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金沢大学/2014年度

金沢大学 2014年 数学 第3問解答・解説

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1問題

金沢大学2014年度第3問

行列 P = [[x, √2/3], [√2/3, y]] について,次の問いに答えよ。

(1) P² = Pをみたす実数の組(x, y)は2組ある。これらを求めよ。

(2) (1)で求めた2つの組を(x₁, y₁), (x₂, y₂)とし,それぞれに対応する行列PをP₁, P₂とおく。ただし,x₁ < x₂とする。このとき,n = 1, 2, 3, …に対し (P₁P₂)ⁿP₁ = rₙP₁ をみたす実数rₙを求めよ。

(3) 重複を許してP₁, P₂を6個並べて得られる順列 Q₁ Q₂ Q₃ Q₄ Q₅ Q₆ のうちでQ₁ = P₁となるものすべてを考え,それぞれの順列に6個の行列の積 P₁Q₂Q₃Q₄Q₅Q₆ を対応させる。このようにして得られる行列のうち,異なるものはいくつあるか。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

行列の各成分を比較してP₁,P₂を定め、具体的な単位ベクトル表示で積を整理する。最後は5つの隣接切替回数と終点で積を分類する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)(x,y)=(13,23),(23,13)/\displaystyle \quad (x,y)=\left(\frac13,\frac23\right),\left(\frac23,\frac13\right)\quad /\quad (2)rn=(89)n/\displaystyle \quad r_n=\left(\frac89\right)^n\quad /\quad (3)6\quad 6個

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) c=23\displaystyle \dfrac{\sqrt2}{3}とおくと, P2=(x2+c2c(x+y)c(x+y)y2+c2)。P^2=\begin{pmatrix}x^2+c^2&c(x+y)\\c(x+y)&y^2+c^2\end{pmatrix}。 P2=PP^2=Pより x2−x+29=0,y2−y+29=0,x+y=1。\displaystyle x^2-x+\frac29=0,\qquad y^2-y+\frac29=0,\qquad x+y=1。 前二式はそれぞれ(t−13)(t−23)=0\displaystyle (t-\frac13)(t-\frac23)=0と因数分解できる。これとx+y=1x+y=1を合わせると (x,y)=(13,23),(23,13)。\displaystyle (x,y)=\left(\frac13,\frac23\right),\quad \left(\frac23,\frac13\right)。 したがってx1<x2x_1<x_2より P1=(13232323),P2=(23232313)。\displaystyle P_1=\begin{pmatrix}\frac13&\frac{\sqrt2}{3}\\\frac{\sqrt2}{3}&\frac23\end{pmatrix},\qquad P_2=\begin{pmatrix}\frac23&\frac{\sqrt2}{3}\\\frac{\sqrt2}{3}&\frac13\end{pmatrix}。

(2) u1=(13,23)T,u2=(23,13)T\displaystyle u_1=\left(\frac1{\sqrt3},\sqrt{\frac23}\right)^T,\quad u_2=\left(\sqrt{\frac23},\frac1{\sqrt3}\right)^T とおくと,成分を確かめてP1=u1u1TP_1=u_1u_1^{\mathsf T},P2=u2u2TP_2=u_2u_2^{\mathsf T}となる。また u1Tu1=u2Tu2=1,ρ=u1Tu2=223。\displaystyle u_1^{\mathsf T}u_1=u_2^{\mathsf T}u_2=1,\qquad \rho=u_1^{\mathsf T}u_2=\frac{2\sqrt2}{3}。 列ベクトルの成分を直接掛けると P1P2P1=u1(u1Tu2)(u2Tu1)u1T=ρ2P1=89P1。\displaystyle P_1P_2P_1=u_1(u_1^{\mathsf T}u_2)(u_2^{\mathsf T}u_1)u_1^{\mathsf T} =\rho^2P_1=\frac89P_1。 よってn=1n=1で(P1P2)nP1=(89)nP1\displaystyle (P_1P_2)^nP_1=(\frac89)^nP_1である。これがnnで成り立つとき (P1P2)n+1P1=(P1P2)n(P1P2P1)=89(P1P2)nP1=(89)n+1P1。\displaystyle (P_1P_2)^{n+1}P_1=(P_1P_2)^n(P_1P_2P_1) =\frac89(P_1P_2)^nP_1=(\frac89)^{n+1}P_1。 したがってrn=(89)n\displaystyle r_n=(\frac89)^n。

(3) Qj=uijuijTQ_j=u_{i_j}u_{i_j}^{\mathsf T}(iji_j は 11 または 22)とし,i1=1i_1=1とする。隣り合う添字が等しければ内積は11,異なればρ\rhoである。5か所の隣接箇所のうちkkか所で添字が切り替わると,積を成分でまとめて P1Q2Q3Q4Q5Q6=ρku1ui6TP_1Q_2Q_3Q_4Q_5Q_6=\rho^k u_1u_{i_6}^{\mathsf T} となる。始めは添字1なので,最後も1ならk=0,2,4k=0,2,4,最後が2ならk=1,3,5k=1,3,5である。各場合のkkは5か所から切替位置を選べば実現できる。よって最後が1のときはP1,89P1,6481P1\displaystyle P_1,\frac89P_1,\frac{64}{81}P_1の3個,最後が2のときはρu1u2T,ρ3u1u2T,ρ5u1u2T\rho u_1u_2^{\mathsf T},\rho^3u_1u_2^{\mathsf T},\rho^5u_1u_2^{\mathsf T}の3個を得る。0<ρ<10<\rho<1より各組内では相異なる。またP1P_1は対称行列だがu1u2Tu_1u_2^{\mathsf T}は対称行列でないため,二組の行列は比例せず一致しない。したがって異なる行列は合計66個。

この問題で使う考え方

  • 行列を用いた表現
  • ベクトルの成分表示
  • ベクトルの内積
  • 数学的帰納法

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