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北里大学/2002年度/B方式

北里大学 2002年 数学 第2問解答・解説

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1問題

北里大学2002年度第2問

2×22\times2 行列 AA は A2+2A−3E=OA^2+2A-3E=O を満たしている。ただし,AA は単位行列 EE の実数倍ではないとする。また,OO は零行列を表す。

(1) AA は逆行列をもつことを示し,逆行列 A−1A^{-1} を AA と EE を用いて表せ。

(2) (A−1)n=anA−1+bnE(n=1,2,3,…)(A^{-1})^n=a_nA^{-1}+b_nE\quad(n=1,2,3,\ldots) で定まる数列を {an},{bn}\{a_n\},\{b_n\} とする。a2,a3a_2,a_3 を求めよ。

(3) an+1−anan−an−1(n=2,3,4,…)\displaystyle \frac{a_{n+1}-a_n}{a_n-a_{n-1}}\quad(n=2,3,4,\ldots) は定数になることを示し,その値を求めよ。

(4) 数列 {an}\{a_n\} の一般項 ana_n を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)A−1=A+2E3;(2)a2=23,a3=79;(3)an+1−anan−an−1=−13(n≧2);(4)an=34+14(−13)n−1(n≧1).\displaystyle \begin{aligned} (1)\quad&A^{-1}=\frac{A+2E}{3};\\ (2)\quad&a_2=\frac23,\qquad a_3=\frac79;\\ (3)\quad&\frac{a_{n+1}-a_n}{a_n-a_{n-1}}=-\frac13\quad(n\ge2);\\ (4)\quad&a_n=\frac34+\frac14\left(-\frac13\right)^{n-1}\quad(n\ge1). \end{aligned}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 与えられた式を変形すると A(A+2E)=A2+2A=3E,(A+2E)A=3E.A(A+2E)=A^2+2A=3E,\qquad (A+2E)A=3E. したがって X=(A+2E)/3X=(A+2E)/3 とおけば AX=XA=EAX=XA=E である。よって AA は逆行列をもち、 A−1=A+2E3.\displaystyle A^{-1}=\frac{A+2E}{3}.

(2) B=A−1B=A^{-1} とおく。(1)より BA=AB=EBA=AB=E なので、もとの等式の両辺に左から B2B^2 を掛ければ E+2B−3B2=O,B2=23B+13E.\displaystyle E+2B-3B^2=O,\qquad B^2=\frac23B+\frac13E. 定義から B=a1B+b1EB=a_1B+b_1E で a1=1, b1=0a_1=1,\ b_1=0。また B2=23B+13E\displaystyle B^2=\frac23B+\frac13E より a2=2/3a_2=2/3。さらに B3=B(23B+13E)=23B2+13B=79B+29E\displaystyle B^3=B\left(\frac23B+\frac13E\right) =\frac23B^2+\frac13B =\frac79B+\frac29E であるから a3=7/9a_3=7/9。

(3) B2=(2/3)B+(1/3)EB^2=(2/3)B+(1/3)E の両辺に BnB^n を掛けると Bn+2=23Bn+1+13Bn.\displaystyle B^{n+2}=\frac23B^{n+1}+\frac13B^n. BB は単位行列の実数倍ではない。実際、もし B=cEB=cE なら c≠0c\ne0 で A=c−1EA=c^{-1}E となり、仮定に反する。したがって B,EB,E は一次独立であり、係数を比較して an+2=23an+1+13an.\displaystyle a_{n+2}=\frac23a_{n+1}+\frac13a_n. これを n−1n-1 に適用すると、n≧2n\ge2 で an+1−an=23an+13an−1−an=−13(an−an−1).\displaystyle a_{n+1}-a_n =\frac23a_n+\frac13a_{n-1}-a_n =-\frac13(a_n-a_{n-1}). また a2−a1=−1/3≠0a_2-a_1=-1/3\ne0 だから、この関係を繰り返すとすべての分母 an−an−1a_n-a_{n-1} は 00 でない。よって an+1−anan−an−1=−13.\displaystyle \frac{a_{n+1}-a_n}{a_n-a_{n-1}}=-\frac13.

(4) dn=an−an−1d_n=a_n-a_{n-1} とすると、(3)より dn+1=−dn/3d_{n+1}=-d_n/3、かつ d2=−1/3d_2=-1/3 である。したがって dn=(−13)n−1.\displaystyle d_n=\left(-\frac13\right)^{n-1}. ゆえに an=a1+∑k=2ndk=1+∑k=1n−1(−13)k=34+14(−13)n−1.\displaystyle a_n=a_1+\sum\limits _{k=2}^{n}d_k =1+\sum\limits _{k=1}^{n-1}\left(-\frac13\right)^k =\frac34+\frac14\left(-\frac13\right)^{n-1}.

この問題で使う考え方

  • 行列を用いた表現
  • 漸化式
  • 階差・和の利用
  • 等比数列の一般項と和

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