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慶應義塾大学/2021年度/前期

慶應義塾大学 2021年 数学 第IV問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2021年度第IV問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。

曲線y=ex+e−x2(x>0)\displaystyle y=\frac{e^x+e^{-x}}{2}\quad(x>0) をCCで表す。点Q(X,Y)Q(X,Y)を中心とする半径rrの円が曲線CCと、点P(t,et+e−t2)(ただし t>0)\displaystyle P\left(t,\frac{e^t+e^{-t}}{2}\right)\quad(\text{ただし }t>0) において共通の接線をもち、さらにX<tX<tであるとする。このときXXおよびYYをttの式で表すとX=あ,Y=いX=\boxed{\text{あ}},\quad Y=\boxed{\text{い}} となる。ttの関数X(t),Y(t)X(t),Y(t)をX(t)=あ,Y(t)=いX(t)=\boxed{\text{あ}},\quad Y(t)=\boxed{\text{い}} により定義する。すべてのt>0t>0に対してX(t)>0X(t)>0となるための条件は、rrが不等式う\boxed{\text{う}}を満たすことである。う\boxed{\text{う}}が成り立たないとき、関数Y(t)Y(t)はt=えt=\boxed{\text{え}}において最小値お\boxed{\text{お}}をとる。またう\boxed{\text{う}}が成り立つとき、YYをXXの関数と考えて、(dYdX)2+1=か\displaystyle \left(\frac{dY}{dX}\right)^2+1=\boxed{\text{か}} とYYの式で表される。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (あ)=t−rtanh⁡t,()=t-r\tanh t,\quad (い)=cosh⁡t+rcosh⁡t;(\displaystyle )=\cosh t+\frac r{\cosh t};\quad (う) r≦1;()\space{}r\le1;\quad (え)=log⁡(r+r−1),()=\log(\sqrt r+\sqrt{r-1}),\quad (お)=2r;()=2\sqrt r;\quad (か)=(Y+Y2−4r2)2.\displaystyle )=\left(\frac{Y+\sqrt{Y^2-4r}}2\right)^2.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

以下の記号は指数式の略記として定義する。 cosh⁡t=et+e−t2,sinh⁡t=et−e−t2,tanh⁡t=sinh⁡tcosh⁡t.\displaystyle \cosh t=\frac{e^t+e^{-t}}2,\qquad \sinh t=\frac{e^t-e^{-t}}2,\qquad \tanh t=\frac{\sinh t}{\cosh t}. 指数関数を微分すると (cosh⁡t)′=sinh⁡t(\cosh t)'=\sinh t、(sinh⁡t)′=cosh⁡t(\sinh t)'=\cosh t である。また cosh⁡2t−sinh⁡2t=(et+e−t)2−(et−e−t)24=1,(tanh⁡t)′=cosh⁡2t−sinh⁡2tcosh⁡2t=1cosh⁡2t.\displaystyle \cosh^2t-\sinh^2t =\frac{(e^t+e^{-t})^2-(e^t-e^{-t})^2}{4}=1, \qquad(\tanh t)'=\frac{\cosh^2t-\sinh^2t}{\cosh^2t} =\frac1{\cosh^2t}. t>0t>0 では et>e−te^t>e^{-t} なので sinh⁡t>0\sinh t>0、また cosh⁡t−1=(et/2−e−t/2)2/2>0\cosh t-1=(e^{t/2}-e^{-t/2})^2/2>0 である。 以下はこれらの指数式の計算だけを用いる。

f(x)=ex+e−x2\displaystyle f(x)=\frac{e^x+e^{-x}}2とおくと、f(t)=cosh⁡tf(t)=\cosh t、f′(t)=sinh⁡tf\prime(t)=\sinh tである。曲線の点P=(t,cosh⁡t)P=(t,\cosh t)における接線の方向ベクトルは(1,sinh⁡t)(1,\sinh t)であり、長さはcosh⁡t\cosh tだから、単位法線ベクトルの一つは(sinh⁡tcosh⁡t,−1cosh⁡t)=(tanh⁡t,−1cosh⁡t)\displaystyle \left(\frac{\sinh t}{\cosh t},-\frac1{\cosh t}\right)=(\tanh t,-\frac1{\cosh t})である。円の中心はこの法線上でPPから距離rrにある。X<tX<tでありtanh⁡t>0\tanh t>0なので、中心はこの単位法線と逆向きにrrだけ進んだ点である。したがってX(t)=t−rtanh⁡t,Y(t)=cosh⁡t+rcosh⁡t.\displaystyle X(t)=t-r\tanh t,\qquad Y(t)=\cosh t+\frac{r}{\cosh t}.

XXの微分はX′(t)=1−rcosh⁡2t\displaystyle X\prime(t)=1-\frac{r}{\cosh^2t}である。t>0t>0ならcosh⁡t>1\cosh t>1であるから、0<r≦10<r\le1ならX′(t)>0X\prime(t)>0であり、X(0)=0X(0)=0を連続的に定めるとX(t)>0X(t)>0となる。逆にr>1r>1ならX(0)=0X(0)=0、X′(0)=1−r<0X\prime(0)=1-r<0なので、十分小さい正のttでX(t)<0X(t)<0となる。よってすべてのt>0t>0でX(t)>0X(t)>0となる条件はr≦1r\le1である。

この条件が成り立たない場合はr>1r>1である。u=cosh⁡tu=\cosh tとおけばu>1u>1で、Y(t)=u+ru≧2r,\displaystyle Y(t)=u+\frac ru\ge2\sqrt r,等号はu=ru=\sqrt rのとき成立する。r>1r>1よりこの値はt>0t>0で実現し、最小値は2r2\sqrt rである。cosh⁡t=r\cosh t=\sqrt rを解くとet=r+r−1e^t=\sqrt r+\sqrt{r-1}(もう一方の解は1未満)なので、最小となるのはt=log⁡(r+r−1).t=\log(\sqrt r+\sqrt{r-1}).

一方、r≦1r\le1ならX′(t)>0X\prime(t)>0なのでYYをXXの関数とみなせる。またY′(t)=sinh⁡t−rsinh⁡tcosh⁡2t=sinh⁡t X′(t),dYdX=sinh⁡t.\displaystyle Y\prime(t)=\sinh t-\frac{r\sinh t}{\cosh^2t}=\sinh t\,X\prime(t),\qquad \frac{dY}{dX}=\sinh t.よって(dYdX)2+1=cosh⁡2t\displaystyle \left(\frac{dY}{dX}\right)^2+1=\cosh^2t。c=cosh⁡t>1c=\cosh t>1とするとY=c+r/cY=c+r/cであり、ccは方程式c2−Yc+r=0c^2-Yc+r=0の大きい方の解である(r/c≦1<cr/c\le1<c)。したがって(dYdX)2+1=(Y+Y2−4r2)2.\displaystyle \left(\frac{dY}{dX}\right)^2+1=\left(\frac{Y+\sqrt{Y^2-4r}}2\right)^2.

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