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和歌山県立医科大学/2018年度/前期

和歌山県立医科大学 2018年 数学 第3問解答・解説

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1問題

和歌山県立医科大学2018年度第3問

(1) 一辺の長さ1の正五角形 ABCDEABCDE がある。

(i) ∠AEB=∠BEC\angle AEB=\angle BEC を示し、BEBE と CDCD は平行であることを示せ。

(ii) AA から CDCD に下ろした垂線と BEBE の交点を FF とする。CECE と AFAF の長さを求めよ。

(2) P(x)=0P(x)=0 は実数を係数とする5次の方程式であり、その解は次の条件(a)、(b)をみたすものとする。P(x)P(x) を実数の範囲で因数分解せよ。

(a) 解を複素数平面上の点として表すと、正五角形の各頂点となっている。

(b) 1+52i\displaystyle \dfrac{1+\sqrt{5}}{2}i は解の一つで、実部が負となる解もただ一つ存在する。ただし、ii は虚数単位である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

正五角形の円周角・二等辺三角形・相似で対角線の比を導き、複素平面では共役根と頂点配置の符号条件から五根を定め、共役根を実二次式にまとめる。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)(i)∠AEB=∠BEC,BE∥CD.\quad \angle AEB=\angle BEC,\quad BE\parallel CD.\qquad (1)(ii)CE=1+52,AF=10−254.\displaystyle \quad CE=\frac{1+\sqrt5}{2},\quad AF=\frac{\sqrt{10-2\sqrt5}}{4}.\qquad (2)P(x)=c(x2+3+52)(x+10−252)(x2−10+25 x+7+52),c∈R∖{0}.\displaystyle \quad P(x)=c\left(x^2+\frac{3+\sqrt5}{2}\right)\left(x+\frac{\sqrt{10-2\sqrt5}}{2}\right)\left(x^2-\sqrt{10+2\sqrt5}\,x+\frac{7+\sqrt5}{2}\right),\quad c\in\mathbb R\setminus\{0\}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)正五角形の各内角は、内角の和が 3×180∘=540∘3\times180^\circ=540^\circ であることから 108∘108^\circ である。また、外接円の隣り合う頂点に対する中心角は 360∘/5=72∘360^\circ/5=72^\circ である。

(i) ∠AEB\angle AEB は弧 ABAB に対する円周角、∠BEC\angle BEC は弧 BCBC に対する円周角である。AB=BCAB=BC だからこれらの弧は等しく、したがって ∠AEB=∠BEC=36∘.\angle AEB=\angle BEC=36^\circ. 正五角形の対角線はすべて等しいので BE=CEBE=CE である。よって二等辺三角形 BCEBCE の底角は ∠EBC=∠BCE=180∘−36∘2=72∘.\displaystyle \angle EBC=\angle BCE=\frac{180^\circ-36^\circ}{2}=72^\circ. 一方、∠BCD=108∘\angle BCD=108^\circ だから ∠EBC+∠BCD=180∘\angle EBC+\angle BCD=180^\circ である。直線 BCBC を横切る直線 BE,CDBE,CD の同側内角の和が 180∘180^\circ なので、BE∥CDBE\parallel CD である。

(ii) 対角線の長さを dd とする。PP を対角線 ACAC と BEBE の交点とする。対角線どうしは正五角形の内部で交わるので、A,P,CA,P,C はこの順に一直線上にある。

AB=BC=1AB=BC=1、AB=AEAB=AE、AB=BCAB=BC より、二等辺三角形 ABEABE の底角と二等辺三角形 ABCABC の底角はいずれも 36∘36^\circ である。したがって △ABP\triangle ABP の角は 36∘,36∘,108∘36^\circ,36^\circ,108^\circ となり、△ABE\triangle ABE と相似である。対応を A↔E,B↔B,P↔AA\leftrightarrow E, B\leftrightarrow B, P\leftrightarrow A とすると、AB=1AB=1 は EB=dEB=d に対応するから、相似比は 1/d1/d であり、AP=AE/d=1/dAP=AE/d=1/d である。

また、△BCP\triangle BCP では ∠BCP=∠BCA=36∘\angle BCP=\angle BCA=36^\circ、∠CBP=∠CBE=72∘\angle CBP=\angle CBE=72^\circ である。よって △BCP∼△BCE\triangle BCP\sim\triangle BCE(対応は B↔B,C↔E,P↔CB\leftrightarrow B, C\leftrightarrow E, P\leftrightarrow C)である。BC=1BC=1 は BE=dBE=d に対応するので、相似比は 1/d1/d であり、CP=CE/d=1CP=CE/d=1 となる。ゆえに d=AC=AP+PC=1d+1,d2−d−1=0.\displaystyle d=AC=AP+PC=\frac1d+1, \qquad d^2-d-1=0. d>0d>0 だから d=1+52\displaystyle d=\dfrac{1+\sqrt5}{2} であり、CE=d=1+52\displaystyle CE=d=\dfrac{1+\sqrt5}{2} である。

AF⊥CDAF\perp CD かつ BE∥CDBE\parallel CD より AF⊥BEAF\perp BE である。したがって FF は二等辺三角形 ABEABE の底辺 BEBE への垂線の足であり、BF=BE/2=d/2BF=BE/2=d/2 である。直角三角形 ABFABF に三平方の定理を用いると AF2=AB2−BF2=1−d24=1−3+58=5−58.\displaystyle AF^2=AB^2-BF^2=1-\frac{d^2}{4} =1-\frac{3+\sqrt5}{8} =\frac{5-\sqrt5}{8}. AF>0AF>0 より AF=10−254\displaystyle AF=\dfrac{\sqrt{10-2\sqrt5}}{4} である。

(2)ϕ=1+52\displaystyle \phi=\dfrac{1+\sqrt5}{2} とおく。PP は実係数多項式だから、iϕi\phi が解ならその共役 −iϕ-i\phi も解である。この二点 (0,ϕ),(0,−ϕ)(0,\phi),(0,-\phi) を結ぶ弦の垂直二等分線は実軸なので、正五角形の中心を O=(h,0)O=(h,0) と書ける。外接円の半径を RR とすると、この弦の中点は原点である。

二頂点の中心角は、隣り合う場合の 72∘72^\circ または一頂点を隔てる場合の 144∘144^\circ のいずれかである。中心角を δ\delta とすれば、弦の中点までの距離から ∣h∣=Rcos⁡(δ/2)|h|=R\cos(\delta/2) である。まず δ=72∘\delta=72^\circ とすると、h>0h>0 の場合、弦の端点は OO から見て 144∘,216∘144^\circ,216^\circ の方向にあり、残る頂点は 0∘,72∘,288∘0^\circ,72^\circ,288^\circ の方向にある。この三点の実部はすべて正で、負の実部をもつ頂点はない。h<0h<0 の場合は端点が 36∘,324∘36^\circ,324^\circ、残る頂点が 108∘,180∘,252∘108^\circ,180^\circ,252^\circ の方向にあり、残る三点の実部がすべて負となる。いずれも「実部が負となる解がただ一つ」に反する。

したがって δ=144∘\delta=144^\circ である。このとき h<0h<0 なら、端点以外の方向は 0∘,144∘,216∘0^\circ,144^\circ,216^\circ で、後二点の実部が負となるため、負の実部の解が二つある。ゆえに h>0h>0 でなければならない。この場合、頂点の方向は 36∘,108∘,180∘,252∘,324∘36^\circ,108^\circ,180^\circ,252^\circ,324^\circ であり、iϕ,−iϕi\phi,-i\phi はそれぞれ 108∘,252∘108^\circ,252^\circ の位置にある。残る頂点を r,u+iv,u−ivr,u+iv,u-iv と書くと、r<0r<0、u>0u>0、v>0v>0 であり、方向から rr は 108∘,252∘108^\circ,252^\circ の両頂点に隣接し、u±ivu\pm iv は互いに隣接し、u+ivu+iv は iϕi\phi に隣接する。

(1) で求めた対角線と辺の比は ϕ\phi である。いま対角線 iϕi\phi と −iϕ-i\phi の長さは 2ϕ2\phi だから、正五角形の辺の長さは 22 である。隣り合う u+iv,u−ivu+iv,u-iv の距離は 2v2v なので 2v=22v=2、よって v=1v=1 である。また、隣り合う rr と iϕi\phi の距離、および u+iu+i と iϕi\phi の距離はいずれも辺の長さ 22 であるから r2+ϕ2=4,u2+(ϕ−1)2=4.r^2+\phi^2=4,\qquad u^2+(\phi-1)^2=4. r<0,u>0r<0,u>0 と ϕ2=3+52\displaystyle \phi^2=\dfrac{3+\sqrt5}{2}、(ϕ−1)2=3−52\displaystyle (\phi-1)^2=\dfrac{3-\sqrt5}{2} より r=−5−52=−10−252,u=5+52.\displaystyle r=-\sqrt{\frac{5-\sqrt5}{2}}=-\frac{\sqrt{10-2\sqrt5}}2, \qquad u=\sqrt{\frac{5+\sqrt5}{2}}. 検算として、得られた座標は r2+ϕ2=4,u2+(ϕ−1)2=4,∣(u+i)−(u−i)∣=2r^2+\phi^2=4,\qquad u^2+(\phi-1)^2=4,\qquad |(u+i)-(u-i)|=2 を満たす。すなわち、頂点の順に隣り合う点どうしの距離はすべて辺長 22 である。また r<0,u>0r<0,u>0 なので負の実部をもつ解は rr の一つだけであり、指定された iϕi\phi も含まれている。

したがって解は iϕ,−iϕ,r,u+i,u−ii\phi,-i\phi,r,u+i,u-i である。五頂点は相異なる五根であり、PP は五次式だから、これらがすべての根である。よって、実数係数であることを確認しながら共役な二根ずつをまとめると P(x)=c(x−iϕ)(x+iϕ)(x−r)(x−u−i)(x−u+i)=c(x2+3+52)(x+10−252)(x2−10+25 x+7+52),\displaystyle P(x)=c(x-i\phi)(x+i\phi)(x-r)(x-u-i)(x-u+i) =c\left(x^2+\frac{3+\sqrt5}{2}\right)\left(x+\frac{\sqrt{10-2\sqrt5}}2\right)\left(x^2-\sqrt{10+2\sqrt5}\,x+\frac{7+\sqrt5}{2}\right), ただし cc は 00 でない実数である。最後の式の三因子は順に根 ±iϕ\pm i\phi、rr、u±iu\pm i をもち、実係数であり、与えられた五頂点を過不足なく根にもつので、求める実数範囲での因数分解である。

この問題で使う考え方

  • 円の性質
  • 三角形の性質
  • 複素数の四則演算
  • 座標による距離
  • 高次方程式
  • 複素数平面

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