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北里大学/2011年度/選抜(前期)

北里大学 2011年 数学 第2問解答・解説

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1問題

北里大学2011年度第2問

kk は k≠1k\neq 1 を満たす実数とし、行列 A,EA,E を A=(3k+12−5kk−92k+4),E=(1001)A=\begin{pmatrix}3k+1&2-5k\\k-9&2k+4\end{pmatrix},\qquad E=\begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix} とする。AA が逆行列をもたないとき、以下の問に答えよ。この問は解答の過程を必ず記すこと。

(1) kk の値を求めよ。

(2) (E+A)2=E+a2A(E+A)^2=E+a_2A を満たす実数 a2a_2 を求めよ。

(3) nn は自然数とする。(E+A)n(E+A)^n を実数 ana_n を用いて (E+A)n=E+anA(E+A)^n=E+a_nA と表わすとき、an+1a_{n+1} を ana_n を用いて表わせ。また、ana_n を nn を用いて表わせ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

2元連立方程式の消去と行列の成分計算でkとA²を決め、漸化式を等比数列に変形して一般項を求めた。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)  k=2;(1)\;k=2;
    (2)  a2=17;(2)\;a_2=17;
    (3)  an+1=16an+1,a1=1,an=16n−115  (n≧1).\displaystyle (3)\;a_{n+1}=16a_n+1,\quad a_1=1,\quad a_n=\dfrac{16^n-1}{15}\;(n\ge1).

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) AA が逆行列をもたないので、連立方程式 A(xy)=(00)\displaystyle A\binom{x}{y}=\binom00 は (x,y)≠(0,0)(x,y)\ne(0,0) を満たす解をもつ。これを消去法から確認する。もし右辺が0のこの連立方程式の解が (x,y)=(0,0)(x,y)=(0,0) だけなら、第一式には少なくとも一つ非零係数がある。必要なら未知数の順を入れ替え、その係数を用いて一文字を消去できる。消去後に残る文字の係数も非零でなければこの連立方程式に (x,y)≠(0,0)(x,y)\ne(0,0) の解ができるから、その係数は非零である。したがって同じ消去で右辺を任意に与えた2元連立方程式も一意に解け、右辺を (1,0)(1,0)、(0,1)(0,1) とした解を列にもつ逆行列を作れる。これは仮定に反するので、斉次系には非零解がある。

したがって (3k+1)x+(2−5k)y=0,(k−9)x+(2k+4)y=0(3k+1)x+(2-5k)y=0,\qquad (k-9)x+(2k+4)y=0 に非零解がある。3k+1=03k+1=0、すなわち k=−13\displaystyle k=-\frac13 とすると、第1式から y=0y=0、第2式から x=0x=0 となり非零解に反する。よって 3k+1≠03k+1\ne0。また y=0y=0 なら第1式から x=0x=0 となるので、非零解では y≠0y\ne0 である。第1式から x=5k−23k+1y.\displaystyle x=\frac{5k-2}{3k+1}y. これを第2式に代入し、y≠0y\ne0 と 3k+1≠03k+1\ne0 を用いると (k−9)(5k−2)+(2k+4)(3k+1)=0,(k-9)(5k-2)+(2k+4)(3k+1)=0, すなわち 11(k−1)(k−2)=011(k-1)(k-2)=0。条件 k≠1k\ne1 より k=2k=2。このとき A=(7−8−78)A=\begin{pmatrix}7&-8\\-7&8\end{pmatrix} であり、2行目は1行目の −1-1 倍なので実際に逆行列をもたない。

(2) k=2k=2 を代入して成分ごとに積を計算すると A2=(7−8−78)(7−8−78)=(105−120−105120)=15A.A^2=\begin{pmatrix}7&-8\\-7&8\end{pmatrix}\begin{pmatrix}7&-8\\-7&8\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}105&-120\\-105&120\end{pmatrix}=15A. したがって (E+A)2=E+2A+A2=E+17A,(E+A)^2=E+2A+A^2=E+17A, ゆえに a2=17a_2=17。

(3) 与えられた形を用いて nn 乗から (n+1)(n+1) 乗を作ると (E+A)n+1=(E+anA)(E+A)=E+(an+1)A+anA2=E+(16an+1)A.(E+A)^{n+1}=(E+a_nA)(E+A)=E+(a_n+1)A+a_nA^2=E+(16a_n+1)A. よって an+1=16an+1a_{n+1}=16a_n+1。また n=1n=1 では E+A=E+a1AE+A=E+a_1A なので a1=1a_1=1。漸化式を an+1+115=16(an+115)\displaystyle a_{n+1}+\frac1{15}=16\left(a_n+\frac1{15}\right) と変形すると、an+115\displaystyle a_n+\frac1{15} は初項 1615\displaystyle \frac{16}{15}、公比 1616 の等比数列である。したがって an+115=1615 16n−1=16n15,an=16n−115(n≧1).\displaystyle a_n+\frac1{15}=\frac{16}{15}\,16^{n-1}=\frac{16^n}{15},\qquad a_n=\frac{16^n-1}{15}\quad(n\ge1). この式は n=1n=1 で 11、n=2n=2 で 1717 を与え、初期値と前問の値にも一致する。

この問題で使う考え方

  • 行列を用いた表現
  • 漸化式
  • 等比数列の一般項と和

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