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京都府立医科大学/2018年度/前期

京都府立医科大学 2018年 数学 第4問解答・解説

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1問題

京都府立医科大学2018年度第4問

nn は2以上の偶数とする。nn 個の式 x−k (k=0,1,2,…,n−1)x-k\ (k=0,1,2,\ldots,n-1) の積を fn(x)f_{n}(x) とする。すなわち fn(x)=x(x−1)(x−2)⋯(x−n+1)f_{n}(x)=x(x-1)(x-2)\cdots(x-n+1) である。

(1) 関数 y=fn(x)y=f_{n}(x) のグラフは yy 軸に平行なある直線に関して対称であることを証明せよ。

(2) xx の方程式 fn(x)=n!f_{n}(x)=n! はちょうど2つの実数解をもつことを証明し,その実数解を求めよ。

(3) (2)の実数解を α,β (α<β)\alpha,\beta\ (\alpha<\beta) とするとき lim⁡n→∞1(n+1)!∫αβ∣fn(x)∣ dx\displaystyle\lim\limits _{n\to\infty}\frac{1}{(n+1)!}\int_{\alpha}^{\beta}\left|f_{n}(x)\right|\,dx を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

対称性は因子の添字を逆順に置き換えて示す。方程式は外側での積の単調性と整数根間での積の評価に分ける。極限は区間ごとに積分を上から評価し、二項係数の下界を使ってはさみうちする。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)x=n−12\displaystyle (1) x=\dfrac{n-1}{2} に関して対称である。
    (2)x=−1, n(2) x=-1,\space{}n。
    (3) 0

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 各因子の添字を逆順にすると,fn(n−1−x)=∏k=0n−1(n−1−x−k)=(−1)n∏j=0n−1(x−j)=fn(x)\displaystyle f_n(n-1-x)=\prod\limits _{k=0}^{n-1}(n-1-x-k)=(-1)^n\prod\limits _{j=0}^{n-1}(x-j)=f_n(x) となる。ここで nn は偶数なので (−1)n=1(-1)^n=1 である。したがって,xx と n−1−xn-1-x における関数値は等しく,グラフは直線 x=n−12\displaystyle x=\dfrac{n-1}{2} に関して対称である。

(2) x=−1x=-1 では fn(−1)=(−1)nn!=n!f_n(-1)=(-1)^n n!=n!,また x=nx=n では fn(n)=n!f_n(n)=n! である。これら以外に解がないことを示す。

まず x<0x<0 とし,t=−x>0t=-x>0 とおくと fn(x)=t(t+1)⋯(t+n−1)f_n(x)=t(t+1)\cdots(t+n-1) である。この積は t>0t>0 で狭義に増加する。実際,tt が大きくなると正の各因子がすべて大きくなる。t=1t=1 で積は n!n! となるので,この範囲の解は t=1t=1,すなわち x=−1x=-1 だけである。同様に x>n−1x>n-1 とし t=x−(n−1)>0t=x-(n-1)>0 とおけば fn(x)=t(t+1)⋯(t+n−1)f_n(x)=t(t+1)\cdots(t+n-1) となるから,この範囲の解は t=1t=1,すなわち x=nx=n だけである。

残る範囲では,ある m=0,1,…,n−2m=0,1,\ldots,n-2 に対し m<x<m+1m<x<m+1 と書ける。x=m+t (0<t<1)x=m+t\ (0<t<1) とすると,∣fn(x)∣=∏j=0m(j+t)∏ℓ=1n−1−m(ℓ−t)<(m+1)!(n−1−m)!=n!(nm+1)<n!.\displaystyle |f_n(x)|=\prod\limits _{j=0}^{m}(j+t)\prod\limits _{\ell=1}^{n-1-m}(\ell-t)<(m+1)!(n-1-m)!=\frac{n!}{\binom{n}{m+1}}<n!. 最後の不等号は 1≦m+1≦n−11\leq m+1\leq n-1 より (nm+1)>1\displaystyle \binom{n}{m+1}>1 であることによる。整数 x=0,1,…,n−1x=0,1,\ldots,n-1 では fn(x)=0f_n(x)=0 である。よって fn(x)=n!f_n(x)=n! の実数解は x=−1,nx=-1,n のちょうど2つである。したがって α=−1, β=n\alpha=-1,\ \beta=n である。

(3) Pn(t)=t(t+1)⋯(t+n−1) (0≦t≦1)P_n(t)=t(t+1)\cdots(t+n-1)\ (0\leq t\leq1) とおく。−1≦x≦0-1\le x\le0 の範囲 で x=−tx=-t,n−1≦x≦nn-1\le x\le n の範囲 で x=n−1+tx=n-1+t と置換すると,どちらも ∣fn(x)∣=Pn(t)|f_n(x)|=P_n(t) となる。また各因子は j+t≦j+1j+t\leq j+1 だから Pn(t)≦n!P_n(t)\leq n! であり,両端の区間の積分の和は 2n!2n! 以下である。

m≦x≦m+1m\le x\le m+1 の範囲(m=0,1,…,n−2m=0,1,\ldots,n-2) では (2) の評価から,∫mm+1∣fn(x)∣ dx≦n!(nm+1).\displaystyle \int_m^{m+1}|f_n(x)|\,dx\leq\frac{n!}{\binom{n}{m+1}}. よって n≧4n\geq4 なら,二項係数の対称性と増加性から,∑r=1n−11(nr)=2n+∑r=2n−21(nr)≦2n+2(n−3)n(n−1)<4n.\displaystyle \sum\limits _{r=1}^{n-1}\frac1{\binom nr}=\frac2n+\sum\limits _{r=2}^{n-2}\frac1{\binom nr}\leq\frac2n+\frac{2(n-3)}{n(n-1)}<\frac4n. したがって,0≦1(n+1)!∫−1n∣fn(x)∣ dx≦2+4/nn+1⟶0.\displaystyle 0\leq\frac1{(n+1)!}\int_{-1}^{n}|f_n(x)|\,dx\leq\frac{2+4/n}{n+1}\longrightarrow0. 求める極限は 00 である。

この問題で使う考え方

  • 高次方程式
  • 定積分
  • 定積分による面積
  • 数列の極限

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