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鹿児島大学/2023年度/前期

鹿児島大学 2023年 数学 第3問解答・解説

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1問題

鹿児島大学2023年度第3問

次の 3-1, 3-2, 3-33\text{-}1,\ 3\text{-}2,\ 3\text{-}3 から1題を選択して解答せよ。解答用紙の所定の欄に、解答する問題の番号を記入すること。

3-13\text{-}1 自然数 nn に対して、an,bna_n,b_n を (1+52)n=an+bn5\displaystyle \left(\frac{1+\sqrt{5}}{2}\right)^n=a_n+b_n\sqrt{5} を満たす有理数とする。ただし、4つの有理数 a,b,c,da,b,c,d が a+b5=c+d5a+b\sqrt{5}=c+d\sqrt{5} を満たせば a=ca=c かつ b=db=d が成り立つので、an,bna_n,b_n は各自然数 nn に対し1通りに定まることに注意する。

(1) nn が3の倍数であるとき、an,bna_n,b_n がともに整数となることを示せ。

(2) 自然数 nn が3の倍数であるとき、an,bna_n,b_n のどちらか一方が偶数で他方が奇数となることを示せ。

(3) an,bna_n,b_n がともに整数となるのは nn が3の倍数のときに限ることを示せ。

3-23\text{-}2 空間に異なる4点 P,A,B,CP,A,B,C があり、次の条件が満たされているとする。

・三角形 PABPAB は1辺の長さが1の正三角形である。

・線分 PAPA と線分 PCPC は正六角形の隣り合う2辺である。この正六角形を α\alpha とおく。

・線分 PBPB と線分 PCPC は α\alpha とは異なる正六角形の隣り合う2辺である。この正六角形を β\beta とおく。

(1) 内積 PA→⋅PB→, PA→⋅PC→, PB→⋅PC→\overrightarrow{PA}\cdot\overrightarrow{PB},\ \overrightarrow{PA}\cdot\overrightarrow{PC},\ \overrightarrow{PB}\cdot\overrightarrow{PC} を求めよ。

さらに、次の条件を満たすような異なる3点 H,Q,RH,Q,R を考える。

・HH は線分 PAPA 上にある。

・QQ は3点 P,A,BP,A,B によって定まる平面を直線 PAPA で2分割した領域のうち BB を含む側にあり、線分 HQHQ は長さ1で PAPA に垂直である。

・RR は正六角形 α\alpha の内部にあり、線分 HRHR は長さ1で PAPA に垂直である。

(2) HQ→\overrightarrow{HQ} と HR→\overrightarrow{HR} を PA→,PB→,PC→\overrightarrow{PA},\overrightarrow{PB},\overrightarrow{PC} を用いて表せ。

(3) HQ→\overrightarrow{HQ} と HR→\overrightarrow{HR} のなす角を θ\theta とするとき、cos⁡θ\cos\theta を求めよ。

3-33\text{-}3 袋に赤玉4個と白玉2個が入っている。無作為に玉を1個取り出して、それが赤玉であれば白玉と、白玉であれば赤玉と取り換えて袋に戻すという操作を考える。この操作を2回繰り返したあと袋にある赤玉の数を XX とし、一方、3回繰り返したあと袋にある白玉の数を YY とする。

(1) 確率 P(X=4)P(X=4) を求めよ。

(2) 確率変数 XX の期待値 E(X)E(X) と分散 V(X)V(X) を求めよ。

(3) 確率変数 YY の期待値 E(Y)E(Y) を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 3-1(1)
    n=3kn=3kならan,bna_n,b_nは整数
  • 3-1(2)
    k偶数:(奇,偶)、k奇数:(偶,奇)
  • 3-1(3)
    an,bna_n,b_nがともに整数 iff 3|n
  • 3-2(1)
    12,−12,−12\displaystyle \frac{1}{2}, -\frac{1}{2}, -\frac{1}{2}
  • 3-2(2)
    HQ→=−PA→+2PB→3,HR→=PA→+2PC→3\displaystyle \overrightarrow{HQ}=\frac{-\overrightarrow{PA}+2\overrightarrow{PB}}{\sqrt3},\quad \overrightarrow{HR}=\frac{\overrightarrow{PA}+2\overrightarrow{PC}}{\sqrt3}
  • 3-2(3)
    cos⁡θ=−13\displaystyle \cos\theta=-\frac13
  • 3-3(1)
    P(X=4)=11/18P(X=4)=11/18
  • 3-3(2)
    E(X)=31/9,V(X)=101/81E(X)=31/9, V(X)=101/81
  • 3-3(3)
    E(Y)=73/27E(Y)=73/27

3解答

解答を見る途中式つきの解答

3-1(整数性) ϕ=(1+5)/2\phi=(1+\sqrt5)/2 と置けば ϕ2=ϕ+1\phi^2=\phi+1, よって ϕ3=2+5\phi^3=2+\sqrt5 である。各整数 k≧0k\ge0 について (2+5)k=Ak+Bk5(2+\sqrt5)^k=A_k+B_k\sqrt5 と書くと、A0=1,B0=0A_0=1,B_0=0 であり Ak+1=2Ak+5Bk,Bk+1=Ak+2Bk.A_{k+1}=2A_k+5B_k,\qquad B_{k+1}=A_k+2B_k. 帰納法により Ak,BkA_k,B_k は整数。さらに (Ak+1,Bk+1)≡(Bk,Ak)(mod2),(A_{k+1},B_{k+1})\equiv(B_k,A_k)\pmod2, だから kk 偶数なら偶奇は (奇,偶)、kk 奇数なら (偶,奇) となる。

n=3kn=3k なら ϕn=Ak+Bk5\phi^n=A_k+B_k\sqrt5 なので an=Ak,bn=Bka_n=A_k,b_n=B_k は整数である。逆に n=3k+1n=3k+1 なら係数は an=Ak+5Bk2,bn=Ak+Bk2,\displaystyle a_n=\frac{A_k+5B_k}{2},\qquad b_n=\frac{A_k+B_k}{2}, n=3k+2n=3k+2 なら an=3Ak+5Bk2,bn=Ak+3Bk2.\displaystyle a_n=\frac{3A_k+5B_k}{2},\qquad b_n=\frac{A_k+3B_k}{2}. どちらの場合も各分子は Ak+BkA_k+B_k と同じ奇偶であり、これは奇数。よって係数は整数でない。従って両係数が整数である必要十分条件は 3∣n3\mid n。

3-2(ベクトル) u=PA→,v=PB→,w=PC→\boldsymbol u=\overrightarrow{PA},\boldsymbol v=\overrightarrow{PB},\boldsymbol w=\overrightarrow{PC} とする。各辺長は1で、正三角形と各正六角形の内角から u⋅v=12,u⋅w=v⋅w=−12.\displaystyle \boldsymbol u\cdot\boldsymbol v=\frac12,\qquad \boldsymbol u\cdot\boldsymbol w=\boldsymbol v\cdot\boldsymbol w=-\frac12. よって(1)の答は順に 1/2,−1/2,−1/21/2,-1/2,-1/2。PAPA に垂直な PBPB の成分は v−u/2\boldsymbol v-\boldsymbol u/2(長さ 3/2\sqrt3/2)で、指定側に向くので HQ→=2v−u3.\displaystyle \overrightarrow{HQ}=\frac{2\boldsymbol v-\boldsymbol u}{\sqrt3}. 同様に PAPA に垂直な PCPC の成分は w+u/2\boldsymbol w+\boldsymbol u/2(長さ 3/2\sqrt3/2)で、六角形 α\alpha 内部に向くから HR→=u+2w3.\displaystyle \overrightarrow{HR}=\frac{\boldsymbol u+2\boldsymbol w}{\sqrt3}. 両者の長さは1なので cos⁡θ=HQ→⋅HR→=(2v−u)⋅(u+2w)3=−13.\displaystyle \cos\theta=\overrightarrow{HQ}\cdot\overrightarrow{HR} =\frac{(2\boldsymbol v-\boldsymbol u)\cdot(\boldsymbol u+2\boldsymbol w)}{3}=-\frac13.

3-3(確率) 赤玉が rr 個のとき、次の赤玉数は r−1r-1 または r+1r+1 であり、その確率はそれぞれ r/6,(6−r)/6r/6,(6-r)/6。2回後について P(X=2)=4636=13,P(X=4)=1118,P(X=6)=2616=118.\displaystyle P(X=2)=\frac46\frac36=\frac13,\quad P(X=4)=\frac{11}{18},\quad P(X=6)=\frac26\frac16=\frac1{18}. したがって E(X)=319,E(X2)=1189,V(X)=1189−(319)2=10181.\displaystyle E(X)=\frac{31}{9},\quad E(X^2)=\frac{118}{9},\quad V(X)=\frac{118}{9}-\left(\frac{31}{9}\right)^2=\frac{101}{81}. 赤玉数を RtR_t とすれば、赤玉数が rr のとき次の条件付き期待値は (r−1)r6+(r+1)6−r6=23r+1.\displaystyle (r-1)\frac r6+(r+1)\frac{6-r}{6}=\frac23r+1. よって E(Rt+1)=23E(Rt)+1\displaystyle E(R_{t+1})=\tfrac23E(R_t)+1。初めは R0=4R_0=4 なので E(R3)=89/27E(R_3)=89/27。Y=6−R3Y=6-R_3 より E(Y)=73/27E(Y)=73/27。

問題3は三つの選択肢から一つを選ぶ形式なので、選択肢3-1・3-2・3-3を別々に検算した。3-1は係数の漸化式と偶奇、3-2は正多角形の角からの内積と垂直成分、3-3は赤玉数の遷移確率と期待値漸化式で求める。

この問題で使う考え方

  • 漸化式と数学的帰納法
  • 偶奇による整数判定
  • 内積と垂直成分
  • 状態遷移確率
  • 期待値の漸化式

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