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熊本大学/2007年度/前期

熊本大学 2007年 数学 第3問解答・解説

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1問題

熊本大学2007年度第3問

行列 AA の表す移動によって xyxy 平面上の点 (0,1),(1,2)(0,1), (1,2) はそれぞれ (1,1),(2,1)(1,1), (2,1) に移されるとする。以下の問いに答えよ。

(1) 行列 AA を求めよ。

(2) 曲線 y=exy=e^x 上を点 P(t,et)P(t,e^t) が動くとき,PP がこの移動によって移る点の軌跡 CC を求めよ。ただし,−∞<t<∞-\infty<t<\infty とする。

(3) 曲線 DD を y=x+log⁡(e+1e−x)\displaystyle y=x+\log\left(e+\dfrac{1}{e}-x\right) とする。ただし,x<e+1e\displaystyle x<e+\dfrac{1}{e} である。2つの曲線 CC と DD で囲まれる領域の面積を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) A=(01−11)A=\begin{pmatrix}0&1\\-1&1\end{pmatrix}。 (2) C:y=x−log⁡x (x>0)C:y=x-\log x\ (x>0)。 (3) 面積 4e\displaystyle \frac4e。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) A=(abcd)A=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix} とおく。点 (0,1)(0,1) の像が (1,1)(1,1) なので b=d=1b=d=1。点 (1,2)(1,2) の像について (a+2b, c+2d)=(2,1)(a+2b,\ c+2d)=(2,1) であるから、a=0, c=−1a=0,\ c=-1。したがって A=(01−11).A=\begin{pmatrix}0&1\\-1&1\end{pmatrix}.

(2) P(t,et)P(t,e^t) の像は A(tet)=(etet−t).A\begin{pmatrix}t\\e^t\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}e^t\\e^t-t\end{pmatrix}. x=etx=e^t とおくと、tt は実数なので x>0x>0 であり、t=log⁡xt=\log x である。よって軌跡は C:y=x−log⁡x(x>0)C:\quad y=x-\log x\quad (x>0) である。

(3) S=e+1e\displaystyle S=e+\dfrac1e とおく。共通の定義域は 0<x<S0<x<S である。交点では x−log⁡x=x+log⁡(S−x)であるための必要十分条件はlog⁡{x(S−x)}=0、すなわちx(S−x)=1.x-\log x=x+\log(S-x) \quad\text{であるための必要十分条件は}\quad \log\{x(S-x)\}=0 \quad\text{、すなわち}\quad x(S-x)=1. したがって (x−e)(x−1e)=0,\displaystyle (x-e)\left(x-\frac1e\right)=0, 交点の xx 座標は 1/e,e1/e,e である。また yD−yC=log⁡{x(S−x)},x(S−x)−1=−(x−e)(x−1e)>0(1e<x<e),\displaystyle y_D-y_C=\log\{x(S-x)\},\qquad x(S-x)-1=-(x-e)\left(x-\frac1e\right)>0 \quad\left(\frac1e<x<e\right), より、この区間では DD が CC より上にある。よって面積は ∫1/eelog⁡{x(S−x)} dx=∫1/ee{log⁡x+log⁡(S−x)} dx=2∫1/eelog⁡x dx=2[xlog⁡x−x]1/ee=4e.\displaystyle \begin{aligned} \int_{1/e}^{e}\log\{x(S-x)\}\,dx &=\int_{1/e}^{e}\{\log x+\log(S-x)\}\,dx\\ &=2\int_{1/e}^{e}\log x\,dx\\ &=2\left[x\log x-x\right]_{1/e}^{e}=\frac4e. \end{aligned} 第2項の積分は u=S−xu=S-x と置換すると第1項と等しい。原始関数は (xlog⁡x−x)′=log⁡x(x\log x-x)'=\log x である。

(1) 行列の各成分を置いて指定された2点の像を代入すると、b=d=1b=d=1、a=0a=0、c=−1c=-1となる。(2) 像の座標は (et,et−t)(e^t,e^t-t)である。x=etx=e^tは正の全実数を動き、t=log⁡xt=\log xだから CCは y=x−log⁡x (x>0)y=x-\log x\ (x>0)。(3) S=e+1/eS=e+1/eとおくと曲線差は log⁡{x(S−x)}\log\{x(S-x)\}である。交点方程式 x(S−x)=1x(S-x)=1の解は 1/e,e1/e,e。1/e<x<e1/e<x<eの範囲では x(S−x)−1=−(x−e)(x−1/e)>0x(S-x)-1=-(x-e)(x-1/e)>0なので DDが上側となる。積分を log⁡x+log⁡(S−x)\log x+\log(S-x)に分け、後項に u=S−xu=S-xを代入すると 2∫1/eelog⁡x dx=4/e\displaystyle 2\int_{1/e}^{e}\log x\,dx=4/e。

この問題で使う考え方

  • 行列成分の連立
  • 媒介変数の消去
  • 交点と上下関係の判定
  • 置換積分・対数関数の原始関数

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