本文へ進む
メニュー
医学部数学 過去問DB問題を探す

九州大学/2002年度/前期

九州大学 2002年 数学 第1問解答・解説

このページには広告が含まれます。

1問題

九州大学2002年度第1問配点 50点

この問題の解答は,解答紙12の定められた場所に記入しなさい。

平面上を運動する点 P(x,y)P(x,y) の時刻 tt での xx 座標と yy 座標が {x=et−e−t2,y=et+e−t2\displaystyle \begin{cases}x=\dfrac{e^t-e^{-t}}{2},\\ y=\dfrac{e^t+e^{-t}}{2}\end{cases} で表されている。ただし,ee は自然対数の底である。原点を OO,点 (0,1)(0,1) を MM とする。t≧0t\geq 0 の範囲で変化したとき点 PP が描く曲線を CC とする。時刻 tt において,曲線 CC,線分 OMOM,および線分 OPOP で囲まれる図形の面積を A(t)A(t) で表し,曲線 CC と線分 MPMP で囲まれる図形の面積を S(t)S(t) で表す。次の問いに答えよ。

(1) 点 P(x,y)P(x,y) の座標 x,yx,y に対して yy を xx を用いて表せ。

(2) 時刻 tt を用いて A(t)A(t) と S(t)S(t) を表せ。

(3) A(t)−S(t)A(t)-S(t) が最大となる時刻 tt を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

媒介変数x(t)=(e^t-e^{-t})/2, y(t)=(e^t+e^{-t})/2からy^2-x^2=1とy>0を導きy=√(x^2+1)(x≧0)を得る((1))。時刻tでのX=x(t),Y=y(t)を用い、直線OPおよび弦MPと曲線y=√(x^2+1)との交点をそれぞれ2乗して整理した2次方程式を解くことでx=0,Xでしか交わらないことを確認し、各区間で曲線と直線・弦の上下関係を決定した上で、通常の定積分(必要なら置換x=x(t')でt'積分に変換)によりA(t)=t/2、S(t)=(e^t-e^{-t})/4-t/2を求めた((2))。h(t)=A(t)-S(t)=t-(e^t-e^{-t})/4を微分し、h'(t)=1-y(t)/2かつy(t)がt≧0で単調増加であることから極値点がt≧0でただ一つで、そこが最大値を与えることを示し、e^{2t}-4e^t+1=0を解いてt=log(2+√3)を得た((3))。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) y=x2+1 (x≧0)(1)\space{}y=\sqrt{x^{2}+1}\space{}(x\geqq0)
    (2) A(t)=t2,S(t)=et−e−t4−t2\displaystyle (2)\space{}A(t)=\dfrac{t}{2},\quad S(t)=\dfrac{e^{t}-e^{-t}}{4}-\dfrac{t}{2}
    (3) t=log⁡(2+3)(3)\space{}t=\log(2+\sqrt3)

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)

x=et−e−t2\displaystyle x=\dfrac{e^{t}-e^{-t}}{2},y=et+e−t2\displaystyle y=\dfrac{e^{t}+e^{-t}}{2} とおくと y2−x2=(et+e−t)2−(et−e−t)24=4ete−t4=1\displaystyle y^{2}-x^{2}=\frac{(e^{t}+e^{-t})^{2}-(e^{t}-e^{-t})^{2}}{4}=\frac{4e^{t}e^{-t}}{4}=1 がすべての実数 tt で成り立つ。また y=et+e−t2=(et/2−e−t/2)2+22≧1>0\displaystyle y=\frac{e^{t}+e^{-t}}{2}=\frac{(e^{t/2}-e^{-t/2})^{2}+2}{2}\geqq1>0 であるから,y2=x2+1y^{2}=x^{2}+1 とあわせて y=x2+1.y=\sqrt{x^{2}+1}. 次に x(t)x(t) の変化を調べる。dxdt=et+e−t2=y(t)>0\displaystyle \dfrac{dx}{dt}=\dfrac{e^{t}+e^{-t}}{2}=y(t)>0 より x(t)x(t) は tt について単調増加であり,x(0)=0x(0)=0,t→∞t\to\infty で x→∞x\to\infty であるから,t≧0t\geqq0 の範囲で xx は 00 以上のすべての値をちょうど一度ずつとる。したがって曲線 CC は y=x2+1(x≧0)y=\sqrt{x^{2}+1}\quad(x\geqq0) である。

(2)

t=0t=0 のときは P=MP=M で A(0)=S(0)=0A(0)=S(0)=0 となる。以下 t>0t>0 を固定し,X=x(t)=et−e−t2 (>0)\displaystyle X=x(t)=\dfrac{e^{t}-e^{-t}}{2}\,(>0),Y=y(t)=et+e−t2 (>1)\displaystyle Y=y(t)=\dfrac{e^{t}+e^{-t}}{2}\,(>1) とおく。曲線 CC は 0≦x≦X0\leqq x\leqq X の範囲で y=f(x):=x2+1y=f(x):=\sqrt{x^{2}+1} と表される。

【直線 OPOP と曲線】直線 OPOP は y=YXx\displaystyle y=\dfrac{Y}{X}x である。f(x)=YXx\displaystyle f(x)=\dfrac{Y}{X}x の両辺を 22 乗して整理すると,Y2−X2=1Y^{2}-X^{2}=1 より 1+x2=Y2X2x2であるための必要十分条件はx2⋅Y2−X2X2=1、すなわちx2=X2.\displaystyle 1+x^{2}=\frac{Y^{2}}{X^{2}}x^{2}\text{であるための必要十分条件は} x^{2}\cdot\frac{Y^{2}-X^{2}}{X^{2}}=1\text{、すなわち} x^{2}=X^{2}. よって 0≦x≦X0\leqq x\leqq X で f(x)=YXx\displaystyle f(x)=\dfrac{Y}{X}x となるのは x=0,Xx=0,X に限る。x=0x=0 では f(0)=1>0f(0)=1>0 なので,連続性から f(x)>YXx(0<x<X)\displaystyle f(x)>\frac{Y}{X}x\qquad(0<x<X) である。ゆえに線分 OMOM,曲線 CC(MM から PP まで),線分 POPO で囲まれる図形は,0≦x≦X0\leqq x\leqq X において曲線が直線 OPOP より上にある部分に一致し, A(t)=∫0X{f(x)−YXx}dx=∫0Xf(x) dx−XY2.\displaystyle A(t)=\int_{0}^{X}\Bigl\{f(x)-\frac{Y}{X}x\Bigr\}dx=\int_{0}^{X}f(x)\,dx-\frac{XY}{2}. ここで x=x(t′)=et′−e−t′2 (0≦t′≦t)\displaystyle x=x(t')=\dfrac{e^{t'}-e^{-t'}}{2}\,(0\leqq t'\leqq t) と置換すると dx=y(t′) dt′dx=y(t')\,dt',f(x)=y(t′)f(x)=y(t') であるから ∫0Xf(x) dx=∫0ty(t′)2 dt′=∫0te2t′+2+e−2t′4 dt′=[e2t′−e−2t′8+t′2]0t=e2t−e−2t8+t2.\displaystyle \int_{0}^{X}f(x)\,dx=\int_{0}^{t}y(t')^{2}\,dt'=\int_{0}^{t}\frac{e^{2t'}+2+e^{-2t'}}{4}\,dt'=\left[\frac{e^{2t'}-e^{-2t'}}{8}+\frac{t'}{2}\right]_{0}^{t}=\frac{e^{2t}-e^{-2t}}{8}+\frac{t}{2}. e2t−e−2t8=(et−e−t)(et+e−t)8=XY2\displaystyle \dfrac{e^{2t}-e^{-2t}}{8}=\dfrac{(e^{t}-e^{-t})(e^{t}+e^{-t})}{8}=\dfrac{XY}{2} であるから ∫0Xf(x) dx=XY2+t2,ゆえにA(t)=(XY2+t2)−XY2=t2.\displaystyle \int_{0}^{X}f(x)\,dx=\frac{XY}{2}+\frac{t}{2},\qquad\text{ゆえに}\qquad A(t)=\left(\frac{XY}{2}+\frac{t}{2}\right)-\frac{XY}{2}=\frac{t}{2}.

【弦 MPMP と曲線】弦 MPMP は M(0,1)M(0,1),P(X,Y)P(X,Y) を通るので y=1+Y−1Xx=:g(x)\displaystyle y=1+\dfrac{Y-1}{X}x=:g(x) である。f(x)=g(x)f(x)=g(x) を整理すると 2⋅Y−1Xx+(Y−1X)2x2−x2=0であるための必要十分条件はx{2⋅Y−1X+x⋅(Y−1)2−X2X2}=0.\displaystyle 2\cdot\frac{Y-1}{X}x+\left(\frac{Y-1}{X}\right)^{2}x^{2}-x^{2}=0\text{であるための必要十分条件は} x\left\{2\cdot\frac{Y-1}{X}+x\cdot\frac{(Y-1)^{2}-X^{2}}{X^{2}}\right\}=0. (Y−1)2−X2=(Y2−X2)−2Y+1=2−2Y=−2(Y−1)(Y-1)^{2}-X^{2}=(Y^{2}-X^{2})-2Y+1=2-2Y=-2(Y-1) であり,t>0t>0 より Y>1Y>1 だから,x≠0x\neq0 のとき 2⋅Y−1X−2⋅Y−1X2x=0であるための必要十分条件はx=X.\displaystyle 2\cdot\frac{Y-1}{X}-2\cdot\frac{Y-1}{X^{2}}x=0\text{であるための必要十分条件は} x=X. よって f(x)=g(x)f(x)=g(x) となるのは x=0,Xx=0,X に限る。x=0x=0 の近くでは gg の傾き Y−1X>0\displaystyle \dfrac{Y-1}{X}>0 に対し f′(0)=0f'(0)=0 であるから,xx がわずかに正のとき g(x)>f(x)g(x)>f(x) となり,連続性よりこの区間全体で g(x)>f(x)(0<x<X)g(x)>f(x)\qquad(0<x<X) である。ゆえに曲線 CC(MM から PP)と線分 MPMP で囲まれる図形は,弦が曲線より上にある部分に一致し, S(t)=∫0X{g(x)−f(x)} dx=∫0Xg(x) dx−∫0Xf(x) dx.\displaystyle S(t)=\int_{0}^{X}\{g(x)-f(x)\}\,dx=\int_{0}^{X}g(x)\,dx-\int_{0}^{X}f(x)\,dx. ∫0Xg(x) dx=X+Y−1X⋅X22=X2+XY2.\displaystyle \int_{0}^{X}g(x)\,dx=X+\frac{Y-1}{X}\cdot\frac{X^{2}}{2}=\frac{X}{2}+\frac{XY}{2}. 先に求めた ∫0Xf(x) dx=XY2+t2\displaystyle\int_{0}^{X}f(x)\,dx=\frac{XY}{2}+\frac{t}{2} とあわせて S(t)=(X2+XY2)−(XY2+t2)=X−t2=12(et−e−t2−t)=et−e−t4−t2.\displaystyle S(t)=\left(\frac{X}{2}+\frac{XY}{2}\right)-\left(\frac{XY}{2}+\frac{t}{2}\right)=\frac{X-t}{2}=\frac{1}{2}\left(\frac{e^{t}-e^{-t}}{2}-t\right)=\frac{e^{t}-e^{-t}}{4}-\frac{t}{2}. (t=0t=0 のときもこの式の値は 00 で S(0)=0S(0)=0 と一致する。)まとめると A(t)=t2,S(t)=et−e−t4−t2(t≧0).\displaystyle A(t)=\frac{t}{2},\qquad S(t)=\frac{e^{t}-e^{-t}}{4}-\frac{t}{2}\qquad(t\geqq0).

(3)

h(t):=A(t)−S(t)=t2−(et−e−t4−t2)=t−et−e−t4(t≧0).\displaystyle h(t):=A(t)-S(t)=\frac{t}{2}-\left(\frac{e^{t}-e^{-t}}{4}-\frac{t}{2}\right)=t-\frac{e^{t}-e^{-t}}{4}\qquad(t\geqq0). 微分すると h′(t)=1−et+e−t4=1−y(t)2.\displaystyle h'(t)=1-\frac{e^{t}+e^{-t}}{4}=1-\frac{y(t)}{2}. (1)で見たように y(t)=et+e−t2\displaystyle y(t)=\dfrac{e^{t}+e^{-t}}{2} は t≧0t\geqq0 で単調増加(y′(t)=x(t)≧0y'(t)=x(t)\geqq0)であり,y(0)=1y(0)=1,t→∞t\to\infty で y(t)→∞y(t)\to\infty である。よって h′(t)=0h'(t)=0,すなわち y(t)=2y(t)=2 となる tt がただ一つ存在し,そこで h′(t)h'(t) は正から負に変わる(y(t)<2y(t)<2 で h′(t)>0h'(t)>0,y(t)>2y(t)>2 で h′(t)<0h'(t)<0)。 y(t)=2であるための必要十分条件はet+e−t2=2、すなわちe2t−4et+1=0.\displaystyle y(t)=2\text{であるための必要十分条件は}\frac{e^{t}+e^{-t}}{2}=2\text{、すなわち} e^{2t}-4e^{t}+1=0. u=et (u>0)u=e^{t}\,(u>0) とおくと u2−4u+1=0u^{2}-4u+1=0 より u=2±3u=2\pm\sqrt3。t≧0t\geqq0 より u=et≧1u=e^{t}\geqq1 が必要であるが,2−3<12-\sqrt3<1 は不適,2+3>12+\sqrt3>1 は適する。ゆえに et=2+3,t=log⁡(2+3).e^{t}=2+\sqrt3,\qquad t=\log(2+\sqrt3). この tt の前後で h′(t)h'(t) は正から負に変わるので,h(t)=A(t)−S(t)h(t)=A(t)-S(t) は t=log⁡(2+3)t=\log(2+\sqrt3) で(t≧0t\geqq0 の範囲で)最大となる。 t=log⁡(2+3)\boxed{t=\log(2+\sqrt3)}

この問題で使う考え方

  • 曲線の媒介変数表示
  • 曲線で囲まれた面積
  • 置換積分法
  • 指数・対数関数の微分
  • 導関数と増減
  • 極大・極小
  • 対数とその性質

PR

数学を1対1で教わるオンライン塾「数強塾」

数強塾は、中学生・高校生のための数学専門のオンライン個別指導塾です。プロ講師がマンツーマンで教え、大学受験の数学にも対応しています。入塾の前に、今の学習状況と目標を確かめる診断授業(体験・3,000円、税込)を受けられます。

「数強塾」オンライン数学克服塾〈プロ講師〉

東大生と1対1で学べるオンライン個別指導「トウコベ」

トウコベは、東大生を中心に難関大学の学生が講師を務める、完全マンツーマンのオンライン個別指導です。はじめに、オンラインの説明会・勉強相談(無料)をWebで予約でき、その後にお試し授業を受けられます。

トウコベ公式サイト

似た問題を、ほかの大学で

答えや解説の誤りに気づいたら、お問い合わせから教えてください。