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慶應義塾大学/2020年度/前期

慶應義塾大学 2020年 数学 第II問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2020年度第II問

以下の文章の空欄に適切な式を入れて文章を完成させなさい。ただし記入する式は、文字 nn についての整式で、可能な限り因数分解されたものとする。 nn を2以上の自然数とする。1から nn までの番号が1つずつ書かれた nn 枚のカードが用意されている。まずA君がこの中から無作為に同時に2枚のカードを引いてその番号を記録し、カードを2枚とももとに戻した後、B君が無作為に同時に2枚のカードを引いてその番号を記録する。

(1) A君、B君のうち少なくとも1人が番号1のカードを引く確率は (あ)(い)\displaystyle \frac{\boxed{\text{(あ)}}}{\boxed{\text{(い)}}} である。

(2) A君とB君が共通に引くカードが1枚だけである確率は (う)(え)\displaystyle \frac{\boxed{\text{(う)}}}{\boxed{\text{(え)}}} である。

(3) A君、B君のうち1人のみが2以下の番号のカードを1枚以上引く確率は (お)(か)\displaystyle \frac{\boxed{\text{(お)}}}{\boxed{\text{(か)}}} である。

(4) A君が記録した番号の大きい方と、B君が記録した番号の大きい方が一致する確率は (き)(く)\displaystyle \frac{\boxed{\text{(き)}}}{\boxed{\text{(く)}}} である。

(5) A君が記録した番号の小さい方が、B君が記録した番号の大きい方以上である確率は (け)(こ)\displaystyle \frac{\boxed{\text{(け)}}}{\boxed{\text{(こ)}}} である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

各人の手をn枚から選ぶ2枚組とみなし、復元後の抽選の独立性を使う。条件ごとに補集合・場合分けで手の数を数え、全体の組数で割って整式の分数へ整理する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) (あ)=4(n−1), ()=4(n-1),\space{}(い)=n2;)=n^2;
    (2) (う)=4(n−2), ()=4(n-2),\space{}(え)=n(n−1);)=n(n-1);
    (3) (お)=4(n−2)(n−3)(2n−3), ()=4(n-2)(n-3)(2n-3),\space{}(か)=n2(n−1)2;)=n^2(n-1)^2;
    (4) (き)=2(2n−1), ()=2(2n-1),\space{}(く)=3n(n−1);)=3n(n-1);
    (5) (け)=(n−2)(n+1), ()=(n-2)(n+1),\space{}(こ)=6n(n−1))=6n(n-1)

4解答

解答を見る途中式つきの解答

1回の抽選でできる2枚の組は N=(n2)=n(n−1)2\displaystyle N=\binom n2=\frac{n(n-1)}2 通りである。A君とB君はA君のカードを戻した後に引くので、二人の手の組合せは全て等確率で、全体は N2N^2 通りとなる。

(1) 一人が番号1を引かない確率は、残り n−1n-1 枚から2枚を選ぶ確率 (n−12)(n2)=n−2n\displaystyle \frac{\binom{n-1}{2}}{\binom n2}=\frac{n-2}{n} である。二人とも番号1を引かない確率はその二乗なので、求める確率は 1−(n−2n)2=4(n−1)n2.\displaystyle 1-\left(\frac{n-2}{n}\right)^2=\frac{4(n-1)}{n^2}. したがって (あ)=4(n−1), (い)=n2(あ)=4(n-1),\ (い)=n^2。

(2) A君の2枚を固定すると、B君が共通カードをちょうど1枚引くには、A君の2枚から共有する1枚を選ぶ方法が2通りあり、残り1枚はA君の手にない n−2n-2 枚から選ぶ。よってB君の手は 2(n−2)2(n-2) 通りで、確率は 2(n−2)(n2)=4(n−2)n(n−1).\displaystyle \frac{2(n-2)}{\binom n2}=\frac{4(n-2)}{n(n-1)}. したがって (う)=4(n−2), (え)=n(n−1)(う)=4(n-2),\ (え)=n(n-1)。

(3) 一人が番号1または2のカードを少なくとも1枚引く事象の確率を pp とする。両方を引かない確率は n−2n-2 枚から2枚を選ぶ確率なので 1−p=(n−22)(n2)=(n−2)(n−3)n(n−1),p=2(2n−3)n(n−1).\displaystyle 1-p=\frac{\binom{n-2}{2}}{\binom n2}=\frac{(n-2)(n-3)}{n(n-1)},\qquad p=\frac{2(2n-3)}{n(n-1)}. A君とB君の抽選は独立であり、ちょうど一人だけがこの事象を満たす確率は 2p(1−p)2p(1-p) である。したがって 2p(1−p)=4(n−2)(n−3)(2n−3)n2(n−1)2.\displaystyle 2p(1-p)=\frac{4(n-2)(n-3)(2n-3)}{n^2(n-1)^2}. ゆえに (お)=4(n−2)(n−3)(2n−3), (か)=n2(n−1)2(お)=4(n-2)(n-3)(2n-3),\ (か)=n^2(n-1)^2。この式は n=2,3n=2,3 の場合も確率0を与える。

(4) 2枚のうち大きい番号が kk である組は、もう一枚を 1,2,…,k−11,2,\ldots,k-1 から選べるので k−1k-1 通りである。二人の大きい番号がともに kk となる確率を足し合わせると ∑k=2n(k−1(n2))2=∑j=1n−1j2(n2)2=n(n−1)(2n−1)6n2(n−1)24=2(2n−1)3n(n−1).\displaystyle \sum\limits _{k=2}^n\left(\frac{k-1}{\binom n2}\right)^2 =\frac{\sum\limits _{j=1}^{n-1}j^2}{\binom n2^2} =\frac{\frac{n(n-1)(2n-1)}6}{\frac{n^2(n-1)^2}4} =\frac{2(2n-1)}{3n(n-1)}. したがって (き)=2(2n−1), (く)=3n(n−1)(き)=2(2n-1),\ (く)=3n(n-1)。

(5) A君の小さい番号を kk とする。A君のもう一枚は k+1k+1 から nn までの n−kn-k 通りから選ばれる。一方、条件を満たすにはB君の大きい番号が kk 以下なので、B君の2枚は 1,2,…,k1,2,\ldots,k から選ぶ (k2)\displaystyle \binom{k}{2} 通りである。従って条件を満たす手の組合せ数は ∑k=2n−1(n−k)(k2).\displaystyle \sum\limits _{k=2}^{n-1}(n-k)\binom{k}{2}. ここで k(k2)=3(k3)+2(k2)\displaystyle k\binom{k}{2}=3\binom{k}{3}+2\binom{k}{2} および ∑k=2n−1(k2)=(n3)\displaystyle \sum\limits _{k=2}^{n-1}\binom{k}{2}=\binom n3、∑k=2n−1(k3)=(n4)\displaystyle \sum\limits _{k=2}^{n-1}\binom{k}{3}=\binom n4 より ∑k=2n−1(n−k)(k2)=n(n3)−3(n4)−2(n3)=(n−2)(n3)−3(n4)=n(n−1)(n−2)(n+1)24.\displaystyle \begin{aligned} \sum\limits _{k=2}^{n-1}(n-k)\binom{k}{2} &=n\binom n3-3\binom n4-2\binom n3\\ &=(n-2)\binom n3-3\binom n4\\ &=\frac{n(n-1)(n-2)(n+1)}{24}. \end{aligned} 全体の (n2)2\displaystyle \binom n2^2 通りで割ると、求める確率は n(n−1)(n−2)(n+1)24n2(n−1)24=(n−2)(n+1)6n(n−1).\displaystyle \frac{\frac{n(n-1)(n-2)(n+1)}{24}}{\frac{n^2(n-1)^2}{4}} =\frac{(n-2)(n+1)}{6n(n-1)}. ゆえに (け)=(n−2)(n+1), (こ)=6n(n−1)(け)=(n-2)(n+1),\ (こ)=6n(n-1)。n=2n=2 では和は空で、式も確率0を与える。

この問題で使う考え方

  • 組合せ
  • 和の法則
  • 積の法則
  • 確率の基本法則
  • 独立な試行
  • 総和記号と数列の和

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