本文へ進む
メニュー
医学部数学 過去問DB問題を探す

京都府立医科大学/2013年度/前期

京都府立医科大学 2013年 数学 第4問解答・解説

このページには広告が含まれます。

1問題

京都府立医科大学2013年度第4問

2×22\times2 行列 A,BA,B はA2=B2=EかつAB+BA=OA^{2}=B^{2}=E\quad\text{かつ}\quad AB+BA=Oをみたしているとする。ここで EE は単位行列,OO は零行列である。

(1) (A+B)2m (m=1,2,3,…)(A+B)^{2m}\ (m=1,2,3,\ldots) を求めよ。

(2) 実数 a,ba,b に対して,aE+bAB=OaE+bAB=O ならば a=b=0a=b=0 であることを証明せよ。

次に行列 A,BA,B のうち一方を無作為に選ぶ試行を nn 回繰り返す。ただし nn は1以上の整数とする。kk 回目(1≦k≦n1\leq k\leq n)の試行で選んだ行列を CkC_{k} と表し,積Xn=C1C2⋯CnX_{n}=C_{1}C_{2}\cdots C_{n}を考える。Xn=EX_{n}=E となる確率を pnp_{n} とする。

(3) nn が奇数のとき,pn=0p_{n}=0 であることを証明せよ。

(4) nn が偶数のとき,pnp_{n} を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

反交換関係により行列積を標準形へ整理する。偶数回では連続する2試行ごとの積をE, AB, −ABに分類し,異なる行列が出る組数とその向きで単位行列となる確率を数える。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)  (A+B)2m=2mE.(1)\; (A+B)^{2m}=2^mE.
    (2)  aE+bAB=O⟹a=b=0.(2)\; aE+bAB=O\Longrightarrow a=b=0.
    (3) nが奇数なら pn=0.p_n=0.
    (4)  n=2m(4)\; n=2mなら pn=14+2−m−1=14+2−n/2−1.\displaystyle p_n=\frac14+2^{-m-1}=\frac14+2^{-n/2-1}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 条件から (A+B)2=A2+AB+BA+B2=2E(A+B)^2=A^2+AB+BA+B^2=2E である。したがって,m=1,2,3,…m=1,2,3,\ldots に対して (A+B)2m=((A+B)2)m=(2E)m=2mE.(A+B)^{2m}=\bigl((A+B)^2\bigr)^m=(2E)^m=2^mE.

(2) D=ABD=AB とおくと BA=−AB=−DBA=-AB=-D だから, D2=ABAB=A(BA)B=−A2B2=−E.D^2=ABAB=A(BA)B=-A^2B^2=-E. aE+bD=OaE+bD=O とする。もし b=0b=0 なら aE=OaE=O であり,E≠OE\ne O より a=0a=0 である。もし b≠0b\ne0 なら D=−abE\displaystyle D=-\dfrac ab E となり,これを二乗すると −E=D2=a2b2E\displaystyle -E=D^2=\frac{a^2}{b^2}E を得る。しかし a,ba,b は実数なので 1+a2b2>0\displaystyle 1+\dfrac{a^2}{b^2}>0 であり,これは E≠OE\ne O に反する。ゆえに b=0b=0 であり,続いて a=0a=0 である。

(3) A2=B2=EA^2=B^2=E および BA=−ABBA=-AB を用いて,積の中の BB を AA の右側へ移すたびに符号が反転する。したがって,AA が現れる回数を uu,BB が現れる回数を vv とすると,11 または −1-1 である符号 ε\varepsilon に対して Xn=εAuBvX_n=\varepsilon A^uB^v と書ける。u+v=nu+v=n が奇数なら u,vu,v の一方が偶数,他方が奇数なので,Xn=±AX_n=\pm A または Xn=±BX_n=\pm B である。ここで A≠±EA\ne\pm E である。実際,A=±EA=\pm E なら AB+BA=±2B=OAB+BA=\pm2B=O から B=OB=O となり,B2=EB^2=E に反する。同様に B≠±EB\ne\pm E である。よって奇数 nn では Xn≠EX_n\ne E であり,pn=0p_n=0 となる。

(4) n=2mn=2m とし,試行を隣り合う2回ずつ mm 組に分ける。D=ABD=AB とおけば,各組の積は AA=E,BB=E,AB=D,BA=−DAA=E,\qquad BB=E,\qquad AB=D,\qquad BA=-D のいずれかであり,D2=−ED^2=-E である。異なる行列を選ぶ組の個数を jj とする。各組で異なる行列が選ばれる確率は 12\displaystyle \dfrac12 なので, Pr⁡(j)=(mj)2m.\displaystyle \Pr(j)=\frac{\binom mj}{2^m}. jj が奇数なら,全体の積は ±D\pm D となって EE ではない。j=0j=0 なら積は必ず EE であり,その確率は 2−m2^{-m} である。j≧2j\ge2 が偶数なら,異なる行列を選ぶ jj 組の向き AB,BAAB,BA の組合せのうち,積の符号が正となるものはちょうど半分である。よって p2m=2−m+12m+1∑2≦j≦mjは偶数(mj).\displaystyle p_{2m}=2^{-m}+\frac{1}{2^{m+1}}\sum\limits _{\substack{2\le j\le m\\j\text{は偶数}}}\binom mj. m≧1m\ge1 について偶数番目の二項係数の和は 2m−12^{m-1} だから, ∑2≦j≦mjは偶数(mj)=2m−1−1.\displaystyle \sum\limits _{\substack{2\le j\le m\\j\text{は偶数}}}\binom mj=2^{m-1}-1. したがって p2m=2−m+2m−1−12m+1=14+2−m−1=14+2−n/2−1.\displaystyle p_{2m}=2^{-m}+\frac{2^{m-1}-1}{2^{m+1}} =\frac14+2^{-m-1} =\frac14+2^{-n/2-1}.

この問題で使う考え方

  • 組合せ
  • 積の法則
  • 独立な試行
  • 確率の基本法則
  • 行列を用いた表現

PR

数学を1対1で教わるオンライン塾「数強塾」

数強塾は、中学生・高校生のための数学専門のオンライン個別指導塾です。プロ講師がマンツーマンで教え、大学受験の数学にも対応しています。入塾の前に、今の学習状況と目標を確かめる診断授業(体験・3,000円、税込)を受けられます。

「数強塾」オンライン数学克服塾〈プロ講師〉

東大生と1対1で学べるオンライン個別指導「トウコベ」

トウコベは、東大生を中心に難関大学の学生が講師を務める、完全マンツーマンのオンライン個別指導です。はじめに、オンラインの説明会・勉強相談(無料)をWebで予約でき、その後にお試し授業を受けられます。

トウコベ公式サイト

似た問題を、ほかの大学で

答えや解説の誤りに気づいたら、お問い合わせから教えてください。