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大阪大学/2008年度/前期

大阪大学 2008年 数学 第1問解答・解説

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1問題

大阪大学2008年度第1問

22 次の正方行列 A0,A1,A2,A3,…A_0,A_1,A_2,A_3,\ldots を A0=O,An=B+An−1C(n=1,2,3,…)A_0=O,\qquad A_n=B+A_{n-1}C\quad(n=1,2,3,\ldots) で定める。ただし,OO は 22 次の零行列,BB と CC は 22 次の正方行列とする。

(1) An(E−C)A_n(E-C) を BB と CC を用いて表せ。ここで EE は 22 次の単位行列とする。

(2) BB と CC を B=(0110),C=(13−11)B=\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix},\qquad C=\begin{pmatrix}1&3\\-1&1\end{pmatrix} とするとき,A3nA_{3n} を求めよ。(配点率 20 %20\,\%)

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

漸化式を有限和に展開し、指定行列の冪を成分計算で調べて3項ずつまとめる。最後は通常の有限等比数列の和で表す。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) An(E−C)=B(E−Cn)/(1)\space{}A_n(E-C)=B(E-C^n)\quad/
    (2) A3n=((−8)n−13001−(−8)n)\displaystyle (2)\space{}A_{3n}=\begin{pmatrix}\dfrac{(-8)^n-1}{3}&0\\[2pt]0&1-(-8)^n\end{pmatrix}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 漸化式を繰り返し用いると A1=B,A2=B+BC,A3=B+BC+BC2A_1=B,\qquad A_2=B+BC,\qquad A_3=B+BC+BC^2 となる。一般に An=B+BC+BC2+⋯+BCn−1=B(E+C+C2+⋯+Cn−1)A_n=B+BC+BC^2+\cdots+BC^{n-1} =B\left(E+C+C^2+\cdots+C^{n-1}\right) である。実際、右辺は n=1n=1 で A1=BA_1=B に一致し、これを SnS_n とすると B+AnC=B+B(E+C+⋯+Cn−1)C=B(E+C+⋯+Cn)B+A_nC =B+B(E+C+\cdots+C^{n-1})C =B(E+C+\cdots+C^n) となるので、漸化式から帰納的に成り立つ。従って、右から E−CE-C を掛けると An(E−C)=B{(E−C)+(C−C2)+⋯+(Cn−1−Cn)}=B(E−Cn).\begin{aligned} A_n(E-C) &=B\{(E-C)+(C-C^2)+\cdots+(C^{n-1}-C^n)\}\\ &=B(E-C^n). \end{aligned} ゆえに求める式は B(E−Cn)B(E-C^n) である。

(2) 与えられた CC について、成分ごとの積を計算すると C2=(13−11)(13−11)=(−26−2−2),C3=C2C=(−800−8)=−8E.C^2= \begin{pmatrix} 1&3\\-1&1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} 1&3\\-1&1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -2&6\\-2&-2 \end{pmatrix}, \qquad C^3=C^2C= \begin{pmatrix} -8&0\\0&-8 \end{pmatrix} =-8E. (1)で得た有限和表示を 3n3n に適用すると A3n=B∑k=03n−1Ck=B∑j=0n−1(C3j+C3j+1+C3j+2)=B(∑j=0n−1(−8)j)(E+C+C2).\displaystyle \begin{aligned} A_{3n} &=B\sum\limits _{k=0}^{3n-1}C^k\\ &=B\sum\limits _{j=0}^{n-1}\left(C^{3j}+C^{3j+1}+C^{3j+2}\right)\\ &=B\left(\sum\limits _{j=0}^{n-1}(-8)^j\right)(E+C+C^2). \end{aligned} ここでは C3=−8EC^3=-8E を繰り返し掛けたため、各括弧の項は C3j+C3j+1+C3j+2=(−8)j(E+C+C2)C^{3j}+C^{3j+1}+C^{3j+2}=(-8)^j(E+C+C^2) となる。また E+C+C2=(09−30),B(E+C+C2)=(−3009),E+C+C^2= \begin{pmatrix} 0&9\\-3&0 \end{pmatrix},\qquad B(E+C+C^2)= \begin{pmatrix} -3&0\\0&9 \end{pmatrix}, および ∑j=0n−1(−8)j=1−(−8)n9\displaystyle \sum\limits _{j=0}^{n-1}(-8)^j=\frac{1-(-8)^n}{9} より A3n=1−(−8)n9(−3009)=((−8)n−13001−(−8)n).\displaystyle A_{3n} =\frac{1-(-8)^n}{9} \begin{pmatrix} -3&0\\0&9 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \dfrac{(-8)^n-1}{3}&0\\[3pt] 0&1-(-8)^n \end{pmatrix}. この式は n=0n=0 でも A0=OA_0=O と一致する。

この問題で使う考え方

  • 等比数列の一般項と和
  • 数学的帰納法
  • 漸化式
  • 総和記号と数列の和
  • 階差・和の利用
  • 行列を用いた表現

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