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慶應義塾大学/2018年度/前期

慶應義塾大学 2018年 数学 第IV問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2018年度第IV問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。また設問 (2) に答えなさい。

媒介変数表示 x=g(θ)=θ+sin⁡θ,y=h(θ)=1−cos⁡θ(−π<θ<π)x=g(\theta)=\theta+\sin\theta,\quad y=h(\theta)=1-\cos\theta\quad(-\pi<\theta<\pi) で表される座標平面上の曲線 CC を考える。

(1) 曲線 CC は点 (あ,い)(\boxed{\text{あ}},\boxed{\text{い}}) において xx 軸に接する。また, 曲線 CC 上の点の xx 座標, yy 座標の動く範囲はそれぞれ う<x<え,お≦y<か\boxed{\text{う}}<x<\boxed{\text{え}},\quad \boxed{\text{お}}\leq y<\boxed{\text{か}} である。

(2) う<x<え\boxed{\text{う}}<x<\boxed{\text{え}} を満たす任意の xx に対して, それを xx 座標とする CC 上の点 PP はただ1つに決まることを示しなさい。また, この点 PP の yy 座標を y=f(x)y=f(x) と書くとき, 関数 f(x)f(x) のグラフは下に凸であることを示しなさい。

(3) 0<t<π0<t<\pi とする。曲線 CC の 0≦θ≦t0\leq\theta\leq t に対する部分の長さ L(t)L(t) を求めると, L(t)=きL(t)=\boxed{\text{き}} である。

(4) 0<t<π0<t<\pi に対する曲線 CC 上の点 (g(t),h(t))(g(t),h(t)) を PtP_t とするとき, PtP_t における CC の接線を ltl_t とし, ltl_t と xx 軸との交点を QtQ_t とする。QtQ_t の xx 座標は く\boxed{\text{く}} であり, ベクトル QtPt→\overrightarrow{Q_tP_t} が xx 軸の正の向きとなす角は け\boxed{\text{け}} ラジアンである。

(5) 曲線 CC が, xx 軸に接しつつ, すべることなく右方向に回転する。回転する前の CC 上の点 Pt(g(t),h(t)) (0<t<π)P_t(g(t),h(t))\ (0<t<\pi) が xx 軸との接点になるまで CC が回転したとき, 回転する前の点 P0(g(0),h(0))P_0(g(0),h(0)) が点 Rt(a(t),b(t))R_t(a(t),b(t)) に移動したとする。a(t),b(t)a(t),b(t) を tt の式で表すと, a(t)=こ,b(t)=さa(t)=\boxed{\text{こ}},\quad b(t)=\boxed{\text{さ}} である。

(6) 動点 Rt (0<t<π)R_t\ (0<t<\pi) の軌跡, xx 軸, および直線 x=αx=\alpha で囲まれた部分の面積は し\boxed{\text{し}} である。ただし α=lim⁡t→π−0a(t)\displaystyle \alpha=\lim\limits _{t\to\pi-0}a(t) とする。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) (0,0)\quad (0,0)\quad 、−π<x<π\quad -\pi<x<\pi\quad 、0≦y<2\quad 0\leq y<2\quad 。
    (2) g′(θ)>0\quad g'(\theta)>0\quad による一意性、f′′(x)=1/(4cos⁡4(θ/2))>0\quad f''(x)=1/(4\cos^4(\theta/2))>0\quad 。
    (3) L(t)=4sin⁡(t/2)\quad L(t)=4\sin(t/2)\quad 。
    (4) Qt\quad Q_t\quad の x\quad x\quad 座標 t\quad t\quad 、角 t/2\quad t/2\quad 。
    (5) a(t)=2sin⁡(t/2)−tcos⁡(t/2), b(t)=tsin⁡(t/2)\quad a(t)=2\sin(t/2)-t\cos(t/2),\space{}b(t)=t\sin(t/2)\quad 。
    (6) 面積 π3/12+π/2\quad \pi^3/12+\pi/2\quad 。

    使用解法:媒介変数の微分、逆関数の一意性と二階微分、曲線長、接線、平面回転とすべりなし条件、媒介変数による面積積分。
    issues:なし。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

A答案 Q4 — 慶應義塾大学 2018

曲線は x=g(θ)=θ+sin⁡θ,y=h(θ)=1−cos⁡θ,−π<θ<π.x=g(\theta)=\theta+\sin\theta,\qquad y=h(\theta)=1-\cos\theta,\qquad -\pi<\theta<\pi.

(1) 接点と座標の範囲

g′(θ)=1+cos⁡θ=2cos⁡2θ2>0(−π<θ<π).\displaystyle g'(\theta)=1+\cos\theta=2\cos^2\frac\theta2>0 \quad(-\pi<\theta<\pi). h(θ)=0h(\theta)=0 となるのは θ=0\theta=0 であり、その点は (0,0)(0,0)。さらに h′(0)=0, g′(0)=2≠0h'(0)=0,\ g'(0)=2\ne0 なので、そこで接線は xx 軸である。 lim⁡θ→−π+g(θ)=−π,lim⁡θ→π−g(θ)=π,0≦h(θ)<2.\displaystyle \lim\limits _{\theta\to-\pi+}g(\theta)=-\pi,\quad \lim\limits _{\theta\to\pi-}g(\theta)=\pi,\quad 0\leq h(\theta)<2. 従って あ=0、い=0、う=−π-\pi、え=π\pi、お=0、か=2。

(2) xx 座標の一意性と下に凸

g′(θ)>0g'(\theta)>0 なので −π<θ<π-\pi<\theta<\pi では θ\theta が大きくなると g(θ)g(\theta) も必ず大きくなり、その値域は −π<g(θ)<π-\pi<g(\theta)<\pi。よって各 −π<x<π-\pi<x<\pi に対応する θ\theta はただ一つで、曲線上の点 PP もただ一つである。

y=f(x)=h(θ)y=f(x)=h(\theta) とすると f′(x)=h′(θ)g′(θ)=sin⁡θ1+cos⁡θ=tan⁡θ2.\displaystyle f'(x)=\frac{h'(\theta)}{g'(\theta)} =\frac{\sin\theta}{1+\cos\theta} =\tan\frac\theta2. さらに f′′(x)=ddθ(tan⁡θ2)dθdx=12cos⁡2(θ/2)12cos⁡2(θ/2)=14cos⁡4(θ/2)>0.\displaystyle f''(x)=\frac{d}{d\theta}\left(\tan\frac\theta2\right)\frac{d\theta}{dx} =\frac{1}{2\cos^2(\theta/2)}\frac{1}{2\cos^2(\theta/2)} =\frac{1}{4\cos^4(\theta/2)}>0. したがってグラフは下に凸である。

(3) 曲線長

(g′(θ))2+(h′(θ))2=(1+cos⁡θ)2+sin⁡2θ=2cos⁡θ2(0≦θ≦t<π).\displaystyle \sqrt{(g'(\theta))^2+(h'(\theta))^2} =\sqrt{(1+\cos\theta)^2+\sin^2\theta} =2\cos\frac\theta2 \quad(0\leq\theta\leq t<\pi). 従って L(t)=∫0t2cos⁡θ2 dθ=4sin⁡t2.\displaystyle L(t)=\int_0^t2\cos\frac\theta2\,d\theta =\boxed{4\sin\frac t2}.

(4) 接線と QtQ_t

点 Pt=(t+sin⁡t,1−cos⁡t)P_t=(t+\sin t,1-\cos t) での接線の傾きは h′(t)g′(t)=tan⁡t2.\displaystyle \frac{h'(t)}{g'(t)}=\tan\frac t2. xx 軸との交点 QtQ_t の xx 座標は t+sin⁡t−1−cos⁡ttan⁡(t/2)=t+sin⁡t−sin⁡t=t.\displaystyle t+\sin t-\frac{1-\cos t}{\tan(t/2)} =t+\sin t-\sin t=t. また QtPt→=(sin⁡t,1−cos⁡t),\overrightarrow{Q_tP_t}=(\sin t,1-\cos t), その偏角は tan⁡−11−cos⁡tsin⁡t=t2\displaystyle \tan^{-1}\frac{1-\cos t}{\sin t}=\frac t2。従って く=tt、け=t2\displaystyle \frac t2。

(5) すべらず右へ転がした後の P0P_0

接点が P0P_0 から PtP_t へ移る弧長は L(t)=4sin⁡uL(t)=4\sin u、ただし u=t/2u=t/2。すべらないので、新しい接点 PtP_t は xx 軸上の (4sin⁡u,0)(4\sin u,0) に移る。接線の傾きが tan⁡u\tan u だから、曲線全体は時計回りに角 uu 回転する。

元の位置で PtP_t から P0P_0 へのベクトルは P0−Pt=(−t−sin⁡t, −(1−cos⁡t)).P_0-P_t=(-t-\sin t,\,-(1-\cos t)). これを時計回りに uu 回転すると、成分は (cos⁡usin⁡u−sin⁡ucos⁡u)(−t−sin⁡t−(1−cos⁡t))=(−tcos⁡u−2sin⁡utsin⁡u).\begin{pmatrix}\cos u&\sin u\\-\sin u&\cos u\end{pmatrix} \begin{pmatrix}-t-\sin t\\-(1-\cos t)\end{pmatrix} = \begin{pmatrix}-t\cos u-2\sin u\\t\sin u\end{pmatrix}. 接点の位置 (4sin⁡u,0)(4\sin u,0) を加えると a(t)=2sin⁡t2−tcos⁡t2,b(t)=tsin⁡t2.\displaystyle \boxed{a(t)=2\sin\frac t2-t\cos\frac t2,\qquad b(t)=t\sin\frac t2}.

(6) 軌跡と xx 軸、x=αx=\alpha の面積

a′(t)=t2sin⁡t2>0,α=lim⁡t→π−a(t)=2.\displaystyle a'(t)=\frac t2\sin\frac t2>0,\qquad \alpha=\lim\limits _{t\to\pi-}a(t)=2. 従って RtR_t は xx 座標について単調に進み、面積は S=∫0πb(t)a′(t) dt=12∫0πt2sin⁡2t2 dt=14∫0πt2(1−cos⁡t) dt.\displaystyle \begin{aligned} S&=\int_0^\pi b(t)a'(t)\,dt =\frac12\int_0^\pi t^2\sin^2\frac t2\,dt\\ &=\frac14\int_0^\pi t^2(1-\cos t)\,dt. \end{aligned} 部分積分により ∫0πt2 dt=π33,∫0πt2cos⁡t dt=[t2sin⁡t+2tcos⁡t−2sin⁡t]0π=−2π.\displaystyle \int_0^\pi t^2\,dt=\frac{\pi^3}{3},\qquad \int_0^\pi t^2\cos t\,dt =\left[t^2\sin t+2t\cos t-2\sin t\right]_0^\pi=-2\pi. よって S=π312+π2.\displaystyle \boxed{S=\frac{\pi^3}{12}+\frac\pi2}.

最終答案

(1) (0,0)(0,0)、−π<x<π-\pi<x<\pi、0≦y<20\leq y<2。 (2) g′(θ)>0g'(\theta)>0 による一意性、f′′(x)=1/(4cos⁡4(θ/2))>0f''(x)=1/(4\cos^4(\theta/2))>0。 (3) L(t)=4sin⁡(t/2)L(t)=4\sin(t/2)。 (4) QtQ_t の xx 座標 tt、角 t/2t/2。 (5) a(t)=2sin⁡(t/2)−tcos⁡(t/2), b(t)=tsin⁡(t/2)a(t)=2\sin(t/2)-t\cos(t/2),\ b(t)=t\sin(t/2)。 (6) 面積 π3/12+π/2\pi^3/12+\pi/2。

使用解法:媒介変数の微分、逆関数の一意性と二階微分、曲線長、接線、平面回転とすべりなし条件、媒介変数による面積積分。 issues:なし。

この問題で使う考え方

  • 曲線の媒介変数表示
  • 三角関数の微分
  • 合成関数と逆関数
  • 合成関数の微分
  • 第二次導関数
  • 凹凸と変曲点
  • 半角の公式
  • 関数の極限

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