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熊本大学/2021年度/前期

熊本大学 2021年 数学 第2問解答・解説

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1問題

熊本大学2021年度第2問

複素数 ww は実部、虚部ともに正であるとする。相異なる複素数 α,β,γ\alpha,\beta,\gamma は {(w+2)α}2+(wβ)2−(2γ)2=4(w+2)α2+2w2αβ−8αγ\{(w+2)\alpha\}^{2}+(w\beta)^{2}-(2\gamma)^{2}=4(w+2)\alpha^{2}+2w^{2}\alpha\beta-8\alpha\gamma を満たすとする。α,β,γ\alpha,\beta,\gamma を表す複素数平面上の点をそれぞれ A,B,CA,B,C とする。

(問1) γ−αβ−α\displaystyle \dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} の偏角 θ\theta (0≦θ<2π)(0\leq\theta<2\pi) のとりうる範囲を求めよ。

(問2) △ABC\triangle ABC が正三角形であるときの ww の値を求めよ。

(問3) △ABC\triangle ABC が正三角形であるとする。w=αw=\alpha かつ △ABC\triangle ABC の重心が点 w22\displaystyle \dfrac{w^{2}}{2} であるとき、β\beta と γ\gamma の値を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

与式を平方差に因数分解し、複素数の比をwで表す。正三角形ではこの比の偏角を利用し、最後に重心の複素数表示からβとγを決定する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (問1) 0<θ<π2 \displaystyle )\space{}0<\theta<\frac{\pi}{2}\space{} または π<θ<3π2(\displaystyle \space{}\pi<\theta<\frac{3\pi}{2}\quad (問2) w=1+3i()\space{}w=1+\sqrt{3}i\quad (問3) β=−2+23i, γ=−2)\space{}\beta=-2+2\sqrt{3}i,\space{}\gamma=-2

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(問1) まず与式の左辺から右辺を引いて整理すると、 0=((w+2)2−4(w+2))α2+w2β2−2w2αβ−4γ2+8αγ=(w2−4)α2+w2β2−2w2αβ−4γ2+8αγ=w2(β−α)2−4(γ−α)2=(w(β−α)−2(γ−α))(w(β−α)+2(γ−α)).\begin{aligned} 0&=\bigl((w+2)^2-4(w+2)\bigr)\alpha^2+w^2\beta^2-2w^2\alpha\beta-4\gamma^2+8\alpha\gamma\\ &=(w^2-4)\alpha^2+w^2\beta^2-2w^2\alpha\beta-4\gamma^2+8\alpha\gamma\\ &=w^2(\beta-\alpha)^2-4(\gamma-\alpha)^2\\ &=\bigl(w(\beta-\alpha)-2(\gamma-\alpha)\bigr)\bigl(w(\beta-\alpha)+2(\gamma-\alpha)\bigr). \end{aligned} β\beta≠\neα\alpha なので、 γ−αβ−α=w2または−w2.\displaystyle \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=\frac{w}{2}\quad\text{または}\quad -\frac{w}{2}. w=x+yi (x>0, y>0)w=x+yi\ (x>0,\ y>0) とおくと、arg⁡w=ϕ\arg w=\phi は 0<ϕ<π2\displaystyle 0<\phi<\frac{\pi}{2} を満たす。したがって比の偏角は、前者では ϕ\phi、後者では ϕ+π\phi+\pi である。逆に、任意のそのような ww に対して (α,β,γ)=(0,1,w/2)(\alpha,\beta,\gamma)=(0,1,w/2) または (0,1,−w/2)(0,1,-w/2) とすれば、3数は相異なり与式を満たす。よって 0<θ<π2またはπ<θ<3π2.\displaystyle 0<\theta<\frac{\pi}{2}\quad\text{または}\quad \pi<\theta<\frac{3\pi}{2}.

(問2) r=γ−αβ−α\displaystyle r=\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} とおく。正三角形であるため、r=eiπ/3r=e^{i\pi/3} または r=e−iπ/3r=e^{-i\pi/3} である。(問1)の関係から w=2rw=2r または w=−2rw=-2r となる。これら4候補のうち、実部・虚部がともに正なのは 2eiπ/3=1+3i2e^{i\pi/3}=1+\sqrt{3}i だけである。したがって w=1+3iw=1+\sqrt{3}i。

(問3) (問2)より w=1+3iw=1+\sqrt{3}i であり、正三角形の向きと(問1)の関係から r=w/2=(1+3i)/2r=w/2=(1+\sqrt{3}i)/2 である。d=β−αd=\beta-\alpha とおくと、α=w\alpha=w、β=w+d\beta=w+d、γ=w+rd\gamma=w+rd である。重心の条件から w+1+r3d=w22.\displaystyle w+\frac{1+r}{3}d=\frac{w^2}{2}. ここで w2/2=−1+3iw^2/2=-1+\sqrt{3}i なので、(1+r)d/3=−2(1+r)d/3=-2。また 1+r=(3+3i)/21+r=(3+\sqrt{3}i)/2 より d=−61+r=−123+3i=−3+3i.\displaystyle d=-\frac{6}{1+r}=-\frac{12}{3+\sqrt{3}i}=-3+\sqrt{3}i. よって β=w+d=−2+23i,rd=−3−3i,γ=w+rd=−2.\beta=w+d=-2+2\sqrt{3}i,\qquad rd=-3-\sqrt{3}i,\qquad \gamma=w+rd=-2. 確認すると、γ−α=r(β−α)\gamma-\alpha=r(\beta-\alpha)、∣r∣=∣r−1∣=1|r|=|r-1|=1 であるから3辺の長さは等しく、α+β+γ=−3+33i=3w2/2\alpha+\beta+\gamma=-3+3\sqrt{3}i=3w^2/2 で重心条件も満たす。さらに w=2rw=2r なので、問1で得た関係を満たし、元の等式も成り立つ。

この問題で使う考え方

  • 複素数の四則演算
  • 三角形の性質
  • 三角形の中心
  • 複素数平面
  • 複素数の極形式

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