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京都府立医科大学/2022年度/前期

京都府立医科大学 2022年 数学 第3問解答・解説

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1問題

京都府立医科大学2022年度第3問

n,mn, m は自然数とする。赤玉と白玉の入った nn 個の箱があり, 次の条件(a), (b), (c)を満たすとする。

(a) それぞれの箱には赤玉と白玉が合計 nn 個入っている。

(b) 赤玉はどの箱にも1個以上入っている。一方, 白玉が入っていない箱はあってもよい。

(c) それぞれの箱に入っている赤玉の個数は互いに異なる。

以下の試行 TT を行う。

TT: 太郎さんは nn 個の箱からひとつの箱を無作為に選び花子さんに渡す。花子さんは渡された箱の中から「無作為に玉をひとつ取り出し, 色を確認し同じ箱にもどす作業」を m+2m+2 回繰り返す。

(1) 試行 TT において, 1回目から mm 回目までに取り出した玉がすべて赤玉である事象を XX とし, その確率を pnp_n とする。このとき lim⁡n→∞pn\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}p_n を mm を用いて表せ。

(2) 試行 TT において, m+1m+1 回目と m+2m+2 回目に取り出した玉のうち, 少なくとも1個が赤玉である事象を YY とする。(1)の事象 XX が起こったときの事象 YY の起こる条件付き確率 PX(Y)P_X(Y) を qnq_n とする。このとき lim⁡n→∞qn\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}q_n を mm を用いて表せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

赤玉数が1からnまで一度ずつ現れることを用いて箱ごとの確率を平均する。条件付き確率では、最初のm回が赤となる確率を重みとして最後の2回の事象を評価し、区分求積法で極限をとる。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • lim⁡n→∞pn=1m+1,lim⁡n→∞qn=(m+1)(m+4)(m+2)(m+3).\displaystyle \boxed{\lim\limits _{n\to\infty}p_n=\frac1{m+1}},\qquad \boxed{\lim\limits _{n\to\infty}q_n=\frac{(m+1)(m+4)}{(m+2)(m+3)}}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

赤玉の個数を各箱について考える。条件(a),(b)より,各箱の赤玉数は 1,2,…,n1,2,\ldots,n のいずれかであり,条件(c)よりそれらは互いに異なる。箱は nn 個あるので,赤玉数 1,2,…,n1,2,\ldots,n がそれぞれちょうど一つの箱に入っている。したがって,箱を一つ選ぶと,赤玉数が kk 個の箱を選ぶ確率は 1/n1/n である。

(1)\text{(1)} 赤玉数が kk 個の箱を選んだとき,玉を戻すので各回の抽出は独立であり,最初の mm 回がすべて赤玉となる確率は (k/n)m(k/n)^m である。よって pn=1n∑k=1n(kn)m=1n∑k=1nf(kn),f(x)=xm.\displaystyle p_n=\frac1n\sum\limits _{k=1}^{n}\left(\frac{k}{n}\right)^m =\frac1n\sum\limits _{k=1}^{n} f\left(\frac{k}{n}\right), \qquad f(x)=x^m. これは連続関数 ff の、0≦x≦10\le x\le1 の範囲における区分求積の和であるから, lim⁡n→∞pn=∫01xm dx=1m+1.\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}p_n=\int_0^1x^m\,dx =\frac1{m+1}.

(2)\text{(2)} 赤玉数が kk 個の箱を選んだ事象を BkB_k とする。すると P(Bk∩X)=1n(kn)m,P(X)=1n∑j=1n(jn)m.\displaystyle P(B_k\cap X)=\frac1n\left(\frac{k}{n}\right)^m, \qquad P(X)=\frac1n\sum\limits _{j=1}^{n}\left(\frac{j}{n}\right)^m. したがって,XX が起こったときに赤玉数 kk 個の箱が選ばれている条件付き確率は P(Bk∣X)=(k/n)m∑j=1n(j/n)m.\displaystyle P(B_k\mid X) =\frac{(k/n)^m}{\displaystyle\sum\limits _{j=1}^{n}(j/n)^m}. 箱 BkB_k を固定すれば、戻しながら抽出する各回は独立なので、最後の2回の抽出は最初の mm 回に起きた事象 XX とも独立である。一方、どの箱を選んだかを固定せずに考えると、赤玉の割合が箱によって異なるため、最後の2回どうしは一般に独立とは限らない。赤玉数が kk 個なら,最後の2回に少なくとも1個の赤玉が出る確率は,余事象を用いて 1−(1−kn)2=2kn−(kn)2.\displaystyle 1-\left(1-\frac{k}{n}\right)^2 =2\frac{k}{n}-\left(\frac{k}{n}\right)^2. よって qn=PX(Y)=∑k=1n(k/n)m{2(k/n)−(k/n)2}∑k=1n(k/n)m.\displaystyle q_n=P_X(Y) =\frac{\displaystyle\sum\limits _{k=1}^{n} (k/n)^m\left\{2(k/n)-(k/n)^2\right\}} {\displaystyle\sum\limits _{k=1}^{n}(k/n)^m}. 分子・分母をそれぞれ nn で割ると,区分求積法より 1n∑k=1n(k/n)m⟶∫01xm dx=1m+1,\displaystyle \frac1n\sum\limits _{k=1}^{n}(k/n)^m\longrightarrow \int_0^1x^m\,dx=\frac1{m+1}, 1n∑k=1n(k/n)m{2(k/n)−(k/n)2}⟶∫01(2xm+1−xm+2) dx=2m+2−1m+3.\displaystyle \frac1n\sum\limits _{k=1}^{n}(k/n)^m \left\{2(k/n)-(k/n)^2\right\} \longrightarrow \int_0^1(2x^{m+1}-x^{m+2})\,dx =\frac2{m+2}-\frac1{m+3}. 分母の極限は正なので,極限の比をとることができる。したがって lim⁡n→∞qn=(m+1)(2m+2−1m+3)=(m+1)(m+4)(m+2)(m+3).\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}q_n =(m+1)\left(\frac2{m+2}-\frac1{m+3}\right) =\frac{(m+1)(m+4)}{(m+2)(m+3)}.

この問題で使う考え方

  • 確率の基本法則
  • 独立な試行
  • 余事象
  • 条件付き確率
  • 定積分
  • 数列の極限

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