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慶應義塾大学/2023年度/前期

慶應義塾大学 2023年 数学 第III問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2023年度第III問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。

座標平面上の曲線 y=1x2 (x≠0)\displaystyle y=\frac{1}{x^{2}}\ (x\neq0) を CC とする。a1a_1 を正の実数とし,点 A1(a1,1a12)\displaystyle A_1\left(a_1,\frac{1}{a_1^{2}}\right) における CC の接線を ℓ1\ell_1 とする。ℓ1\ell_1 と CC の交点で A1A_1 と異なるものを A2(a2,1a22)\displaystyle A_2\left(a_2,\frac{1}{a_2^{2}}\right) とする。次に,点 A2A_2 における CC の接線を ℓ2\ell_2 とし,ℓ2\ell_2 と CC の交点で A2A_2 と異なるものを A3(a3,1a32)\displaystyle A_3\left(a_3,\frac{1}{a_3^{2}}\right) とする。以下同様にして n=3,4,5,…n=3,4,5,\ldots に対して,An(an,1an2)\displaystyle A_n\left(a_n,\frac{1}{a_n^{2}}\right) における CC の接線を ℓn\ell_n とし,ℓn\ell_n と CC の交点で AnA_n と異なるものを An+1(an+1,1an+12)\displaystyle A_{n+1}\left(a_{n+1},\frac{1}{a_{n+1}^{2}}\right) とする。

(1) a2a1=(あ)\displaystyle \frac{a_2}{a_1}=\boxed{\text{(あ)}} であり,a3a1=(い)\displaystyle \frac{a_3}{a_1}=\boxed{\text{(い)}} である。

(2) ana_n を a1a_1 を用いて表すと an=(う)a_n=\boxed{\text{(う)}} であり,無限級数 ∑n=1∞an\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{\infty}a_n の和 TT を a1a_1 を用いて表すと T=(え)T=\boxed{\text{(え)}} である。

(3) a1a_1 を正の実数すべてにわたって動かすとき,三角形 A1A2A3A_1A_2A_3 の重心が描く軌跡の方程式を y=f(x)y=f(x) の形で求めると,f(x)=(お)f(x)=\boxed{\text{(お)}} となる。

(4) 三角形 A1A2A3A_1A_2A_3 が鋭角三角形になるための条件は (か)<a1<(き)\boxed{\text{(か)}}<a_1<\boxed{\text{(き)}} である。

(5) xx 軸上に2点 A1′(a1,0),A2′(a2,0)A_1'(a_1,0), A_2'(a_2,0) をとり,台形 A1A2A2′A1′A_1A_2A_2'A_1' の面積を S1S_1 とする。また,点 A1A_1 から点 A3A_3 にいたる曲線 CC の部分,および線分 A3A2A_3A_2 と A2A1A_2A_1 で囲まれた図形の面積を S2S_2 とする。このとき,S1:S2=(く):(け)S_1:S_2=\boxed{\text{(く)}}:\boxed{\text{(け)}} である。ただし (く)\boxed{\text{(く)}} と (け)\boxed{\text{(け)}} は互いに素な自然数である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

接線と曲線の交点を因数分解で求めて数列化する。座標を使って重心と辺長を計算し、余弦定理で鋭角条件を判定する。最後は境界線の式を区間ごとに定め、面積を積分する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (あ)=−12,\displaystyle =-\frac12,\quad (い)=14;\displaystyle =\frac14;\quad (う)=a1(−12)n−1,\displaystyle =a_1\left(-\frac12\right)^{n-1},\quad (え)=23a1;\displaystyle =\frac23a_1;\quad (お)=716x2 (x>0);\displaystyle =\frac{7}{16x^2}\space{}(x>0);\quad (か)=423,=\sqrt[3]{4\sqrt2},\quad (き)=853;=\sqrt[3]{8\sqrt5};\quad (く)=5,=5,\quad (け)=9.=9.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

an=t (t≠0)a_n=t\ (t\ne0) における接線は、y′=−2x−3y'= -2x^{-3} より ℓn:y=1t2−2t3(x−t)=3t2−2xt3\displaystyle \ell_n:\quad y=\frac{1}{t^2}-\frac{2}{t^3}(x-t)=\frac{3}{t^2}-\frac{2x}{t^3} である。これと y=1/x2y=1/x^2 との交点の xx 座標は 1x2=3t2−2xt3すなわち(x−t)2(2x+t)=0\displaystyle \frac1{x^2}=\frac3{t^2}-\frac{2x}{t^3} \quad\text{すなわち}\quad (x-t)^2(2x+t)=0 を満たす。x=tx=t 以外の交点は x=−t/2x=-t/2 だから、 an+1=−12an.\displaystyle a_{n+1}=-\frac12a_n.

(1) よって a2a1=−12\displaystyle \frac{a_2}{a_1}=-\frac12, a3a1=14\displaystyle \frac{a_3}{a_1}=\frac14 である。

(2) 漸化式から an=a1(−12)n−1.\displaystyle a_n=a_1\left(-\frac12\right)^{n-1}. 公比 −12\displaystyle -\frac12 の無限等比級数は収束するので、 T=∑n=1∞an=a11−(−1/2)=23a1.\displaystyle T=\sum\limits _{n=1}^{\infty}a_n=\frac{a_1}{1-(-1/2)}=\frac23a_1. したがって (う)=a1(−12)n−1\displaystyle (\text{う})=a_1(-\frac12)^{n-1}, (え)=23a1\displaystyle (\text{え})=\frac23a_1 である。

(3) a=a1>0a=a_1>0 とおくと A1=(a,1a2),A2=(−a2,4a2),A3=(a4,16a2).\displaystyle A_1=\left(a,\frac1{a^2}\right),\quad A_2=\left(-\frac a2,\frac4{a^2}\right),\quad A_3=\left(\frac a4,\frac{16}{a^2}\right). 重心の座標は (a−a/2+a/43,1/a2+4/a2+16/a23)=(a4,7a2).\displaystyle \left(\frac{a-a/2+a/4}{3},\frac{1/a^2+4/a^2+16/a^2}{3}\right) =\left(\frac a4,\frac7{a^2}\right). ここで x=a/4>0x=a/4>0 より a=4xa=4x だから、軌跡は y=716x2(x>0)\displaystyle y=\frac{7}{16x^2}\quad(x>0) である。

(4) 辺の長さの2乗は A1A22=9a24+9a4,A2A32=9a216+144a4,A3A12=9a216+225a4.\displaystyle A_1A_2^2=\frac{9a^2}{4}+\frac9{a^4},\quad A_2A_3^2=\frac{9a^2}{16}+\frac{144}{a^4},\quad A_3A_1^2=\frac{9a^2}{16}+\frac{225}{a^4}. 余弦定理より、各角が鋭角であることは、その角をはさむ2辺の長さの2乗の和が対辺の長さの2乗より大きいことと同値である。A1A_1 の角については A1A22+A1A32−A2A32=9a24+90a4>0\displaystyle A_1A_2^2+A_1A_3^2-A_2A_3^2=\frac{9a^2}{4}+\frac{90}{a^4}>0 で常に鋭角である。A2A_2 の角については A1A22+A2A32−A3A12=9a24−72a4>0すなわちa6>32.\displaystyle A_1A_2^2+A_2A_3^2-A_3A_1^2=\frac{9a^2}{4}-\frac{72}{a^4}>0 \quad\text{すなわち}\quad a^6>32. A3A_3 の角については A3A12+A2A32−A1A22=360a4−9a28>0すなわちa6<320.\displaystyle A_3A_1^2+A_2A_3^2-A_1A_2^2=\frac{360}{a^4}-\frac{9a^2}{8}>0 \quad\text{すなわち}\quad a^6<320. 以上より 326<a1<3206,\sqrt[6]{32}<a_1<\sqrt[6]{320}, すなわち (か)=423(\text{か})=\sqrt[3]{4\sqrt2}, (き)=853(\text{き})=\sqrt[3]{8\sqrt5} である。

(5) 以下 a=a1>0a=a_1>0 とする。台形の平行な辺の長さは 1/a21/a^2, 4/a24/a^2、その間の距離は 3a/23a/2 なので S1=12(1a2+4a2)3a2=154a.\displaystyle S_1=\frac12\left(\frac1{a^2}+\frac4{a^2}\right)\frac{3a}{2}=\frac{15}{4a}. 線分 A1A2A_1A_2 と A2A3A_2A_3 を含む直線はそれぞれ ℓ1(x)=3a2−2xa3,ℓ2(x)=12a2+16xa3\displaystyle \ell_1(x)=\frac3{a^2}-\frac{2x}{a^3},\qquad \ell_2(x)=\frac{12}{a^2}+\frac{16x}{a^3} である。横座標の範囲を分けると、−a/2≦x≦a/4-a/2\le x\le a/4 では上側が ℓ2\ell_2、下側が ℓ1\ell_1 であり、a/4≦x≦aa/4\le x\le a では上側が曲線 1/x21/x^2、下側が ℓ1\ell_1 である。したがって S2=∫−a/2a/4(ℓ2(x)−ℓ1(x)) dx+∫a/4a(1x2−ℓ1(x))dx=[9xa2+9x2a3]−a/2a/4+[−1x−3xa2+x2a3]a/4a=8116a+2716a=274a.\displaystyle \begin{aligned} S_2&=\int_{-a/2}^{a/4}(\ell_2(x)-\ell_1(x))\,dx +\int_{a/4}^{a}\left(\frac1{x^2}-\ell_1(x)\right)dx\\ &=\left[\frac{9x}{a^2}+\frac{9x^2}{a^3}\right]_{-a/2}^{a/4} +\left[-\frac1x-\frac{3x}{a^2}+\frac{x^2}{a^3}\right]_{a/4}^{a}\\ &=\frac{81}{16a}+\frac{27}{16a}=\frac{27}{4a}. \end{aligned} よって S1:S2=15:27=5:9S_1:S_2=15:27=5:9 であり、(く)=5(\text{く})=5, (け)=9(\text{け})=9 である。

この問題で使う考え方

  • 余弦定理
  • 座標による距離
  • 直線の方程式
  • 分数関数の性質
  • 曲線の接線
  • 無限等比級数
  • 不定積分・定積分の性質
  • 曲線で囲まれた面積

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