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慶應義塾大学/2021年度/前期

慶應義塾大学 2021年 数学 第II問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2021年度第II問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。ただしあ,い,う\boxed{\text{あ}},\boxed{\text{い}},\boxed{\text{う}}にはnnの整式を、え\boxed{\text{え}}にはd1,d2,…,dnd_1,d_2,\ldots,d_nの式を入れること。また、設問(2)に答えなさい。

nn人のクラス(ただしn>1n>1)で英語と理科のテストを実施する。ただしどちらの科目にも同順位の者はいないとする。出席番号i (i=1,2,…,n)i\ (i=1,2,\ldots,n)の生徒について、その英語の順位xxと理科の順位yyの組を(xi,yi)(x_i,y_i)で表す。

(1) 変量xxの平均値xˉ\bar{x}と分散sx2s_x^2をそれぞれ求めるとxˉ=あ,sx2=い\bar{x}=\boxed{\text{あ}},\quad s_x^2=\boxed{\text{い}} である。

(2) 変量x,yx,yの共分散をsxys_{xy}とする。クラスの人数nnが奇数の2倍であるとき、sxy≠0s_{xy}\ne0となることを示しなさい。

(3) i=1,2,…,ni=1,2,\ldots,nに対してdi=xi−yid_i=x_i-y_iとおく。変量x,yx,yの相関係数をrrとするとき、r=1−6うえ\displaystyle r=1-\frac{6}{\boxed{\text{う}}}\boxed{\text{え}} と表される。

(4) xix_iとyiy_iの間にyi=お(i=1,2,…,n)y_i=\boxed{\text{お}}\quad(i=1,2,\ldots,n)の関係があるときrrは最大値か\boxed{\text{か}}をとり、yi=き(i=1,2,…,n)y_i=\boxed{\text{き}}\quad(i=1,2,\ldots,n)の関係があるときrrは最小値く\boxed{\text{く}}をとる。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

順位が1からnまでの置換であることから平均・分散を求め、共分散の整数性、順位差の二乗和、平方和の非負性で各設問を示した。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)(\quad (あ)=n+12, (\displaystyle )=\frac{n+1}{2},\space{}(い)=n2−112;\displaystyle )=\frac{n^2-1}{12};\quad (2)sxy≠0;\quad s_{xy}\ne0;\quad (3)(\quad (う)=n(n2−1), ()=n(n^2-1),\space{}(え)=∑i=1ndi2;\displaystyle )=\sum\limits _{i=1}^n d_i^2;\quad (4)(\quad (お)=xi, ()=x_i,\space{}(か)=1, ()=1,\space{}(き)=n+1−xi, ()=n+1-x_i,\space{}(く)=−1.)=-1.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

どちらの科目にも同順位がないので、英語の順位xix_iは1,2,…,n1,2,\ldots,nを一度ずつとり、理科の順位yiy_iも同様である。したがって∑ixi=∑iyi=n(n+1)2\displaystyle \sum\limits _i x_i=\sum\limits _i y_i=\frac{n(n+1)}2、∑ixi2=∑iyi2=n(n+1)(2n+1)6\displaystyle \sum\limits _i x_i^2=\sum\limits _i y_i^2=\frac{n(n+1)(2n+1)}6。

(1) よってxˉ=1n∑ixi=n+12,sx2=1n∑ixi2−xˉ2=n2−112.\displaystyle \bar x=\frac1n\sum\limits _i x_i=\frac{n+1}{2},\qquad s_x^2=\frac1n\sum\limits _i x_i^2-\bar x^2=\frac{n^2-1}{12}.

(2) nnが奇数の2倍であるとし、n=2mn=2m(mmは奇数)とおく。もしsxy=0s_{xy}=0ならば0=sxy=1n∑i=1nxiyi−xˉyˉ,∑i=1nxiyi=n(n+1)24=m(2m+1)22.\displaystyle 0=s_{xy}=\frac1n\sum\limits _{i=1}^n x_i y_i-\bar x\bar y,\qquad \sum\limits _{i=1}^n x_i y_i=\frac{n(n+1)^2}{4}=\frac{m(2m+1)^2}{2}.左辺は整数である。一方、mmと2m+12m+1はともに奇数なので右辺は整数でない。矛盾するからsxy≠0s_{xy}\ne0。

(3) sy2=sx2=n2−112>0\displaystyle s_y^2=s_x^2=\frac{n^2-1}{12}>0である。また、di=(xi−xˉ)−(yi−yˉ)d_i=(x_i-\bar x)-(y_i-\bar y)なので∑i=1ndi2=∑i(xi−xˉ)2+∑i(yi−yˉ)2−2∑i(xi−xˉ)(yi−yˉ)=2n(sx2−sxy).\displaystyle \sum\limits _{i=1}^n d_i^2=\sum\limits _i(x_i-\bar x)^2+\sum\limits _i(y_i-\bar y)^2-2\sum\limits _i(x_i-\bar x)(y_i-\bar y)=2n(s_x^2-s_{xy}).r=sxy/sx2r=s_{xy}/s_x^2を代入すれば∑idi2=2nsx2(1−r)=n(n2−1)6(1−r),r=1−6n(n2−1)∑i=1ndi2.\displaystyle \sum\limits _i d_i^2=2n s_x^2(1-r)=\frac{n(n^2-1)}6(1-r),\qquad r=1-\frac{6}{n(n^2-1)}\sum\limits _{i=1}^n d_i^2.

(4) ∑idi2≧0\displaystyle \sum\limits _i d_i^2\ge0よりr≦1r\le1であり、等号はすべてのdi=0d_i=0、すなわちyi=xiy_i=x_iのときに成り立つ。一方、∑i((xi−xˉ)+(yi−yˉ))2=2n(sx2+sxy)=2nsx2(1+r)≧0\displaystyle \sum\limits _i\bigl((x_i-\bar x)+(y_i-\bar y)\bigr)^2=2n(s_x^2+s_{xy})=2n s_x^2(1+r)\ge0よりr≧−1r\ge-1。等号はすべてのxi+yi=n+1x_i+y_i=n+1、すなわちyi=n+1−xiy_i=n+1-x_iのときに成り立つ。この関係は各iiで理科順位も1,2,…,n1,2,\ldots,nを一度ずつとるので実現できる。したがって最大値は11、最小値は−1-1である。

この問題で使う考え方

  • 分散と標準偏差
  • 相関係数
  • 対偶・背理法による証明
  • 総和記号と数列の和

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