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高知大学/2014年度/前期

高知大学 2014年 数学 第4問解答・解説

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1問題

高知大学2014年度第4問

kk は 11 以上の整数であるとする。連続した整数が書かれた 2k−12^k-1 枚のカードが一組あり,その中に無作為に選ばれた当たりが一枚だけ含まれているとする。次のようなルールで当たりのカードにたどりつくことを考える。

(i) カードのうち,ちょうど真ん中の整数の書かれたカードをひく。それが当たりなら終了する。

(ii) ハズレならば,真ん中の整数より大きいカードの組と小さいカードの組に分ける。

(iii) 当たりのカードの含まれた組を教えてもらい,その組に対して,(i) に戻って繰り返す。

このルールのもとで,ひいたカードの枚数の期待値を EkE_k とおく。このとき,次の問いに答えなさい。

(1) E1, E2, E3, E4E_1,\ E_2,\ E_3,\ E_4 を求めよ。

(2) Ek+1E_{k+1} を EkE_k を用いて表せ。

(3) dk=Ek−12k(Ek+1)\displaystyle d_k=E_k-\frac{1}{2^k}(E_k+1) とおくとき,dkd_k のみたす漸化式を求めよ。

(4) EkE_k を求めよ。

(5) lim⁡k→∞(Ek−k)\displaystyle\lim\limits _{k\to\infty}(E_k-k) を求めよ。ただし,lim⁡k→∞k2k=0\displaystyle\lim\limits _{k\to\infty}\frac{k}{2^k}=0 であることを用いてもよい。

(100点)

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) E1=1, E2=53, E3=177, E4=4915\displaystyle E_1=1,\ E_2=\frac53,\ E_3=\frac{17}{7},\ E_4=\frac{49}{15}。 (2) Ek+1=1+2(2k−1)2k+1−1Ek\displaystyle E_{k+1}=1+\frac{2(2^k-1)}{2^{k+1}-1}E_k。 (3) dk+1=dk+1d_{k+1}=d_k+1。 (4) Ek=(k−1)2k+12k−1\displaystyle E_k=\frac{(k-1)2^k+1}{2^k-1}。 (5) lim⁡k→∞(Ek−k)=−1\displaystyle \lim\limits _{k\to\infty}(E_k-k)=-1。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

当たりカードは全 2k−12^k-1 枚の中から一様に1枚選ばれている。初めの組のカード枚数を 2k−12^k-1 とし、この手順で引く枚数の期待値を EkE_k とする。

準備 k≧2k\ge2 とする。最初に中央のカードを1枚引く。当たりがそこにある確率は 1/(2k−1)1/(2^k-1) で、その場合は終了する。外れる確率は (2k−2)/(2k−1)(2^k-2)/(2^k-1)。外れたとき、当たりを含む側の組は同じ枚数の2組から選ばれ、当たり位置はその組の中で一様である。その組の枚数は (2k−1)−12=2k−1−1\displaystyle \frac{(2^k-1)-1}{2}=2^{k-1}-1 なので、そこから先の手順の期待引き枚数は Ek−1E_{k-1} である。最初の1枚を含めると Ek=1+2k−22k−1Ek−1(k≧2).(1)\displaystyle E_k=1+\frac{2^k-2}{2^k-1}E_{k-1}\qquad(k\ge2). \tag{1}

(1) k=1k=1 ではカードは1枚なので E1=1E_1=1。式(1)を順に使うと E2=1+23E1=53,E3=1+67E2=177,E4=1+1415E3=4915.\displaystyle E_2=1+\frac23E_1=\frac53,\qquad E_3=1+\frac67E_2=\frac{17}{7},\qquad E_4=1+\frac{14}{15}E_3=\frac{49}{15}.

(2) 式(1)の kk を k+1k+1 に置き換えると Ek+1=1+2k+1−22k+1−1Ek=1+2(2k−1)2k+1−1Ek(k≧1).\displaystyle E_{k+1}=1+\frac{2^{k+1}-2}{2^{k+1}-1}E_k =1+\frac{2(2^k-1)}{2^{k+1}-1}E_k\qquad(k\ge1).

(3) m=2km=2^k とおく。dkd_k の定義から dk=Ek−Ek+1m=(m−1)Ek−1m.(2)\displaystyle d_k=E_k-\frac{E_k+1}{m}=\frac{(m-1)E_k-1}{m}. \tag{2} (2)の漸化式を用いて dk+1d_{k+1} を整理すると dk+1=Ek+1−Ek+1+12m=(2m−1)Ek+1−12m=(2m−1)+2(m−1)Ek−12m=(m−1)(Ek+1)m=dk+1,\displaystyle \begin{aligned} d_{k+1}&=E_{k+1}-\frac{E_{k+1}+1}{2m}\\ &=\frac{(2m-1)E_{k+1}-1}{2m}\\ &=\frac{(2m-1)+2(m-1)E_k-1}{2m}\\ &=\frac{(m-1)(E_k+1)}{m}=d_k+1, \end{aligned} 最後の等号は(2)から従う。したがって求める漸化式は dk+1=dk+1(k≧1).d_{k+1}=d_k+1\qquad(k\ge1).

(4) d1=E1−(E1+1)/2=0d_1=E_1-(E_1+1)/2=0 なので、(3)より dk=k−1d_k=k-1。式(2)に代入すると (2k−1)Ek−12k=k−1,\displaystyle \frac{(2^k-1)E_k-1}{2^k}=k-1, よって Ek=(k−1)2k+12k−1.\displaystyle E_k=\frac{(k-1)2^k+1}{2^k-1}.

(5) 上の式から Ek−k=k+1−2k2k−1=k/2k+1/2k−11−1/2k.\displaystyle E_k-k=\frac{k+1-2^k}{2^k-1} =\frac{k/2^k+1/2^k-1}{1-1/2^k}. 問題で与えられた k/2k→0k/2^k\to0 と 1/2k→01/2^k\to0 を用いると、分子は −1-1 に、分母は 11 に収束する。従って lim⁡k→∞(Ek−k)=−1.\displaystyle \lim\limits _{k\to\infty}(E_k-k)=-1.

この問題で使う考え方

  • 一様な当たり位置の条件付き確率
  • 期待値の漸化式
  • 定義された数列の変換
  • 極限の式変形

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