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慶應義塾大学/2016年度/前期

慶應義塾大学 2016年 数学 第II問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2016年度第II問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。

三角形ABCの頂点上に置かれた点Pに対する次の操作Tを考える。

操作T

(T1) 点Pが頂点A上に置かれているときは、確率12\displaystyle \frac12でそのままにしておき、確率12\displaystyle \frac12で頂点B上に移す。

(T2) 点Pが頂点B上に置かれているときは、確率12\displaystyle \frac12でそのままにしておき、確率12\displaystyle \frac12で頂点C上に移す。

(T3) 点Pが頂点C上に置かれているときは、必ず頂点A上に移す。

以下n,mを自然数とし、点Pを頂点A上に置いて、操作Tを繰り返し行う。操作Tをn回繰り返し終えたとき、点Pが頂点A上に置かれている確率をana_n、頂点B上に置かれている確率をbnb_n、頂点C上に置かれている確率をcnc_nとする。

(1) n≧2n\geq2のときan,bn,cna_n,b_n,c_nをan−1,bn−1,cn−1a_{n-1},b_{n-1},c_{n-1}で表すと、{an=あan−1+いcn−1,bn=うan−1+えbn−1,cn=おbn−1+かcn−1\begin{cases}a_n=\boxed{\text{あ}}a_{n-1}+\boxed{\text{い}}c_{n-1},\\b_n=\boxed{\text{う}}a_{n-1}+\boxed{\text{え}}b_{n-1},\\c_n=\boxed{\text{お}}b_{n-1}+\boxed{\text{か}}c_{n-1}\end{cases}である。

(2)

(1)よりan,bna_n,b_nを求めると、a2m−1=きa_{2m-1}=\boxed{\text{き}}、b2m−1=くb_{2m-1}=\boxed{\text{く}}であり、a2m=けa_{2m}=\boxed{\text{け}}、b2m=こb_{2m}=\boxed{\text{こ}}である。

(3) 操作Tをn回繰り返し終えたとき初めて点Pが頂点C上に置かれる確率をdnd_nとすると、dn=さd_n=\boxed{\text{さ}}である。

(4) 操作Tをn回繰り返し終えたとき点Pが頂点AまたはBの上に置かれ、かつそれまでに1回だけ頂点C上に置かれていた確率をene_nとすると、en=しe_n=\boxed{\text{し}}である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)an=12an−1+cn−1,bn=12an−1+12bn−1,cn=12bn−1;(2)a2m−1=25(1−(−14)m),b2m−1=25+110(−14)m−1,a2m=25+35(−14)m,b2m=25−25(−14)m;(3)dn=n−12n;(4)en=n(n−1)(n−2)3⋅2n.\displaystyle \begin{aligned} \text{(1)}\quad &a_n=\tfrac12a_{n-1}+c_{n-1},\quad b_n=\tfrac12a_{n-1}+\tfrac12b_{n-1},\quad c_n=\tfrac12b_{n-1};\\ \text{(2)}\quad &a_{2m-1}=\frac25\left(1-(-\tfrac14)^m\right),\quad b_{2m-1}=\frac25+\frac1{10}(-\tfrac14)^{m-1},\\ &a_{2m}=\frac25+\frac35(-\tfrac14)^m,\quad b_{2m}=\frac25-\frac25(-\tfrac14)^m;\\ \text{(3)}\quad &d_n=\frac{n-1}{2^n};\\ \text{(4)}\quad &e_n=\frac{n(n-1)(n-2)}{3\cdot2^n}. \end{aligned}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 1回の操作後の状態から次の状態へ移る確率を用いると、AAはAAに1/21/2で留まり、CCからは必ずAAへ移る。AAからBB、BBからB,CB,Cへはそれぞれ確率1/21/2で移る。従って an=12an−1+cn−1,bn=12an−1+12bn−1,cn=12bn−1.\displaystyle a_n=\frac12a_{n-1}+c_{n-1},\quad b_n=\frac12a_{n-1}+\frac12b_{n-1},\quad c_n=\frac12b_{n-1}.

(2) 常にan+bn+cn=1a_n+b_n+c_n=1。上の関係から bn+1=12(an+bn)=12−14bn−1(n≧1).\displaystyle b_{n+1}=\frac12(a_n+b_n)=\frac12-\frac14b_{n-1}\quad(n\ge1). 偶数番目と奇数番目に分け、この一次漸化式を解くと b2m=25−25(−14)m,b2m−1=25+110(−14)m−1.\displaystyle b_{2m}=\frac25-\frac25(-\tfrac14)^m,\qquad b_{2m-1}=\frac25+\frac1{10}(-\tfrac14)^{m-1}. さらにbn+1=(an+bn)/2b_{n+1}=(a_n+b_n)/2、すなわちan=2bn+1−bna_n=2b_{n+1}-b_nを使えば a2m−1=25(1−(−14)m),a2m=25+35(−14)m.\displaystyle a_{2m-1}=\frac25\left(1-(-\tfrac14)^m\right),\qquad a_{2m}=\frac25+\frac35(-\tfrac14)^m. 例えば(a1,b1)=(1/2,1/2)(a_1,b_1)=(1/2,1/2)、(a2,b2)=(1/4,1/2)(a_2,b_2)=(1/4,1/2)となり初回の推移と一致する。

(3) Cへの初到達前だけを考える。時刻rrでC未到達かつAにいる確率は2−r2^{-r}。Bにいる確率をwrw_rとするとw0=0w_0=0、wr+1=2−r−1+wr/2w_{r+1}=2^{-r-1}+w_r/2であり、2rwr2^rw_rはrrとなるのでwr=r/2rw_r=r/2^r。時刻n−1n-1でC未到達のBから次の操作でCへ移る確率は1/21/2だから dn=12wn−1=n−12n.\displaystyle d_n=\frac12w_{n-1}=\frac{n-1}{2^n}.

(4) 初到達後、Cから次の操作で必ずAへ戻る。Cを初めて時刻kkに訪れ、その後rr回の操作でCを再訪しない確率を考える。Aから始めてrr回C未到達である確率は、時刻rでAにいる2−r2^{-r}とBにいるr/2rr/2^rの和、すなわち(r+1)/2r(r+1)/2^r。したがって、時刻nでちょうど1回だけCを訪れ、終点がAまたはBである確率は en=∑k=2n−1dkn−k2n−k−1=12n−1∑k=2n−1(k−1)(n−k).\displaystyle e_n=\sum\limits _{k=2}^{n-1}d_k\frac{n-k}{2^{n-k-1}} =\frac1{2^{n-1}}\sum\limits _{k=2}^{n-1}(k-1)(n-k). j=k−1j=k-1、N=n−1N=n-1とすれば和は∑j=1N−1j(N−j)=N(N2−1)/6=n(n−1)(n−2)/6\displaystyle \sum\limits _{j=1}^{N-1}j(N-j)=N(N^2-1)/6=n(n-1)(n-2)/6。よって en=n(n−1)(n−2)3⋅2n.\displaystyle e_n=\frac{n(n-1)(n-2)}{3\cdot2^n}. 空和となるn=1,2n=1,2でも式は0を与える。

この問題で使う考え方

  • 確率の基本法則
  • 条件付き確率
  • 漸化式
  • 等比数列の一般項と和
  • 総和記号と数列の和
  • 事象の数学化とモデル化
  • 独立な試行

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