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慶應義塾大学/2016年度/前期

慶應義塾大学 2016年 数学 第IV問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2016年度第IV問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。また設問(3)に答えなさい。

時間ttとともに座標平面上を動く点P(t)P(t)は次の条件(i)をみたすとする。

(i) P(t)P(t)は原点をとおらず、その偏角θ(t)\theta(t)および原点からの距離r(t)r(t)はttについて微分可能、かつr(0)=1r(0)=1であり、さらにθ′(t)=1\theta'(t)=1が成り立つ。

(1) 動点P(t)P(t)の座標を(x(t),y(t))(x(t),y(t))とし、時刻ttにおけるP(t)P(t)の速度ベクトルをv⃗(t)=(dxdt,dydt)\displaystyle \vec{v}(t)=\left(\frac{dx}{dt},\frac{dy}{dt}\right)、ベクトルb⃗(t)=(cos⁡θ(t),sin⁡θ(t))\vec{b}(t)=(\cos\theta(t),\sin\theta(t))のなす角をα(t)\alpha(t)とする。このときcos⁡α(t)\cos\alpha(t)をr(t)r(t)を用いて表すとcos⁡α(t)=あ\cos\alpha(t)=\boxed{\text{あ}}である。

(2) 動点P(t)P(t)がさらに次の条件(ii)をみたすとする。

(ii) すべてのttに対してα(t)=π4\displaystyle \alpha(t)=\frac{\pi}{4}である。

このときr(t)=いr(t)=\boxed{\text{い}}である。

(3) 条件(i),(ii)をみたす2つの動点P1(t),P2(t)P_1(t),P_2(t)の間に次の条件(iii)が成り立つとする。ただし動点P1(t),P2(t)P_1(t),P_2(t)それぞれの偏角をθ1(t),θ2(t)\theta_1(t),\theta_2(t)、原点からの距離をr1(t),r2(t)r_1(t),r_2(t)とし、速度ベクトルをv⃗1(t),v⃗2(t)\vec{v}_1(t),\vec{v}_2(t)とする。

(iii) すべてのttに対してベクトルv⃗1(t)\vec{v}_1(t)とベクトルv⃗2(t)\vec{v}_2(t)は垂直である。

このとき時刻ssからuuの間に動点P2(t)P_2(t)がその軌道に沿って動く道のりをl(s,u)l(s,u)とすると、l(s,u)=∣P1(u)P2(u)→∣−∣P1(s)P2(s)→∣l(s,u)=\left|\overrightarrow{\mathrm{P}_1(u)\mathrm{P}_2(u)}\right|-\left|\overrightarrow{\mathrm{P}_1(s)\mathrm{P}_2(s)}\right|が成り立つことを示しなさい。ただしs<us<uとする。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

極座標の運動を動径・接線成分で表し、距離と速さが同じ指数関数となることを示した。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)cos⁡α(t)=r′(t)r′(t)2+r(t)2;(2)r(t)=et;(3)ℓ(s,u)=2(eu−es)=∣P1(u)P2(u)∣−∣P1(s)P2(s)∣.\displaystyle \begin{aligned} \text{(1)}\quad &\cos\alpha(t)=\frac{r'(t)}{\sqrt{r'(t)^2+r(t)^2}};\\ \text{(2)}\quad &r(t)=e^t;\\ \text{(3)}\quad &\ell(s,u)=\sqrt2(e^u-e^s)=|P_1(u)P_2(u)|-|P_1(s)P_2(s)|. \end{aligned}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 極座標でP=(rcos⁡θ,rsin⁡θ)P=(r\cos\theta,r\sin\theta)と書くと、θ′=1\theta'=1より v⃗=(r′cos⁡θ−rsin⁡θ, r′sin⁡θ+rcos⁡θ).\vec v=(r'\cos\theta-r\sin\theta,\ r'\sin\theta+r\cos\theta). b⃗=(cos⁡θ,sin⁡θ)\vec b=(\cos\theta,\sin\theta)は動径方向の単位ベクトルなのでv⃗⋅b⃗=r′\vec v\cdot\vec b=r'。また ∣v⃗∣2=(r′)2+r2|\vec v|^2=(r')^2+r^2 (動径方向と接線方向の成分は直交する)。従って cos⁡α=v⃗⋅b⃗∣v⃗∣=r′(r′)2+r2.\displaystyle \cos\alpha=\frac{\vec v\cdot\vec b}{|\vec v|}=\frac{r'}{\sqrt{(r')^2+r^2}}.

(2) α=π/4\alpha=\pi/4よりr′/(r′)2+r2=1/2r'/\sqrt{(r')^2+r^2}=1/\sqrt2。両辺の符号からr′>0r'>0であり、二乗して(r′)2=r2(r')^2=r^2、ゆえにr′=rr'=r。初期条件r(0)=1r(0)=1のもとでこの微分方程式を解くとr(t)=etr(t)=e^t。

(3) 各動点について(2)よりri(t)=etr_i(t)=e^t。極座標の速度を動径・接線の単位方向で書けば v⃗i=et(e⃗ri+e⃗θi),\vec v_i=e^t(\vec e_{r_i}+\vec e_{\theta_i}), したがって速度の向きの偏角はθi+π/4\theta_i+\pi/4、速さは∣v⃗i∣=2et|\vec v_i|=\sqrt2e^t。速度ベクトルが垂直という条件から 0=v⃗1⋅v⃗2=∣v⃗1∣∣v⃗2∣cos⁡(θ1−θ2),0=\vec v_1\cdot\vec v_2=|\vec v_1||\vec v_2|\cos(\theta_1-\theta_2), 従ってθ1−θ2\theta_1-\theta_2は±π/2\pm\pi/2を法として一定である(両偏角の導関数はともに1)。二点間の距離をd(t)d(t)とすれば、余弦定理により d(t)2=e2t+e2t−2e2tcos⁡(θ1−θ2)=2e2t,d(t)^2=e^{2t}+e^{2t}-2e^{2t}\cos(\theta_1-\theta_2)=2e^{2t}, よってd(t)=2etd(t)=\sqrt2e^t。一方、点P2P_2の軌道に沿う道のりは速さの積分なので ℓ(s,u)=∫su∣v⃗2(t)∣dt=∫su2etdt=2(eu−es)=d(u)−d(s).\displaystyle \ell(s,u)=\int_s^u|\vec v_2(t)|dt=\int_s^u\sqrt2e^t dt=\sqrt2(e^u-e^s)=d(u)-d(s). これは求める等式である。

この問題で使う考え方

  • 極座標と極方程式
  • 速度と加速度
  • 指数・対数関数の微分
  • 三角・指数・対数関数等の積分

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