s=1+a2 とおく。a>0 だから s>1 である。円の中心を C(u,v)、半径を r とする。直線 l3:y=0 との距離が r なので、r=∣v∣>0 であり、v=σr(σ=1 または −1)と書ける。
直線 l1,l2 をそれぞれ ax−y+a=0, ax+y=0 と表すと、点 C と各直線との距離が r である条件は ∣au−v+a∣=sr,∣au+v∣=sr である。したがって、それぞれ1または−1の値をとるε1,ε2を用いて au−v+a=ε1sr,au+v=ε2sr と書ける。v=σr を代入し、2式の差をとると a=r{2σ+s(ε1−ε2)},au=r(ε2s−σ) を得る。ここで a,r>0 なので、最初の式の右辺の括弧は正でなければならない。
まず ε1=ε2=τ(τ=±1)の場合、a=2σr だから σ=1, r=a/2 である。さらに au=r(τs−1) より u=(τs−1)/2 となる。従って、τ=1,−1 に対し、中心はそれぞれ ((s−1)/2,a/2)、(−(s+1)/2,a/2) である。
次に (ε1,ε2)=(1,−1) の場合、a=2r(σ+s) である。σ=1 なら r=a/[2(s+1)]、au=−r(s+1) から u=−1/2 であり、中心は (−1/2,a/[2(s+1)]) となる。σ=−1 なら r=a/[2(s−1)](s>1 より正)で、au=r(−s+1) から u=−1/2 であり、中心は (−1/2,−a/[2(s−1)]) となる。
最後に (ε1,ε2)=(−1,1) なら a=2r(σ−s) となるが、s>1, σ=±1 から σ−s<0 であり、これは a,r>0 に反する。以上で全ての場合を尽くした。得られた各中心・半径は対応する符号付き2式と v=σr を満たすので、3直線からの距離がいずれも r となり、実際に3直線すべてに接する。よって円の方程式は (x−2s−1)2+(y−2a)2=(2a)2,(x+2s+1)2+(y−2a)2=(2a)2, (x+21)2+(y−2(s+1)a)2=(2(s+1)a)2,(x+21)2+(y+2(s−1)a)2=(2(s−1)a)2.
次に半径を比べる。s+1>1 なので a/[2(s+1)]<a/2 である。また s−1>0 より、a/[2(s−1)] と a/2 の大小は 1/(s−1) と 1 の大小で決まり、s≶2、すなわち a≶3 に応じて入れ替わる。したがって M=⎩⎨⎧2(s−1)a=2as+1=2a1+a2+12a(0<a≦3),(a≧3). 境界 a=3 では s=2 となり、両方の式は M=3/2 を与える。
左側の枝の形を見るため t=1/a とおくと、M=(t2+1+t)/2 である。t>0 では右辺は t とともに増加する一方、t=1/a は a とともに減少するので、この枝は a とともに単調に減少する。また M=(s+1)/(2a)>1/a だから、a が 0 に近づくと左側の枝は上方へ伸びる。右側の枝 M=a/2 は右上がりの直線である。従ってグラフは、定義域 a>0 で左上方から減少して (3,3/2) に達し、そこから M=a/2 に沿って右上がりとなる。この点が唯一の最小点である。