準備 a1=b1=1 は正の整数であり,an+1=2anbn,bn+1=2an2+bn2 は正の整数の四則演算(積・和の2倍)で表されているから,数学的帰納法により,すべてのn についてan,bn は正の整数である。
(1)の証明 まず漸化式からa2,b2,a3,b3を実際に計算する。 a2=2a1b1=2⋅1⋅1=2,b2=2a12+b12=2⋅1+1=3. a3=2a2b2=2⋅2⋅3=12,b3=2a22+b22=2⋅4+9=17. したがってa3≡0, b3≡2 (mod 3)であり,n=3のとき「anは3の倍数,bnは3の倍数でない」は成り立つ。(なおn=2ではa2≡2, b2≡0 (mod 3)となり主張が成り立たないため,n≧3という条件が本質的である。)
次に,あるn≧3についてan≡0 (mod 3)かつbn≡0 (mod 3)が成り立つと仮定する。合同式の性質(積・和は各項の合同類のみで定まる)を用いてan+1,bn+1を3で割った余りを調べる。 an+1=2anbn≡2⋅0⋅bn≡0 (mod 3). またan≡0よりan2≡0 (mod 3)であるから bn+1=2an2+bn2≡2⋅0+bn2≡bn2 (mod 3). 仮定よりbn≡0 (mod 3)であるから,bn≡1またはbn≡2 (mod 3)のいずれかであり,どちらの場合も bn2≡12≡1,またはbn2≡22=4≡1 (mod 3) となり,いずれにせよbn2≡1 (mod 3)である。ゆえにbn+1≡1 (mod 3)となり,特にbn+1≡0 (mod 3)である。
以上より,「an≡0, bn≡0 (mod 3)」はn=3で成り立ち,nで成り立てばn+1でも成り立つ。よって数学的帰納法により,すべてのn≧3についてanは3で割り切れ,bnは3で割り切れない。 ■
(2)の証明 まず,一般にan+1=2anbn, bn+1=2an2+bn2から,次の恒等式を示す。 bn+12−2an+12=(2an2+bn2)2−2(2anbn)2. 右辺を展開すると (2an2+bn2)2=4an4+4an2bn2+bn4,2(2anbn)2=8an2bn2 であるから, bn+12−2an+12=4an4+4an2bn2+bn4−8an2bn2=4an4−4an2bn2+bn4=(bn2−2an2)2. そこでen:=bn2−2an2とおくと,上式はen+1=en2という関係を与える(この等式はan,bnが満たす漸化式のみから導かれる代数的恒等式であり,すべてのnについて成り立つ)。
実際にn=2で計算すると,(1)の計算よりa2=2, b2=3であるから e2=b22−2a22=9−8=1. したがってe3=e22=12=1であり,以下同様にen+1=en2とe2=1から,数学的帰納法により,すべてのn≧2について en=bn2−2an2=1,すなわちbn2−2an2=1(n≧2) が成り立つ。
いまn≧2を固定し,d=gcd(an,bn)とおく(準備よりan,bnは正の整数だからdはwell-definedな正の整数)。d∣anよりd2∣an2,したがってd2∣2an2。またd∣bnよりd2∣bn2。ゆえにd2はbn2と2an2の差であるbn2−2an2=1も割り切る。 d2∣1. dは正の整数だから,これはd2=1,すなわちd=1を意味する。よってn≧2のときanとbnの最大公約数は1,すなわちanとbnは互いに素である。 ■