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東京慈恵会医科大学/2019年度/前期

東京慈恵会医科大学 2019年 数学 第4問解答・解説

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1問題

東京慈恵会医科大学2019年度第4問

方程式 x3+1=0x^3+1=0 の解のうち、虚部が正であるものを α\alpha とする。複素数平面上の3点 A(α),B(−1),C(α‾)A(\alpha),B(-1),C(\overline{\alpha}) を頂点とする △ABC\triangle ABC を考える。△ABC\triangle ABC の周上の点 P(z)P(z) に対して、原点 OO を端点とし P(z)P(z) を通る半直線上に ∣w∣=1∣z∣\displaystyle \lvert w\rvert=\frac{1}{\lvert z\rvert} をみたす点 Q(w)Q(w) をとるとき、次の問いに答えよ。ただし、複素数 γ\gamma に共役な複素数を γ‾\overline{\gamma} で表し、複素数平面上で複素数 γ\gamma を表す点 GG を G(γ)G(\gamma) と書く。

(1) w=1z‾\displaystyle w=\frac{1}{\overline{z}} となることを示せ。

(2) P(z)P(z) が △ABC\triangle ABC の周上を動くとき、Q(w)Q(w) が描く図形によって囲まれた部分の面積 SS を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

半直線と絶対値の条件から単位円反転を導き,正三角形の各辺の像を円の大きい弧として表し,扇形と三角形の面積差で囲まれた面積を求めた。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • w=1z‾,S=2π+332.\displaystyle w=\frac1{\overline z},\qquad S=2\pi+\frac{3\sqrt3}{2}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) P(z)P(z) は三角形の周上にあり原点ではないので z≠0z\ne0。PP と QQ は原点を端点とする同じ半直線上にあるから,ある実数 t>0t>0 を用いて w=tzw=tz と書ける。条件 ∣w∣=1/∣z∣|w|=1/|z| より t∣z∣=1∣z∣,t=1∣z∣2.\displaystyle t|z|=\frac1{|z|},\qquad t=\frac1{|z|^2}. 従って w=z∣z∣2=zzz‾=1z‾.\displaystyle w=\frac{z}{|z|^2}=\frac{z}{z\overline z}=\frac1{\overline z}.

(2) x3+1=(x+1)(x2−x+1)x^3+1=(x+1)(x^2-x+1) より α=1+i32,α‾=1−i32.\displaystyle \alpha=\frac{1+i\sqrt3}{2},\qquad \overline\alpha=\frac{1-i\sqrt3}{2}. これらと −1-1 は偏角がそれぞれ π/3,5π/3,π\pi/3,5\pi/3,\pi で,単位円上にあり,3点は一辺 3\sqrt3 の正三角形をなす。原点はその中心で,各辺を含む直線と原点との距離は正三角形の内接円半径 1/21/2 である。

辺の一つを回転して直線 Re⁡z=1/2\operatorname{Re}z=1/2 と見る。変換 w=1/z‾w=1/\overline z は逆変換も同じ式なので,z=w/∣w∣2z=w/|w|^2 である。従ってこの直線の像は Re⁡(w∣w∣2)=12すなわち∣w∣2−2Re⁡w=0すなわち∣w−1∣=1.\displaystyle \operatorname{Re}\left(\frac{w}{|w|^2}\right)=\frac12 \quad\text{すなわち}\quad |w|^2-2\operatorname{Re}w=0 \quad\text{すなわち}\quad |w-1|=1. 回転した他の辺も同様に,中心が原点から距離1の単位円となる円へ移る。元の辺の中点は原点から距離1/2の位置にあり,像はその辺の外向き法線上で距離2の点となるため,該当する像は両端の頂点を結ぶ円のうち外側へ膨らむ240度の大きい弧である。

像の境界は元の三頂点(いずれも単位円上で変換により不動)を結ぶ3本の大きい弧からなる。その内側には単位円の円板が含まれる。各辺に対応する外側の弧と単位円の小さい弧との間の面積を求める。外側の円は半径1で,対応する大きい扇形の中心角は 240∘=4π/3240^\circ=4\pi/3 なので,弦と大きい弧で囲まれる部分の面積は 12⋅12⋅4π3+34=2π3+34.\displaystyle \frac12\cdot1^2\cdot\frac{4\pi}{3}+\frac{\sqrt3}{4} =\frac{2\pi}{3}+\frac{\sqrt3}{4}. ここで三角形部分の面積は,半径1の二辺と中心角120度から 3/4\sqrt3/4 である。一方,単位円の小さい弧と同じ弦で囲まれる部分の面積は 12⋅12⋅2π3−34=π3−34.\displaystyle \frac12\cdot1^2\cdot\frac{2\pi}{3}-\frac{\sqrt3}{4} =\frac{\pi}{3}-\frac{\sqrt3}{4}. 従って一辺分の外側の付加面積は π/3+3/2\pi/3+\sqrt3/2。単位円板の面積 π\pi にこれを3個加えると S=π+3(π3+32)=2π+332.\displaystyle S=\pi+3\left(\frac{\pi}{3}+\frac{\sqrt3}{2}\right) =2\pi+\frac{3\sqrt3}{2}.

この問題で使う考え方

  • 三角形の性質
  • 円の性質
  • 三角比による面積
  • 円の方程式
  • 複素数平面

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