)=−f(x)−f(x)=−2f(x).F''(x)=-f(x)-f(x)=-2f(x).

(3) 仮定から f=Ff=F だから、(2)より f′′=−2ff''=-2f である。したがって g(x)=f(x)−f(0)cos⁡(2x)g(x)=f(x)-f(0)\cos(\sqrt2 x) は g′′=−2gg''=-2g を満たす。また g(0)=0g(0)=0。(2)の式から ff は微分可能であり、偶関数であるから f′(0)=0f'(0)=0。よって g′(0)=0g'(0)=0 でもある。 (12{g′(x)}2+g(x)2)′=g′(x)g′′(x)+2g(x)g′(x)=g′(x)(−2g(x))+2g(x)g′(x)=0.\displaystyle \begin{aligned} \left(\frac12\{g'(x)\}^2+g(x)^2\right)' &=g'(x)g''(x)+2g(x)g'(x)\\ &=g'(x)(-2g(x))+2g(x)g'(x)=0. \end{aligned} この量は一定で、x=0x=0 での値は 00 である。したがって−1≦x≦1-1\le x\le1 を満たすすべての xx で 12{g′(x)}2+g(x)2=0.\displaystyle \frac12\{g'(x)\}^2+g(x)^2=0. 左辺は平方の和なので g(x)=0g(x)=0。ゆえに f(x)=f(0)cos⁡(2x).\boxed{f(x)=f(0)\cos(\sqrt2 x)}.

(1) は偶関数の定義と置換で示す。(2) は絶対値の中身の符号が変わる xx で積分を分けて微分する。(3) の積分方程式は(2)から微分方程式 f′′=−2ff^{\prime\prime}=-2f を与える。cos⁡(2x)\cos(\sqrt2x) も同じ微分方程式を満たすので差 gg を考えると、指定のエネルギーは一定で初期値が 00 になる。平方和が 00 であることから gg は恒等的に 00 となる。

この問題で使う考え方

  • 偶関数の置換
  • 積分区間の分割
  • ライプニッツの公式
  • エネルギー恒等式

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