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熊本大学/2003年度/前期

熊本大学 2003年 数学 第4問解答・解説

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1問題

熊本大学2003年度第4問

2つの関数 f(x)f(x) と g(x)g(x) が次の関係式 {f(x)=∫0x(g(t)+tcos⁡t) dt+sin⁡x,g(x)=sin⁡x+∫−π2π2(f′(t)−cos⁡t) dt\displaystyle \begin{cases}f(x)=\displaystyle\int_{0}^{x}\bigl(g(t)+t\cos t\bigr)\,dt+\sin x,\\[4pt]g(x)=\sin x+\displaystyle\int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}}\bigl(f'(t)-\cos t\bigr)\,dt\end{cases} を満たすとき,次の問いに答えよ。

(1) f(x)f(x) と g(x)g(x) を求めよ。

(2) ∫0π(f(x)−g(x))2 dx\displaystyle\int_{0}^{\pi}(f(x)-g(x))^{2}\,dx を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) f(x)=(x+1)sin⁡x,g(x)=sin⁡xf(x)=(x+1)\sin x,\quad g(x)=\sin x。 (2) π36−π4=π(2π2−3)12\displaystyle \frac{\pi^3}{6}-\frac{\pi}{4}=\frac{\pi(2\pi^2-3)}{12}。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 第2式の定積分はxxに依らない定数である。これを c=∫−π/2π/2(f′(t)−cos⁡t) dt\displaystyle c=\int_{-\pi/2}^{\pi/2}\bigl(f'(t)-\cos t\bigr)\,dt とおくと、g(x)=sin⁡x+cg(x)=\sin x+cとなる。第1式に代入し、部分積分による ∫0xtcos⁡t dt=[tsin⁡t+cos⁡t]0x=xsin⁡x+cos⁡x−1\displaystyle \int_0^x t\cos t\,dt=\bigl[t\sin t+\cos t\bigr]_0^x=x\sin x+\cos x-1 を用いると、 f(x)=∫0x(sin⁡t+c+tcos⁡t) dt+sin⁡x=1−cos⁡x+cx+xsin⁡x+cos⁡x−1+sin⁡x=(x+1)sin⁡x+cx.\displaystyle \begin{aligned} f(x)&=\int_0^x(\sin t+c+t\cos t)\,dt+\sin x\\ &=1-\cos x+cx+x\sin x+\cos x-1+\sin x\\ &=(x+1)\sin x+cx. \end{aligned} したがって端点の値は f(π2)=π2+1+cπ2,f(−π2)=π2−1−cπ2\displaystyle f\left(\frac{\pi}{2}\right)=\frac{\pi}{2}+1+\frac{c\pi}{2},\qquad f\left(-\frac{\pi}{2}\right)=\frac{\pi}{2}-1-\frac{c\pi}{2} である。一方、ccの定義より c=f(π2)−f(−π2)−[sin⁡t]−π/2π/2=(2+cπ)−2=cπ.\displaystyle \begin{aligned} c&=f\left(\frac{\pi}{2}\right)-f\left(-\frac{\pi}{2}\right)-\bigl[\sin t\bigr]_{-\pi/2}^{\pi/2}\\ &=(2+c\pi)-2=c\pi. \end{aligned} π≠1\pi\ne1なので、c=0c=0である。よって f(x)=(x+1)sin⁡x,g(x)=sin⁡x.\boxed{f(x)=(x+1)\sin x,\qquad g(x)=\sin x}. この2つの関数を第1式の右辺に代入すると、上の積分計算から(x+1)sin⁡x=f(x)(x+1)\sin x=f(x)を得る。また f′(t)−cos⁡t=sin⁡t+tcos⁡tf'(t)-\cos t=\sin t+t\cos t は奇関数なので、その−π/2-\pi/2からπ/2\pi/2までの定積分は00となり、第2式も満たす。

(2) (1)よりf(x)−g(x)=xsin⁡xf(x)-g(x)=x\sin xである。二倍角の公式から I=∫0π(f(x)−g(x))2 dx=∫0πx2sin⁡2x dx=12∫0πx2 dx−12∫0πx2cos⁡2x dx.\displaystyle \begin{aligned} I&=\int_0^\pi(f(x)-g(x))^2\,dx=\int_0^\pi x^2\sin^2x\,dx\\ &=\frac12\int_0^\pi x^2\,dx-\frac12\int_0^\pi x^2\cos2x\,dx. \end{aligned} 最後の積分は、部分積分を2回用いて ∫0πx2cos⁡2x dx=[x2sin⁡2x2]0π−∫0πxsin⁡2x dx=−[−xcos⁡2x2]0π−12∫0πcos⁡2x dx=π2−[sin⁡2x4]0π=π2\displaystyle \begin{aligned} \int_0^\pi x^2\cos2x\,dx &=\left[\frac{x^2\sin2x}{2}\right]_0^\pi-\int_0^\pi x\sin2x\,dx\\ &=-\left[-\frac{x\cos2x}{2}\right]_0^\pi-\frac12\int_0^\pi\cos2x\,dx\\ &=\frac{\pi}{2}-\left[\frac{\sin2x}{4}\right]_0^\pi=\frac{\pi}{2} \end{aligned} となる。したがって I=π36−π4=π(2π2−3)12.\displaystyle \boxed{I=\frac{\pi^3}{6}-\frac{\pi}{4}=\frac{\pi(2\pi^2-3)}{12}}.

第2式の積分を定数cと置き、第1式からfをcを含む形で求める。定義積分の端点値を正しく評価するとc=πcとなるためc=0。これを用いて第2小問を二倍角公式と部分積分で計算する。初期答案A207には端点値の+1の脱落があったが、採用決定はEscalation X207の修正版であり、修正版の式は原問を満たす。

この問題で使う考え方

  • 定積分部分を定数とおく
  • 部分積分
  • 対称区間上の奇関数の積分
  • 二倍角公式
  • 部分積分を2回

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